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------北アルプス雲上の楽園独り旅------
     
(三日目) 2002/7/27(土) 晴れ

コース
     三俣山荘→祖父岳分岐→岩苔乗越→ワレモ分岐→水晶小屋→東沢乗越→湯俣温泉方面分岐→真砂岳往復→
     野口五郎岳→野口五郎小屋→三ツ岳→西峰→野口五郎小屋(泊)


 5:17、温かい朝食を頂いて、3日目のスタートでる。ここでも半数以上の人がもう出発してしまっているようだ。鷲羽岳の道筋には点々と人影が動いている。東の大天井岳、槍ヶ岳もくっきりと見える、今日もいい天気だ。昨日登ってきたハイマツの間を抜け、幾筋の流れを横切って下る、5:40祖父岳分岐。ここから岩苔乗越までの道は、黒部川源流に沿って付けられている。1999年8月には上から下っているが、今日は登りだ。ルートの状況は、昨日のうちに聞いているので心配ない。小屋の若い方が背の低いクロユリと野口五郎岳から見る水晶岳を薦めてくれた。

 黒部の沢筋には大分残雪があり、至る所でトンネル状になって、その下で音を立てて流れている。5:52雪渓が一旦とぎれ、再び現れる。5:59お薦めのクロユリに出会った、確かに背が低いと言われればそのような気もする。色はどこでも見られるものと変わりない、花は今が盛りである。

 6:28、“黒部川はここからはじまる”と赤いペンキで書かれた大きな岩のところに出る、ここへ入って来られる方は、誰しも黒部川の源頭部を一目見て確かめたい、と思うでしょう。最初の一滴はどこから流れ落ちるのだろうか、それがここである。近づいてみると雪渓があり、そこから流れ落ちていた。雪渓もあと幾日かすれば消えてしまうかも知れないが、あとは岩からしみ出る一滴が日本海へ旅立つのである、源頭の水で500ccのペットボトル2本を満たす。
  
    クロユリ                              コイワカガミ

  
    アオノツガザクラ                             黒部川源頭、雪渓から流れ落ちていた

 源頭部から5分ほどで、6:33岩苔乗越に出た、雲ノ平から来た数人に尋ねられる「水晶岳を往復して三俣山荘に行きたい、ここで良いのか」と。要するに荷物をここに置いて水晶岳を往復したいので場所を確認したわけだ。誰しも考えることで荷物はあまり持ちたくないのである。6:44ワリモ分岐、朝日をまともに受けてまぶしい、野口五郎岳が見えた。ルートはワリモ岳の北側で水晶小屋の方向にトラバースしている。

 水晶小屋までの岩場でチョウノスケソウが点々と咲いていた、自然界で見るのは初めてである。北海道の知人が自宅で鉢で栽培し、綺麗に咲かせていたのを見たことがあった。一見花がチングルマに似ているので気付かない人がいるようである。両方とも小低木であるが、チョウノスケソウは常緑であり、チングルマは落葉である、葉の形状は全く異なるが、バラ科であることは共通している。7:17水晶小屋着、小屋の前には10人ほどがいて、それぞれの話しに耽っていた。野口五郎岳から来た人を捜し状況を聞く、見通しも利き岩も乾いているし、小石の細い道を除けば心配なさそうである、7:23ヤセオネを下る。
  
      岩苔乗越から祖父岳                        ミヤマダイコンソウ

  
     ライチョウの親子                              チョウノスケソウ

  
     ミヤマオダマキと槍方面の山                  水晶小屋から野口五郎岳方面

 赤茶けた一帯の岩はもろく、この岩が砕けて積もった道は滑りやすい。小屋近くでは階段状に道が整備されているが、
ほうきではいたように小石が除かれていた、山小屋の方が危険防止にやったのだろうか、それとも登山者が小石をよけな
がら歩いたのだろうか。この赤い岩は、槍ヶ岳の硫黄尾根と同じように見える。いくつかのアップダウンを繰り返し、鞍部に
出ると東沢乗越と書いてあった、この北側の沢は黒部湖の最南端に通じている、8:02着。黒部湖の北には後立山連峰が
立山の後ろにそびえていた。

 南方向の槍ヶ岳には、薄い雲がたなびき、周辺の山々もガスに覆われたり、早い雲の流れを感じた。鷲羽岳、水晶岳は
まだその気配はなかった。
  
  野口五郎岳、東沢乗越より                        立山、黒部湖、後立山連峰、東沢乗越より

  
       水晶岳、東沢乗越より                        ミヤマオダマキ

  
     歩いてきた道、、東沢乗越より               薄い雲がたなびく槍・穂、、東沢乗越より

 9:08湯俣温泉分岐着、明日はここから南真砂岳を往復する予定である、ここから見る限りでは登山地図に示された危険箇所は確認できない。真砂岳がこの上のはずであるが、ここからは踏み跡がないので、進むことにする、9:15。
  
     水晶岳、湯俣方面分岐付近より              赤牛岳、湯俣方面分岐付近より

  
     南真砂岳、湯俣方面分岐付近より              真砂岳、湯俣方面分岐付近より

 1,2分進んだところに矢印があった、消えてしまってわからないが多分位置関係から間違いないだろう。ザックをおいて踏み跡をたどると3分ほどで山頂鞍部に出た、9:22。西方を往復し、北峰に立った。野口五郎岳が北に、ガスってきた水晶岳が西方に、あつーい。下りは、登ってきた所へ出たつもりだったが、20mほど北よりでそこにも矢印があった、ここには野口五郎岳まで40分と書いてあった、9:28。
  
     野口五郎岳、真砂岳より                        水晶岳、真砂岳より

 9:37野口五郎岳西側斜面を緩やかにトラバース、確かに小屋の方が言っていたように山容が南から見たのとは全く異なる。双耳峰であり、間の雪渓が長く東沢まで伸びていて、色は黒、別名の黒岳である。南北の尾根筋を従えて深い谷を隔てて天を仰ぐ姿は勇壮である。山頂部で巻き道とズグザグに山頂を目指す道に別れた、勿論山頂を目指した。下りてくる人が「巻き道からちょっと入り込んだ方がらくですよ」と教えてくれたが、引き返すつもりもなくそのまま周辺の景色を見ながら歩いた、山頂着、9:55。
  
 野口五郎岳山頂                            ちょっとガスっているが水晶岳が立派に見える所だ

  
   赤牛岳(水晶岳の右手)、野口五郎岳山頂より       三ツ岳方面、野口五郎岳山頂より

  
    野口五郎の小屋が眼下に                     三ツ岳全容、野口五郎岳山頂付近より

 10:03野口五郎小屋着、宿泊の手続きをして、荷物を預けサブザックで三ツ岳を目指す、10:35小屋出発。登山地図では下り1時間10分、登り1時間40分となっているので往復3時間というところだ。登山道は西峰と最高峰の間を通り、最高峰の北側を巻いて通り抜けている。花崗岩質の小さいピークを3つほど越え、11:06無表示のピークに立つ、東沢を介して赤牛岳がせまっている、赤牛岳もでかい山だ。

 ちょっと下り西峰を巻いて雪渓の脇を通り、11:32最高峰との鞍部に出る。登山地図を信用して北へ登山道に沿って歩く。最短で登れそうな所を探し、11:35ゴロゴロした石づたいに歩き、山頂部の平坦な所に出た。大きな花崗岩が幾つもありどれが一番高いのかわからない、西のピークに立ち50mほど離れた北のピークに立つ、どうやらこちらが高そうだ、11:42。

 11:52登山道に戻る、北方向にはニセ烏帽子、烏帽子岳が霞んで見えていた。12:03西峰ピークに立つ、登山地図にはないが稜線に沿ってはっきりした道が付いている。残念ながらガスっていて1級の眺めではないが、ここもかなりのビューポイントにちがいない。12:21本道と合流する、12:36往路で休んだ無表示のピークに到着。休んでいると若い男性2人がやって来た、高瀬ダムから入り野口五郎岳を日帰りするという、「百姓もしなくてはならない、山にも登りたい、日帰りしかない」と言っていた。13:10野口五郎小屋に戻る。
  
  コマクサ                                   三ツ岳の山頂部

  
     三ツ岳山頂鞍部にはコマクサがいっぱい            三ツ岳山頂より野口五郎岳方面

  
      西峰より三ツ岳の山頂部                  コマクサと赤牛岳(岩の間)、西峰から

 同室だった2人は親不知から新穂高温泉まで9日かけて歩いていると言っていた。山のゴールドプランである、羨ましい。上の方が42才でリーダー格、下の方は30代だそうだ、親不知、白馬岳、鹿島槍ガ岳、針ノ木岳、蓮華岳、舟窪岳、烏帽子岳を通ってここまでやってきた、あとは双六へ出て槍に上がり新穂高温泉がゴールというわけだ、すばらしい山行だ、若さだ、立派だ。

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