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剱岳
  
山行日
    2009年9月6日   晴れ   単独

コース
    早月尾根コース、馬場島→早月小屋→別山尾根分岐→剱岳→別山尾根分岐→早月小屋→馬場島

 7月下旬の花のきれいな時期に予定していた剱岳山行は、天気予報に振り回されてしまったというか、とうとう9月に入り、最後のチャンスと決行を決めた。登山口までの距離が片道380kmとなると、単独行もあるが、多々考えることが多く躊躇してしまう。泊まってゆっくりと妻は言うが、目的に体力の確認、“70歳で早月尾根から剱岳を日帰りできる体力を残したい”、これがあるからだ。山行の自身の難易度からすれば外にいくらでもコースはあるが、単なる山頂往復でなく、この尾根歩きは、群馬のこの地にあっては、気力&体力、総合的に要求される。先日来、白馬岳から南に眺め、餓鬼岳から北に見た剱岳、いよいよ本日が来た。

 前置きはこのくらいにして、2:00起床、月明かりの中、2:30馬場島の登山口を出発する。このコース前回歩いて暗い中を歩く人が多いのを知った、早い人は12:30とか言っていた。本日は往復12時間を予定している。登山口から一歩踏み込むとジグザグの急坂が待っている、そして20,30m後方に灯りがついてくる。一汗かいて平坦な樹林帯をしばらく進む、標高1000m、2:51通過、一帯を松尾平というようだ。再び急登にかかる、プラス、木の根が邪魔をする。立山杉と言われるスギの大木が1200-1400mに多数生えている、下りはこの景観がゆっくり眺められる、標高1200m地点3:22、小休止。するとすぐ後ろを歩いていた男性も休むという、そして「お先にどうぞ」、というと「もう少し休む」、という。実は先に行ってもらおうとしたのであるが。(この方は飛騨市から来られたNさんで、馬場島⇔早月小屋の間ずっと一緒だった)
  
 登山道上に三角点、1921m                   明けの明星と小窓尾根のシルエット

  
   毛勝三山                              2000m付近で消灯

 3:50、1400m通過、4:05、1600m通過、4:47、1800m通過、4:57登山道上の三角点を過ぎ、緩やかにダウン&アップ、多少の泥濘みもあったが、まだ暗いので前方が肝心、泥濘に気をとられている暇はない。やっと5:14、2000mを通過し、足元が見えるようになる。花崗岩質の岩石が露出した間を抜け、太いザイルを伝って一気に稜線に上る。ここまでは樹林帯で、日本海に面した灯ではじまり、毛勝山と小窓尾根の一部しか見えなかったが、南側の光景が飛び込んでくる。小ピーク2224mで眼下の早月小屋が目に入る、ここまで来ればもう着いたようなもの、2200m早月小屋、5:48-6:00。
  
  ザイルを伝って稜線から見た別山と手前が剱御前          同、奥大日岳


    P2224からの眺望、小窓尾根と剱岳山頂部の岩場

  
  同、早月小屋とテン場を直下に                  同、奥大日岳と大日岳(右)

  
   同、毛勝三山                    下って、2200m、早月小屋

 これから山頂に向かう小団体、下山であろうかテントを撤収する人、コンロの火に見入る人、どこでも見られる普通の小屋前の朝の風景だ。朝食を軽くとって、Nさんに「先に行ってます」、と登山道に戻る。ここからがこのコースの良い所、右に左に遠望する山並を、刻々と変化する剱岳山頂部を眺めながら、アップダウンを繰り返す。花の季節は2400-2600m付近のお花畑が休ませてくれる、今日はどうかな。
  
ここから潅木帯へ、別山と剱御前                   奥大日岳と大日岳(右)


            別山と剱御前、龍王岳と浄土山、国見岳、奥大日岳と大日岳(右)


  
   剱岳                                 アザミ

 6:28、2400m通過、森林限界を越えたようだ。アザミ、ウサギギク、マツムシソウ、シコタンソウ、盛りは過ぎているが、呼び止められる。光線の関係だろうか、鮮やかな色が出ない。行き交う登山者が点々と前後に見える、日曜日なのでか、剱岳の人気のせいか、多い感じがする、7:00、2600m通過、7:45、2800m通過。振り向けば辿ってきた早月尾根の先には、屈曲の流れがある。馬場島の登山口付近で左手の立山川と右手の白萩川が合わさり、早月川となり、更に支流を合せ、数ヶ所の発電所に水を供給し、富山湾へ注ぐ清らかな流れと聞く、ドラマティックな情景がある。

  2600m付近の登山道から山頂部


        同、P2614と登山道に2600mの表示

  
    長次郎ノ頭に太陽が、右山頂付近              お花畑、トリカブト

  
   逆光の長次郎ノ頭と山頂付近               黒部五郎岳、薬師岳、手前が奥大日岳


                小窓尾根の間に旭岳と白馬岳


             一段上って、朝日岳、雪倉岳、旭岳、白馬岳、鑓ケ岳遠望

  
    見上げると点々と人影、落石注意            最初のクサリ場、この辺からストックをザックへ

    
           剱岳の岩場にさしかかる、別山尾根(登山道は裏側に)

  
    マークを確認しながら                 2800m付近、岩場のアップダウンが続く

 あと200m、最後に本格的な岩場が現われる。クサリ場が上に横に連続する。マークの数も一段と多くなる。浮石あり、落ちやすい石ころあり、上方を注意しながら足を運ぶ。ヘルメットをかぶった人も複数見かけた、これだけ同時に人が入ると必要性はありと思う。

     逆光の山頂部


   振り向けば辿ってきた尾根、帰る人上る人

  
     クサリ場が連続する                    マークに沿って一歩一歩

 別山尾根のコース合流点の手前でクサリ場から解放される。あとは岩の上をポン、ポン、ポンという具合で、剱岳2999m山頂着、8:30。スゴイ山頂の人、80〜100人はいそうだ。天気も良いし、眺望抜群、風もなく温かい、暑いくらい。祠の前はカメラをかまえる人が次々と、参拝する人よりはるかに多い。山頂着を中継する携帯電話利用者、食に集中する人、山並に見入る者、次のプランを話し合う人達、バンザーイをするGr、山頂を踏んだ喜びはいろいろ。
  
   別山尾根との合流点                        ここにも道標


         振り返れば早月小屋は遥か下方に

  
   剱岳山頂 2999m(基準?)                         山頂の三角点2997.1m

  
    山頂の賑わい                        長次郎ノ頭側から

【剱岳山頂の眺望】

   前剱、剱御前、と立山一望、別山、大汝山、雄山、龍王岳、浄土山


    槍ケ岳遠望


    笠ケ岳遠望


     針ノ木岳遠望


     毛勝三山


   剱岳山頂から北〜東〜南方向の山並  クリックすると拡大、山名入り画像になります(プラウザでお戻り下さい)


     鹿島槍ケ岳〜針ノ木岳


    白馬岳遠望


     唐松岳、五龍岳遠望


   白馬岳〜鹿島槍ケ岳、手前は八ツ峰


    朝日岳〜五龍岳遠望、手前は八ツ峰

  
   南下方より山頂部                       山頂岩場に咲いていたミヤマアキノキリンソウ

 山頂の短い滞在者は大半が入れ替わったようだ、9:15、喜びを胸に山頂をあとにする。直下を見るや、別山コースの大勢の人達、こりゃー大変だ。9:48、2800m通過、10:45、2400m通過する。
  
   山頂をあとに早月尾根分基点を目指す           別山尾根の岩場


    交互通行だったかな?

       
               別山尾根ルートと立山全望


      裏側にまわって一望する

  
    シコタンソウ                           マツムシソウ

  
    ヨツバシオガマ                          熟れたナナカマドの実


    2600m付近から山頂部


    2600m付近から山頂部


    2400m付近から山頂部

 早月小屋11:05-11:20。後ろについてきた人を感じていたが、まさか、またNさんに会うとは。小屋から山頂往復は全く気づかなかったが、Nさんはあるいは? ここからまた一緒に下ることに。
  
   ホツツジ                                 オヤマリンドウ

  
    サラシナショウマ                        カライトソウ


  1400-1200m付近の樹林帯でコメツガ


     同、カラマツ


     同、スギ


     同スギ

  
   早月尾根登山口                      岩場にとりつかれた者にとっては、まさに・・・・・

  「下まで、どのくらいかかるか」、「2時間、2時間20分というところでしょう」、下る人上る人、30人ほどあったろうか、大木に「またどうぞ」といわれて登山口へ13:36着。小屋から2時間16分、Nさんのパワー、20、30%余力ありとみた、大変喜んでいた笑顔が印象的だった。総所要時間は、11時間06分、前回とほぼ同じ、疲労感は普段の山行と変わりない。本日ぐらい天気が良く、見るものが見え、目標の山頂が踏めれば、万々歳でしょう。


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