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甲武信ケ岳

山行日
    2007年8月17日   晴れ後曇り   単独

コース 概略はこちら
    雁峠登山道入口(山梨市三富川浦、新地平バス停)→西沢渓谷入口→戸渡尾根登山道入口→ふたつのコブ→
    主稜線合流→木賊山→甲武信小屋→甲武信ケ岳→甲武信小屋→笹平→西破風山→東破風山→雁坂嶺→雁坂峠
    →水晶山→古礼山→燕山→雁(ガン)峠→雁峠登山道入口

 盆が終わり、安定していた天気も本日を境に一時くずれるとか。スカッとした青空は望み薄だが、奥秩父の主稜線を少し入れて、甲武信ケ岳を周回する。山地図のコースタイムは、14時間05分、累積標高差2200mあまり、本日の日の出は東京湾で5時3分とか。山梨市三富川浦の新地平バス停付近の雁峠登山道入口から200mほど入った路肩に車を止め、短パン&半袖、3:37発つ。カーブの多い夜明け前の国道、スピードののった車に要注意、広瀬ダムに沿って進み、西沢渓谷散策路に入る。西沢大橋の下を通り、舗装された道を笛吹川に沿ってしばらく進む。ナレイ沢を過ぎると間もなく甲武信ケ岳、戸渡尾根登山道入口に着く、4:17。多少明るくなった感じもするが、まだ暗い、星は見えない、山靴に履き替え登山道へ、4:25。

 左下にヌク沢の音を聞き、トロッコ道の跡に沿ってしばらく歩く。崩れかけた砂地の斜面を2,3ヶ所通過する、小さい沢を渡りまわり込んだところで、先方に大きな堰堤を見て、ヌク沢を渡る、5:02。標高約1350m、左に小さい沢、右にヌク沢、この間の戸渡尾根の急登がはじまる、といっても小さなジグザグした道が連続し、小木や根っ子が負荷を軽減してくれる。首筋に端を発した汗は、胸を伝って、バンドのかかったお腹付近で吸収される。背中を伝った汗が短パンのお尻部分を濡らす、額の汗を拭きながら、しばらくの辛抱。登山道に硅石の散乱する付近(硅石採掘跡のようだ)を通過する、5:42。
  
                    戸渡尾根登山道入口、右手の案内板から入る

  
   ヌク沢を渡って戸渡尾根に取り付く           ノリウツギ、登山道に硅石の散乱する付近

 西方向に岩場の連続している山並みが見える、鶏冠尾根のようだ。石祠を過ぎ、アズマシャクナゲの群落を抜けるとコメツガに囲まれたコブにでる。ここが、左手のルートと合流している“ふたつのコブ”、1869mのようだ、6:00。コメツガの細い尾根を少し進むと、やや勾配が緩やかになり、またアズマシャクナゲの群落を通過する。左前方には木賊山の山頂部(?)が見えると、再び勾配を増すと南に樹間から富士山が顔を出す。シラビソ混じりとなり、ここからが根っ子だらけで歩きにくい、倒木もあり、道が複数できてしまったのだろう。根っ子の斜面を抜けきった所で、“水戸黄門”に負けぬ、白い立派なヒゲのおじさんに会う、交す言葉も丁寧語、ハイカラな山着が良く似合う、マイッタ、マイッタ、7:10-7:20本日No.1のビューポイント、岩場で小休止。
  
  石祠を過ぎるとアズマシャクナゲの群落         間もなくふたつのコブに出る、1869m

  
  左手に木賊山の山頂部(?)                右手に主稜線

  
                     コメツガの樹間から富士山

  
 根っ子だらけのシラビソの斜面               富士山を再び樹間から眺めると

  
 本日一番のビューポイント、岩場に出る、富士山と黒金山2232m       国師岳と金峰山、


  富士山と乾徳山、黒金山、国師岳、金峰山、手前に鶏冠尾根


            眼下に広瀬湖、富士山と乾徳山、黒金山

 いい眺めを見たあとは、またシラビソの樹林帯に入る。木賊山の東稜を緩やかに進みほどなく主稜線に出る、7:30。右は雁坂峠、左は甲武信ケ岳方面である。木賊山の山頂部は平坦に近いようだ、じめっとした道を西に進むと直に鶏冠尾根方面通行止めの道標に出て、木賊山2469m山頂に着く、7:37。
  
   またシラビソの樹林帯に入り            ほどなく主稜線に出る

  
  鶏冠尾根通行止めの道標を過ぎ                 木賊山2469m山頂

 山頂を出ると直に眺望の利くガレ場に出る。甲武信ケ岳と隣の三宝山、左手に国師岳、金峰山がパッと現れる。シラビソの樹林帯に入り北西方向に少し下ると、甲武信小屋にでる、7:48。ウイークデーのせいか静まり返っていた。帰路予定している木賊山山頂部の巻道を確認して、甲武信ケ岳東南斜面に踏み込む、30mほど進んだ樹林帯で真っ黒い生き物、一瞬クマかと思ったが、小屋の犬かっ、で記念写真。間もなく視界が開け、木賊山の山頂部、富士山をまた眺める。
  
  西のガレ場から甲武信ケ岳と三宝山            同、国師岳、金峰山

  
  甲武信小屋                         木賊山山頂部巻道

  
   突然クマ?  小屋の犬でした              中央の松?、ハイマツでもゴヨウマツでもない

 ここから樹林帯の中を迂回したような道を少々歩き、山頂の南側の岩場に出る。本日No.2のビューポイントである。左から木賊山、富士山、黒金山〜国師岳、白峰三山遠望、朝日岳、金峰山、そして右奥に、中央アルプス、八ヶ岳、北アルプス南部、と雲は多いものの絶景である。樹林を北側に抜けると甲武信ケ岳山頂2475mである、8:06。
  
  甲武信小屋付近から富士山                甲武信ケ岳山頂付近から国師岳、金峰山

  
 同、八ヶ岳                            甲武信ケ岳山頂部


甲武信ケ岳山頂、南側の岩場から木賊山、富士山、黒金山〜国師岳、白峰三山遠望、朝日岳、金峰山、
そして右奥に、中央アルプス、八ヶ岳、北アルプス南部

 山頂は、西から北側にかけての眺望は良いが、山頂部の樹林に遮られて、東、南方向がイマイチである。富士山、黒金山、国師岳、大弛峠付近の林道、朝日岳、金峰山、国師岳と金峰山両峰の間に北岳、間岳、農鳥岳、そして金峰山右に甲斐駒ケ岳、更に中央アルプス、八ヶ岳〜浅間山、三宝山まで、ぐるっと240度ほど、見応えがある、8:25山頂をあとにする。
  
  甲武信ケ岳山頂、2475m                同所から富士山、黒金山

  
    国師岳、朝日岳、金峰山             国師岳、金峰山両峰の間に白峰三山、右から北岳、間岳、農鳥岳

  
   八ヶ岳                          八ヶ岳右に穂高岳〜槍ケ岳

  
       飯盛山方面                       御座山方面

  
  浅間山方面                         両神山方面


    山頂西〜北側の展望、八ヶ岳〜浅間山遠望、右三宝山

 といっても、折角の山頂部、また岩場で腰をおろし、絶景を脳裏に焼付ける。とりあえず、雁坂峠7.1kmを目指し下る、甲武信小屋8:37、木賊山の巻道に入る、振向いては樹間に甲武信ケ岳山頂部を眺めながら、ハクサンシャクナゲの群落を通り、8:49主稜線に合流。大石小石ゴロゴロした道を下って、賽ノ河原と称する岩場で9:04、一眺め、向う破風山を東方向に、更に右に水晶山、古礼山も見えた、時間的には問題なさそうだ。
  
   山頂部の道標                       岩場でまた撮っちゃった

  
   岩場から木賊山、ガレた所を通過してきた      巻道から甲武信ケ岳山頂部

  
   主稜線の合流点                     ハクサンシャクナゲの群生地

  
  木賊山東斜面から富士山                ゴロゴロした石の道を下ると・・

  
    岩場に出る、富士山を眺め            向う破風山を東方向に、更に右に水晶山、古礼山

  
  木賊山山頂部を東側から                この岩場、山地図では賽ノ河原と書いてある

  
   下って、シラビソの立ち枯れたた一帯を通過      ここからは、乾徳山、黒金山もいい感じ

 下って鞍部へ9:17、小さいピークを越え更に下ると笹平、破不山避難小屋、9:25着。ここから登り返すと、花崗岩質の岩がゴロゴロした破風山の山頂部の散歩道となる。足元を見て、植物を観て、眺望の楽しめるコースである。植物では、ホツツジが咲き始め、コメツツジの仲間(コメツツジ、オオコメツツジ、ハコネコメツツジ、チョウジコメツツジなどなどあるようだ)のチョウジコメツツジが若干残っていた。小さい葉が密生し、岩の間に張り付くばっている姿は見事なものだ、西破風山2318m着10:05-10:15、本日2人目の男性に会う。
  
  破不山避難小屋、水場は20分南に下るようだ       富士山に大分雲がかかってきた

  
  振向いて、木賊山、甲武信ケ岳、三宝山         国師岳、金峰山


         富士山、国師岳、金峰山、武信ケ岳、三宝山

  
  登り返すと岩場の散歩道、ホツツジと富士山        チョウジコメツツジ、残り花のようだ

  
  西破風山山頂                        富士山はやっと山頂部を・・・

 ここで疑問、山名標記に二つあるのは何故かな、破風山と破不山。埼玉県の標記、古そうな道標は破不山、環境庁・埼玉県の山名標記は破風山、山梨県の標記は破風山、ちなみに国土地理院の1/25000地形図は破風山である。ある時点で統一されたのだろうか、古いものの撤去もなかなか・・・・・朽ちるのを待つ、かな。東破風山着、10:38。

    西破風山山頂部の東側の岩場、富士山、黒金山、国師岳、金峰山

  
   バイケイソウ                        アキノキリンソウ

  
  東破風山山頂                        木賊山と甲武信ケ岳、右西破風山

 東破風山を下ると樹林越しに雁坂嶺の山頂部が現れる。丸っこい穏やかな山頂部だ、3つほど小さいピークを越えながら下って行く、10:48、10:52、10:56、そして緩やかに登り雁坂嶺山頂着、11:17-30。休んでいると人の気配、本日3人目の御人、小屋に泊まって戸渡尾根を下ると言っていた。
  
   樹林越しに雁坂嶺                    岩場越しに雁坂嶺

  
  振向けば2つのピーク、破風山              鞍部の樹林帯

  
  雁坂嶺山頂                         とうとう富士は雲の中

 山頂からは緩い下り、笹の原が見えると雁坂峠である、11:50着。この峠は、南北に通過した雁坂峠越え一度だけである。カラマツの新緑の間に富士山を見ながら下った、もう3年前である。峠がその日の最高点だっただけにごく最近のように感じる。峠の景色は変わらないが、歩く山並みは新鮮だ。ここまで来ると主稜線の高度も下がり、植生も変化している、起伏も緩やかである。南方向に下り、少々登ると水晶山2158m山頂である、12:20。すっかり曇ってしまったが、暑さだけは変わってない、日ざしが和らいだだけ良いか、古礼山巻道分岐点、12:37。
  
  この笹原を下ると雁坂峠                  雁坂峠

  
  雁坂嶺を峠から                        樹林帯を緩やかに登ると・・

  
   水晶山                           広葉樹が多くなる

 水晶山と古礼山の標高差は46m、鞍部から70mも登れば古礼山山頂、2112mである、12:43。山頂部はほとんど平坦で広く、巻道の合流点まで続いている、12:50合流。雲が出て眺望は利かなかったが、ピクニック向きのコースには最適だ。
  
   古礼山は巻道もある                   平坦な古礼山山頂

  
  雷雲が成長し、来るかな?                 笹を払ったばっかりの道

  
  マルバダケブキが笹原に点々と             ホツツジ、これは大きかった3,4mも高さあり

 主稜線の起伏は弱く、背丈の低い笹の原にマルバダケブキが混生している。山道は笹を払ったばっかりで、この暑さでチリチリによじれて、歩くと枯葉を踏んでいるようだ。登るというよりは、下っている感じで燕山山頂2004mへ13:20着、山頂は登山道から北へ20mばかり入る、誰がつけたか山名板が静かに来客を待っている。
  
   秋近し、オオカメノキの実も熟れて            燕山の道標

  
                 山頂は登山道の約20m北、大きな岩あり

 緩やかに山頂を下り、先方に笠取山、更に東へ延びる主稜線が続いている。和名倉の稜線はどれだろうか。草原の急坂を下り雁峠着、13:40-13:50。広々とした草原、コウリンカ、マルバダケブキ、ナデシコが咲き、ススキが穂を出し、すっかり秋の気配。笠取山を見上げ、次の山行を胸に抱きつつ主稜線をあとにする。
  
   緩やかに下り                      笠取山を正面に

  
  あの緩い尾根は和名倉への山並だろうか        直下に峠を見ながら草原を下る

  
  コウリンカ                          雁峠

  
  マルバダケブキの蕾とバッタ               マルバダケブキとチョウ

 峠から沢筋に沿って下る、小さい沢を合わせながら、水かさを増していく。ほどなく林道に出る。ここで山靴をウオーキング用に替える。この沢は広川となり、広瀬ダムにそそいでいる。緩やかな流れには滝がなく、増水時流れ着いた大きな岩は所々にあった。下流部では堰堤が整備され、ダムへの土砂流出を防ぐ策だろう。道端に咲くススキ、ボタンヅルにゴールへのシグナルを与えられ、予定通り15:26駐車地点に到着、山行を終えた。
  
   沢筋を下り                        林道に出る

  
   再び差した夏の日、もうすっかり秋の気配         ボタンヅルは満開、やっかいもののツル植物だけど

 総所要時間は、11時間49分だった。コースで会った人は3人、皆涼しい山に行ってしまったのか、静か過ぎる、暑すぎる甲武信ケ岳山行であった。水1000cc、ミカン3ケ、ミツマメ2パックと食料をとった。このコース、新緑か紅葉、初冬がいいのかな。


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