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1日目、新穂高温泉→鏡平→双六小屋→三俣山荘(テント泊)  
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 蒲田川の河川敷に沿った無料駐車場を3:40出発、トンネル状になった真っ暗な道路を抜けると、下限の月が東の空にわずかに輝いていた。林道に入り若干勾配を増していく、総重量17kgほどになろうか、ザックが腰にくい込むようだ。薄明るくなった頃、穴毛谷の工事用の道を左に分け、左俣沢に沿って進む。予定通り歩けば帰路下りて来る笠新道入口を5:00通過、ここまで来てやっと体も記憶を取り戻したようだ、ほどなく人声響くワサビ平小屋に到着小休止、5:12。帰る人と向う人、どの顔も山に溶け込んでハツラツとした感じだった、冷たい沢の水で喉を潤しザックを再び背に。

 ここを出ると、間もなく林道と分かれ、雪の残る河原をマークに沿って迂回し石畳の小池新道に入って、勾配を一段と増す。下る数人のグループだろう、秩父沢で腰を下ろし、日焼けした顔に笑みがこぼれていた。時々振向いては西穂、焼岳、遠くの乗鞍の山容に、この稜線の光景を浮かべていた。シシウドが原で大きく北東方向に回りこみ、8:10鏡池着。久々に見る槍・穂の稜線に出るのは溜息、逆光と薄い雲にシャープさを欠くが、池のまわりのシラビソがその分カバーしてくれ、まずまずの光景だ。山の案内書やネットで見、あまりにも知られた景色であるが、現実に目の前に見たときの感動は大きく秤がない。丁度7年前、どしゃぶりの木道を、連れのYさんと、もくもくと歩いて夢物語に終わった山行があったからだ。
  
                     左俣谷の雪の残る河原を迂回

  
                     焼岳、西穂の山頂部が顔を出す


       シシウドが原付近

  
  振向いては焼岳、乗鞍岳を眺め一息いれる        ミソガワソウ


   鏡池、逆光の槍・穂の峰々を湖面に映す

  
     槍〜キレットまで                   穂高

 8:20鏡池山荘着、また小休止。30,40人行き交う山人が、名峰を茶菓に思いを語り、空腹を満たしているようだった。ここからまたジグザグした急登となる、いささか疲労感あり、眠気もさす。あえぎながらの稜線まで標高差300m強、出逢った花たちに「ゆっくり私を見て行って・・・・」、つい立止まってはカメラを向ける、9:35弓折乗越着、小休止。
  
                鏡平小屋付近から槍ヶ岳(左)、弓折方面から下ってきた団体さん

  
   登山道沿いには、ウサギギク、ニッコウキスゲ、ミヤマリンドウがいっぱい


        眼下に鏡平、槍・穂の峰々を眺めながら高度を稼ぐ

    
   弓折乗越、左が弓折岳2588m             乗越から見る槍・穂の稜線、眼下に鏡平


 稜線から見たパノラマ、左が笠ケ岳、中央が双六岳と三俣蓮華岳、三俣山荘が間にあって右が鷲羽岳

  
  双六岳                           槍の穂先も雲に覆われそう

 ここからしばらく展望と花々を楽しみながら、小ピークを5,6つアップダウン、ミヤマトリカブトが一際鮮やかにお花畑を飾っていた。P2622を越え、小屋を正面に見ながら、シフトダウンしながら下ると双六小屋に着く、11:20。小屋の蛇口で思いっきり水を飲んで、双六岳の南斜面に取り付く、ハイマツに被われた道をしばらく歩き、尾根コースと巻道に分かれる、11:55。どちらを通っても三俣山荘への時間はあまり変わらない。明日戻る時に尾根を通るとして、花畑の広がる巻道に入る。

 山並にはガスがかかり、花だけが眠気から我が身を救ってくれたようだ。巻道といっても単純な水平道ではない、時には激しくアップダウンを、また浮石の多いザレたような岩場を通ったりする。明らかに双六小屋からのペースはダウン、倍近くかかっているようだ、でも時間的には全く心配がない、だから余計に。ダンダン霧が濃くなって、もうそれそろ三俣蓮華岳からのルートに合流してもよいのだが、と思っていた時、先方に女性が3人いて、「ライチョウだ!」の声。見ると仔沢山1,2,3・・・・、10ピキいるみたい。母鳥に見守られて、高山植物を啄ばんでいた。母鳥が声を発すると、一斉に仔鳥が同じ行動をとる。その姿が、何とも言えない、可愛いの一言。「この一家、人間社会だったら表彰ものだね」って言っていた、13:37合流点(三俣峠)、下って14:00三俣山荘のテント場着で本日の山行を終えた。
  
    クルマユリ                        ハクサンイチゲ

  
    ミヤマアキノキリンソウ                 オヤマリンドウ

  
ミヤマトリカブト                         ミヤマコウゾリナ

  
  イワギキョウ                        ヨツバシオガマ

  
    トウヤクリンドウ                     エゾシオガマ

  
  中央が鷲羽岳と双六小屋、左に水晶岳         弓折岳を振り返る

  
  ハクサンイチゲ                        アオノツガザクラ

  
ミヤマダイコンソウ                       チングルマ

  
   白い花、チングルマ                    チングルマの綿毛

  
  オンタデ                           コイワカガミ

  
   ミヤマキンバイ                       ミヤマリンドウ

  
  「集合!」って感じかな、母ライチョウ     「まだたりないぞ、早く、早く!」、石の上の母ライチョウと仔鳥たち

  
  三俣蓮華岳と巻道の合流点(三俣峠)           本日の目的地三俣山荘と後に鷲羽岳

 駐車場からの所要時間は、10時間20分、後半はバテ気味だったが、荷物重量のハンデを考えると、こんなところかな。本日の見所は、鏡池と弓折尾根から三俣蓮華岳からの合流点までの花、ライチョウとの出会いは偶然。近年、激減しているというライチョウ、無事成鳥になって欲しいな。天敵の鷹の餌食にならないように、願うのは皆同じでしょうね。
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