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駒ヶ岳・神山(箱根山)
山行日
    2004年11月29日   曇り後晴れ     単独

コース   詳細はこちら        1日目へジャンプします。
    駐車スペース(P点)→防ケ沢登山口(A点)→駒ヶ岳→神山→冠ケ岳→大涌谷分岐(D点)→早雲山駅(E)
    →強羅駅(F)⇒(電車で移動)⇒箱根湯本駅(G)→(箱根旧街道)→元箱根→箱根関所跡→元箱根→
    防ケ沢登山口道標(J)→(ヤブコキ)→車道(K)→駐車点(P)

 箱根の山二日目、長丁場の計画なので早立ちとなる、防ケ沢登山口の手前約400mの所から6:00スタート。まだ辺りは薄暗い、道路上を歩くので懐中電灯を使う。登山口まで7,8分、入口の感じから踏み跡はしっかりしているし、なんとか見えるので電灯をしまい、ヤッケも脱いで再スタート。艶のある茶色をした樹皮のヒメシャラの大木が、登山道沿いに一定の間隔をおいて生えている。自然て不思議なものだ、水分と光合成が出来るように強い株が残ったのかな。桧の二次林に入り、すぐに抜け広葉樹の森となる。ササの樹床の間をしばらく急登する。外輪山が木々の間に赤く染まる頃、7:06道標に出た。方向表示はないが、左手にハッキリした踏み跡があり、地形図にあった姥子方面からの道であろう。

 勾配は、幾分小さくなる、樹林も高木がなくなる。東方向にしばらく進むと、また勾配を増し、霧に若干包まれた駒ヶ岳の山頂部が見えた。間もなく神山・大涌谷、駒ヶ岳の分岐点にさしかかる、7:20。
  
 防ケ沢登山口                       外輪山に朝日がさす

  
 ここが姥子への分岐か                  霧に包まれた駒ヶ岳見える

  
 奥が駒ヶ岳山頂                      神山・大涌谷、駒ヶ岳の分岐点

 ここから、V字に深く削られた登山道を辿る、岩のゴロゴロした沢状の道も歩く。間もなく、下り専用路と合流して、左手に曲がり少し進むと山頂に出た、7:40。社殿の跡なのだろうか、基礎に使ったか、石碑だったのか、大きな石に綱が張られ立ち入り禁止になっていた。社殿はその奥にあり、南を向いて建っているようであった。霧で視界が悪く眺望は駄目だった。霧の動くのを待って、朝食をとる。ロープウエイの駅舎が隠れたり、見えたり、幾分払われるような兆しはあったが8:05山頂をあとにする。
  
 深くいぐられた登山道                    山頂の社殿

  
 鳥居の間から太陽が顔を出す               西方向の視界が時々開ける

 8:15、分岐点に戻り、神山への道に入る。ここもスゴイいぐられようだ、歩きにくい、人々が踏みしめた歴史街道か、悪路がしばらく続く。薄日がさしてきて、若干改善されているようだ、しかし低木のトンネル状の樹林帯でハッキリわからない。そこで下ってきた男性1名に出会う、「山頂の眺望は?」、「外輪山が見える程度・・・・」、という。間もなく平坦になり、一時山頂部が見えた。また潅木の中を一登りして、箱根の主峰、イオウの匂いの漂う山頂1438mに出る、8:50。
  
 神山への登山道、こんな所が多い           サンショウバラの実?

 山頂は樹林帯の中にあり眺望はあまり良くない。東の方向、駒ヶ岳、相模湾方面はぼやけて見えている。南、西方向は、樹木に遮られて見えない。北方向は、これから向かう冠ケ岳と外輪山が霞んで見える、昨日歩いた金時山の山並みも。また、山頂には三角点と石の祠があり、神の山として崇められた山岳信仰の霊山と記されていた。9:05、冠ケ岳に向かう。

 10分ほど北東方向に下ると、冠ケ岳への分岐点にさしかかる。冠ケ岳まで5分の標記あり、潅木の中に、社があり、その奥まった所が山頂だった。ここも樹木に囲まれ眺望のない岩峰である、枝間から大涌谷のガス煙が望める程度、岩場には赤味がかった葉色、コイワカガミ、イワナンテンが冬の到来を感じさせていた、9:28分岐点に戻る。
  
 神山山頂から駒ヶ岳                    同、霞みのかかった相模湾

  
 北方向に冠ケ岳と遠方に外輪山の北部        冠ケ岳への分岐点から神山

 ここからなだらかに少し進むと、P1365の西側を通過し、北方向に急下降する、足場の悪い道がしばらく続く。樹林帯の中に、ちょっとした空間があり、そこが大涌谷への分岐点である、9:50。現在亜硫酸ガス噴出とかで閉鎖されて立ち入れない、状況から眺めて通過する。この辺が盗掘でよく問題になる自生地なのだろうか、案内板にハコネコメツツジが書かれていた。採取すると、自然公園法、森林法、町の文化財保護条例に違反するとか。

 大涌谷への分岐点から7,8分歩くと駒ヶ岳への道を分ける、早雲山駅まで45分の標記あり。この分岐点を過ぎると、右手に早雲地獄を見ながら早雲山駅まで、ジグザグしながら広葉樹の森を500mほど急下降する。高度が下がるにつれ、散り残った紅葉が汗を鎮めてくれる。建設の音か、破壊の音か、音量を増す。桧の林を抜けると、ロープウエイ&ケーブル早雲山駅に出る、10:40。車道のヘアピンカーブを通り、小道に入り、正面に昨日歩いた山並みと紅葉を見ながら、ケーブルと平行して強羅駅まで下る、11:14着。
  
 大涌谷を下方に見る                    大涌谷への分岐点、通行止め

  
 正面に明星ケ岳を見ながら強羅駅方面へ       同付近から、明神ケ岳

 強羅駅からは、箱根登山鉄道にゆられて、紅葉真っ盛りの山沿いの景色を車窓に眺めながら、スイッチバックを3回、箱根湯本駅に着く。ここから元箱根まで、旧街道を箱根町観光部観光振興課のHP からダウンロードしたマップを片手に歩く、11:52箱根湯本駅を出発する。

 地下道を通り、早川にかかるあじさい橋を渡る。川沿いに砂利道を少し歩き擬木の階段を上がる、上がる。樫の木の実を踏みながら、うっそうとした道を抜け、人家の間を抜け車道に出る。
  
 あじさい橋                          旧街道、ここはバス通り

 バス停を5つほど過ぎ、国指定の石畳を250mほど歩いてまた舗装道路に出る、また5つ、6つバス停を通過すると須雲川橋に出る。ここには、須雲川探勝歩道案内図があり、畑宿1700m、元箱根6200mの標記あり。すくもばしを渡り、須雲川に沿ってなだらかにしばらく進んで、小さい2つの橋で須雲川を渡って車道に出て横断し、石畳の道に入る。
  
 紅葉真っ盛りの湯坂山斜面と滝遠望          須雲川橋で舗装道路と分かれすくもばしを渡る

  
 須雲川を渡る                        江戸時代の石畳の道

 案内板は、次々と箱根路の移り変わり、石畳の構造、排水路の構造、探勝歩道の説明を加える。坂名のついた石碑を見ては、歩いて納得、2,3回舗装に出たり横切ったりして畑宿本陣跡、13:44着。本陣跡の説明文の中に、米国初代総領事ハリスの箱根越えのエピソードが書いてあったがなかなか面白い、検査を拒否した外交官であるハリス、困り果てた奉行はハリスを馬に乗せ、籠だけ検査した、とか。
  
 小さい日本庭園を残す本陣跡               箱根旧街道一里塚、江戸より二十三里だそうです

 畑宿を過ぎると、旧街道七曲坂を通って、樫ノ木坂、雲助の説明版を見て、猿すべり坂バス停で道路を横断、甘酒茶屋の裏を通る。しばらく道路と平行して旧街道を歩き、旧街道石畳バス停で道路を横断、また石畳の路へ。元箱根まで40分の標記の所で14:50、ここからも若干登って、15:00最高地点873mを通過、緩やかに下る。15:06、道路を横断して、あと500mの標記。並木歩道橋を渡り、元箱根の起点に出る、15:12着。
  
  旧街道の石畳、山根橋付近             元箱根まで40分の標記

  
 箱根八里は馬でも・・・・、の碑               この石畳を最後に元箱根の起点に出る

 ここから車道併用の杉並にを少し歩き、国道1号線に出る、その角に身替り地蔵あり。右手には芦ノ湖、振向けば箱根神社の大きな鳥居、直に箱根旧街道杉並木に入る、ここは歩行者のみの遊歩道である。杉並木は、江戸時代徳川幕府が整備のため植えたもので、樹齢370年もたっているそうである。この道を江戸時代の人々は通って箱根の山を越えたという。湯本、畑宿、元箱根、箱根町、箱根峠、三島と続いた旧東海道沿いで残っているのはここと、箱根町の一部だとか、15:28。
  
  車道と併用の旧東海道                 身替り地蔵、国道1号線との合流点角にあり

  
  振向けば、箱根神社の鳥居と駒ヶ岳         歩行者専用旧東海道杉並木

 杉並木を出て関所跡へ、大きな門をくぐって旧街道歩きを終えた、15:30。湖畔の人にやさしい平成の石畳を歩いて、箱根神社、ロープウエイ駅、湖畔沿って車道を湖尻方向に歩く。何だか不安がよぎる、この道はどこへ通じているのだろうか? しばらく歩くと、こちらへ向かってくる夫婦に出会った。桃源台から来たと言う、これで一安心。まだある、「山側に道がなかったですか」、「なかったです」、ということは最悪桃源台まで行って、車道を駐車地点まで戻らねばならない。ここからしばらく歩いて、防ケ沢の道標を見た。水が流れていて、ヤブの中、とても踏み込めない。ここから少し歩くと、幸いかな防ケ沢登山口へ通じる道標を発見、これで安心した16:54。
  
 箱根関所跡、復元工事中のようである         この門をくぐって旧街道歩きを終えた

  
 人にやさしい平成の石畳、テッペイ石と目地も埋めてフラットな面に  湖畔に佇む赤い鳥居

  
       湖畔から駒ヶ岳                陽が傾き日没近い芦ノ湖

 が、しかし、踏み込んでみたものの、踏み跡らしいものはなく、立ち止まって耳を澄ました。かすかに、車の走る音、意外に近そうだ。薄暗くなった杉森をササに掴まって急登して道路へ出た、17:04。ここでもついていた、右手に200mあまり歩くと、すっかり暗くなったカーブで車を発見、無事本日の山行を終えた、17:08。総所要時間は、駅間の移動を除いて、10時間30分だった。神山山頂が1438m、湯本駅が96m、単純に計算しても標高差1340m、累積では1500m以上であろう。富士山でも見ながら歩けたら、また違っていたのだろうが、ただ歩いただけ、と言われそうな山歩きであった。

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