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4日目笠ケ岳山頂往復→(笠新道)→新穂高温泉
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 夕べも断続的に雨が降ったが、夜中は満天の星が輝いていた。4時過ぎ起床、ファスナーを開くと、茜色の空に槍・穂の稜が飛び込んできた、まるで旅の最終幕の緞帳が開くかの如く。これには感激、4日目にして、やっと、でも、これで良いのだ。次に一歩出ると、焼岳、乗鞍岳、御嶽山を南に、そしてもう半歩出て見上げれば笠ケ岳の山頂部が、明けきれぬ天空のシルエットに見える。ラーメンをすすり、4:40、お隣のKさん夫妻と山頂へ向う。

 ご来光を今か今かと待つ人40,50人、どこから昇るだろう、槍の左が赤いな、大キレットも赤いぞ、そんな会話があちらこちらに。前回登った時、槍と大喰の間から昇った、その時あと2,3日早ければ槍の天辺から昇ったろう、と言ったのを思い出したが、幾日だったかな? そんな話をしていると、突然大喰岳の真中から昇りだした。拍手がパラパラと聞こえてくる、その方向に目をやると手を合せ祈りの境地の方もいる、無心にシャッターを押す者多数。ここへ至るそれぞれの思い、心中はそれぞれ、でも美しいと思う心は一緒だろう、神聖なのかな。

 360度右から回れば、焼岳、乗鞍岳、御嶽山の火山、白山を遠望し、黒部五郎岳、薬師岳、剱岳、立山、赤牛岳、水晶岳、鷲羽岳、野口五郎岳、燕岳、そして槍・穂の峰、槍ヶ岳、大喰岳、中岳、南岳、大キレット、北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳、ジャンダルム、西穂高岳、と大展望をこの目で。素晴らしい光景を脳裏にインプットし、去りがたい山頂を後にする、テント場着5:50。
  
  日の出前の槍ヶ岳                    日の出前の穂高

  
  日の出はまだかな、槍のどこから出るかな       ご来光を待つ人々

  
  雲海に浮ぶ?、焼岳、乗鞍岳、御嶽山         黒部五郎岳、薬師岳、立山


  黒部五郎岳〜槍・穂〜御嶽山

  
 大喰岳の真中からご来光、何をか願う           槍・穂の稜線

  
                       明るさを急激に増していく


 槍・穂の稜線    槍ヶ岳、大喰岳、中岳、南岳、大キレット、北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳、ジャンダルム、西穂高岳


     黒部五郎岳〜槍・穂〜御嶽山

  
  山頂からテント場                      朝日を受けて赤く染まった祠のある山頂

 テントを撤収して、お隣さんより一足先に下る、6:20発。昨日の天気がうそのよう、槍・穂を見ながら快適な稜線歩き、振り返っては笠ケ岳を、右手には焼岳、乗鞍岳、御嶽山、左手には黒部五郎岳、薬師岳、剱岳、立山、水晶岳、鷲羽岳を眺め、山三昧な好天気。足元に気を使いつつ、濡れたテントで重量は往路と変らず、でも慣れか気分の問題か、ステップも軽く、7:08笠新道分岐点着。稜線に上がって一休み、雲が湧きあがり山並にアクセントを添える、これもまた生き物のようで面白いし、美しいものだ。
  
    テント場から焼岳、乗鞍岳、御嶽山             乗鞍岳、御嶽山

  
  テント場から黒部五郎岳、薬師岳、水晶岳     テント場から黒部五郎岳、薬師岳

  
   テント場から立山、水晶岳                テント場から笠ケ岳の山頂部

   
                 徐々に遠のく笠ケ岳と近づく槍ヶ岳

  
                徐々に遠のく笠ケ岳と近づく槍ヶ岳

  
   抜戸岩付近から笠ケ岳                  同、抜戸岳

  
   抜戸岩から先を行くハイカー               抜戸岩から笠ケ岳

  
                   徐々に遠のく笠ケ岳と近づく槍ヶ岳


                  徐々に遠のく笠ケ岳

  
                       徐々に遠のく笠ケ岳と近づく槍ヶ岳

  
           徐々に遠のく笠ケ岳       旧道(廃道)分岐点と抜戸岳

  
  黒部五郎岳、薬師岳                      焼岳、乗鞍岳、御嶽山

  
    笠新道分岐点                   分岐点から笠ケ岳

 きり無くも、やっと腰をあげ一気に杓子平まで下る、7:50着。まだ時間的には早いのだが、笠ケ岳、槍ケ岳は霧のベールを纏い、なかなか全容を見せてくれない。
  
   分岐点から槍ヶ岳                   抜戸岳の案内プレート


  稜線付近から笠ケ岳


   同、槍・穂の稜線

  
                       杓子平付近から笠ケ岳

 杓子平から登山道の様相が様変わりする、山並を見てきたが、ここからはお花畑が展開する。ミヤマトリカブト、シモツケソウなどなどが足を止め、急坂の下りに警鐘を鳴らしてくれているようだ。中間地点で、登ってくる地元の森林インストラクターのT氏に会い、問われる。「ライチョウを見たか、いつ、どこで、・・・・・」、三俣蓮華岳の初日の話をすると、更に突っ込んだ話に、「では写真を送りますから参考に・・・」、と別れた。近年激減しているとか、今回の山行で、条件的には良いはずであったが、一度見ただけだった。
  
    お花畑                         お花畑

  
  サラシナショウマ                       ニッコウキスゲ

  
   シモツケソウ                       ギボウシ

  
  樹林帯に入る                        槍を雲間にチョコッと

  
  ソバナ                          オヤマリンドウ

  
  マルバダケブキ                        木陰のベンチで小休止

 1450mまで下ると、ブナの案内板があった。ブナ、コメツガ、ナラ、ヒノキ類の比較的大きい木の森に入る。あと100mで林道だ、間もなく森が急に明るくなって笠新道登山口に出る、9:55。真夏の太陽が照りつける林道を1時間ほど歩き、出発点の駐車場着、10:50。
  
  ブナ                             コメツガ

  
      ナラ                         ヒノキの類とアズマシャクナゲ

  
     林中がパッと明るくなると              林道に出る

 本日の所要時間は、テント場から笠ケ岳往復が1時間20分、テント場から駐車場までが4時間30分で、合せて5時間50分であった。コースとしては、ほぼ予定通り歩き(雲ノ平散策のみカット)、体力的には“まだやれる”、と確信できた。何時の日かまた、あの稜線歩きを・・・・。

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