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谷川岳(トマノ耳)・万太郎山

山行日 概略図はこちら
    2006年8月10日   晴れ⇒曇り⇒晴れ

コース
    土合駅→谷川岳登山口(西黒尾根)→谷川岳(トマノ耳)→オジカ沢ノ頭→大障子避難小屋→吾策新道分岐→
    万太郎山→吾策新道分岐→大ベタテノ頭→万太郎山登山口(吾策新道)→土樽駅

 1年ぶりの谷川岳、上のコースを山地図で計算すると11時間弱となる。土樽駅発の列車が15:22、18:12のいずれかで、前者を利用することにして、多少の余裕を見て早立ちとなった、土合駅発3時50分である。日がつまってこの時間だと真っ暗である、おまけに雲が多そうだ、足元を照らしながら足慣らしにゆっくり登山口へ、4:18着。ここから7,8分ほど歩くと、ほぼ見えるようになった。一帯はブナの森である、登山道は急斜面をジグザグしながら上がっていく、汗を拭きながら高度を稼ぐ、4:33電力用の鉄塔着、尾根に取り付いた感じ。

 樹々の間から周辺の山が一部分見えるが、どうも雲が多いようだ。4:55最初の小ピークに出る、ここは地図上では真下に新清水トンネルが通っている、列車ならば土合・土樽間を10分そこそこで通り抜ける、それを10時間かけて歩くのだから、面白い話だ。道標がある、土合駅まで1時間、谷川岳山頂まで3時間、となっている。少し進むと、手前にラクダノ背、奥に目指す雲のかかったトマノ耳が現れる。大きな谷を隔てて天神平も見える。
  
    雲のかかった山頂部が現れる、              谷を隔てた南には天神平


         天神平〜天神尾根


        白毛門、笠ケ岳方面、朝日も弱弱しく

 ほどなく、樹林帯を抜け、笹と潅木の見通しのきく尾根となる。遅咲きのヤマユリが一輪、朝日をあびて草むらの中で輝いていた。一方では、オヤマリンドウが咲き、早くも山は秋の気配も見せていた。この時点では、山並みには陽が差し、暑い一日になるかと思われた。季節の交差する花々を眺めながら、最初の鎖場に出る。ハクサンシャジンが点々と岩場に貼りついて、釣鐘形をした可憐な花を下向きにつけていた。一段上がった岩場から見ると、白毛門方面には黒い異様な雲が、谷川岳の山頂部も全体に雲がかかってしまった。
  
  ヤマユリが一輪登山道際に咲く              ヨツバヒヨドリ

  
  ツルリンドウ                        ヤマアジサイ

  
  最初の鎖場                       白毛門方面には黒い異様な雲が

  
   谷川岳の山頂部も全体に雲がかかってしまった、下の雪はマチガ沢

  
                       ハクサンシャジンが岩場に点々と

  
  茂みの中にも                     オニアザミ、後方は天神平

  
   茎が細くて大きな花、シラネニンジン          クガイソウ、これはもう終わりのよう

 二つ目の鎖場を過ぎると、西黒尾根らしい展望コースとなる、花良し、展望良し、が、しかし、今日は足元は良いけれど・・・・。6:10、P1516ラクダノ背を越え、わずかに下ると巌剛新道を合わせる、6:13。そして大きくザンゲ岩付近まで上り返す、鎖場、ロープが点々と、濡れていると滑りやすい岩場もあちこちに。
  
         二つ目の鎖場、上空は真っ青なのだが、山の雲は取れない


     ラクダノ背付近から谷川岳の山頂部

  
 ラクダノ背から山頂部                    巌剛新道分岐点

  
 一段高い所からラクダノ背を見る              やっと現れたトマノ耳、左から2つ目

  
  山頂部は再び雲に、正面にザンゲ岩を見る       ミヤマウツボグサ

  
   ギボウシと歩いてきた西黒尾根の山並み       イブキジャコウソウ

  
  ザンゲ岩を目の前に、後方は天神平方面        雲が切れトマノ耳がちょこっと姿を見せる

  
  キンコウカ、天神尾根との合流点付近           少し雲のかかったトマノ耳もすぐそこ

 6:58ザンゲ岩着、ザンゲ岩からは緩やかに山頂へと進む。ここから先が、このコース一番楽しめるところである。天神尾根と合流し、霧に包まれた肩の小屋を下に見て、谷川岳山頂トマノ耳を踏む、1963.2m、7:25。ここまで3時間35分、ほぼ予定通りである。山頂の風は強く、瞬間的には10mを超えているのではないだろうか。半そでシャツで汗かきかき来たが、ヤッケを着て、時々現れる眺望をカメラに収める。濃い雲に覆われ視界5,10mになったかと思うと、次の瞬間には青空の下に絶景が広がる。めまぐるしく変わる谷川岳山頂部の気象は、誰も言うように地形的な影響が大きいようだ、7:40万太郎山へ向かう。肩の小屋7:44。
  
谷川岳山頂、トマノ耳                      山頂より肩の小屋



  
                   山頂より西黒尾根、後方が天神平方面

  
          もう一つの山頂オキノ耳、雲がかかったり、クッキリ覗かせたり

  
                      ダンダン良くなる・・・・・、かな?


  山頂から肩の小屋、西黒尾根のパノラマ

  
 ほんの一瞬、青空の下に両山頂が、そして濃い霧の中に  山頂をあとに肩の小屋へ

 小屋の脇にある道標では、万太郎山まで6.5kmであるが、間に大きなピークが3つほどある、オジカ沢の頭、小障子ノ頭、大障子ノ頭であり、小さいピークは無数にあるので、晴れていれば眺望を楽しみながら、ゆっくり歩けるコースである。しかし、肩の小屋からは、全くの霧の中、道沿いに見る花々だけが唯一今日の楽しみだ、7:58中ゴー尾根分岐点、8:34小ピーク、万太郎山まで3.1kmの標記あり、8:38オジカ避難小屋、9:23大障子避難小屋、ここからは笹が登山道にかぶさっていた。この間、所々に、小さなお花畑が、笹の空間のようなところに、点在し結構楽しませてもらった、大障子ノ頭(?)、9:42。鞍部から大きく上り返し、小さいピークを数箇所越え、コブのような所に土樽方面への分岐点を見た、10:17。万太郎山は目と鼻の先、平坦な道を100mほど進み、10:21万太郎山山頂1954.1m着
  
 万太郎山まで6.5kmの道標                ハクサンフウロとコンギク

  
  ハクサンシャジン                      シモツケソウ

  
  コンギク                        カマボコ型のオジカ避難小屋

  
  笹道はきれいに払われていた               小さいお花畑が点々と、赤白花合戦

  
  こちらはシモツケソウが主                 大障子避難小屋、一回り大きかった

  
  コバノコゴメグサ                      アカモノの実

  
  オニシオガマ                        ノギラン

  
  シモツケソウ                        万太郎山山頂

 あいにくの天候、先ほどの分岐点らしきものが時々見える程度、さびしく咲くキオン(?)の花に本当の名前を尋ねるが、ただ霧が風とともに通り抜けるだけ、10:35早めの下山とする。

 ここから歩く吾策新道は、今回が始めてである。分岐点からハイマツと潅木の間を急降下する。道は明瞭であるが、浮石が多く、ヤセ尾根、崩壊寸前な個所多く、足元は草に隠れて見えないのが欠点、一歩一歩踏みしめながら歩いた。時々振り向いては、形の変化していく山容を目に焼け付けながら、次回の見所を。大きく下ったあと方向を変えて、回り込んだように、11:14大ベタテノ頭に着く。ここの眺望は素晴らしい、やっと姿をあらわした万太郎山、雲に覆われているが裏側の谷川連峰、眼下に見る越後路。ここで土樽駅まで、山地図では、2時間10分、ということは、13時半までには着いてしまい、2時間ほど列車を待つことになる、でも仕方ないか。
  
  キオン(?)、稜線で沢山見かけた花           仙ノ倉山方面へ続く道

  
  歩いてきた道、薄く見えるのが土樽方面の分岐点     吾策新道、土樽方面の分岐点

  
  岩場を急降下する                     ハイマツと潅木の道

  
  一段下った所から山頂部                 白っぽいた岩場が似合うキンレイカ

  
ここまで下ると土樽が見える、中央左より白い部分が関越土樽PA   谷川の稜線も上の方は雲に覆われている、下は晴れ

  
  大障子か小障子か、その付近か             大ベタテノ頭からやっと姿を現した万太郎山


  
  ホツツジ                            土樽も近くに、大源太山を正面に下る

 大ベタテノ頭を出て、ヤセ尾根というか、半崩壊状態の尾根道が続く、トラロープが要所には張ってあるが、少々緊張する個所も2,3。30分ほどで、小さいピークに出た、11:43。男性が一人、「沢から上がって来た、藪が厚くてマイッタ」という、地元の方のようだ。「今日はじめて、会いました」、というと「谷川岳で一人も会わないなんてことがあるんですかね」、と不思議そうだった。「でもスタートが早かったからではないですか」、というと、「皆んな北アルプスへ行っちゃったのかな???」、と言っていた。

 間もなく樹林帯に入り、ブナの森の中の急坂を下る。大きな樹が多いが、みな葉をほとんど落としている、何でかな、強風かな。勾配が若干緩やかになり、沢筋をかすめて杉森に入る。杉の木は、雪の影響だろう、元がみな曲がっている。15分も歩くと林道に飛び出した、12:40。あとは駅まで4km弱、道なりである。靴をウオーキング用に履き替えて、小休止。
  
             ブナの森に入る、強風にあおられたのか葉を落としていた

  
  杉森に入って15分、登山口の林道に出る        関越トンネルの下をくぐり、茂倉谷を渡ると

  
  蓬峠方面の道と合流する                そして土樽駅へ着いて山行を終える

 道なりといっても、曲がり真っ直ぐ、ってやつだ。夏の日差しの中、ゆっくり歩く気にもなれない。関越道の下をくぐり、橋を渡って13:10蓬峠方面の道と合流し、再び川を渡り返して、土樽PAか、駅か、わからないような建造物の下を抜け、土樽駅に着いて山行を終えた、13:25。総所要時間は、9時間35分であった。谷川岳までは、花や眺望をゆっくり楽しんだが、そこからは歩くことに集中してしまったようだ、その分時間短縮してしまい、3時22分まで2時間近く列車を待つことになった。コースとしては、是非もう一度歩きたい、秋でも、残雪期でも良い、あるいは仙ノ倉・平標に抜けてもよい、まだまだこの辺は楽しめるぞ。



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