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甲斐駒ケ岳
  
山行日
    2011年9月7日   晴れ   単独

コース   概略図はこちら
    尾白川駐車場→竹宇駒ケ岳神社→笹の平分岐点→刃渡り→刃利天狗→五合目小屋跡→七丈小屋→
    八合目御来迎場→甲斐駒ケ岳山頂→八合目御来迎場→七丈小屋→五合目小屋跡→刃利天狗→刃渡り→
    笹の平分岐点→竹宇駒ケ岳神社→尾白川駐車場

 2年ほど前だったと思う、小さな旅というNHKのTV番組の中で、甲斐駒ケ岳の黒戸尾根をやっていた。すっかり放送の中味が気に入って、機会があったら一度歩いてみたい、と思っていた。それと、標高差2200の急登というが、剱岳の早月尾根、谷川連峰馬蹄形、いずれがキツイだろうか、何て度胸試しもチョコっとあった。今年は“やるぞ!”、と計画はできたものの、7月、8月と過ぎ、9月になっても天気はなかなか味方してくれなかった。日本列島を荒れ狂った台風12号が去って、チャンス到来、道路はOK,ルートも心配なさそうだ。登山口に昨夕車をつけて仮眠、例によって早発ちをする、尾白川駐車場3:09。尾白川沿いに進み、3:15前宮である竹宇駒ケ岳神社に参拝し、吊橋を渡って山間に入る。
  
    尾白川駐車場脇の道標                     竹宇駒ケ岳神社

   
    吊橋を渡り真っ直ぐ山間に入る              しばらく進むと渓谷沿いに進む尾根道を分ける

 いきなり雑木の森をジグザグっての急登、オーバーペースにならないよう抑えて、立ち止まっては、闇夜の道々にカメラを向けた。しばらく進むと急坂もおさまり、渓谷沿いに進む尾根道を分ける、しかしほんの一時、きつい坂が連続する、左手下方に、20号線かな、灯りが点在する。4:48、笹の平分岐点着、横手駒ケ岳神社からの道を合わせる、立派な道標あり。周辺は、樹床を低い笹に被われたカラマツなど落葉樹の森である。ここから10分ほど、東方向に明るさを感じた、徐々に足元も見えてきた、夜明けだ、間もなく消灯。枝間に見る八ヶ岳や秩父連峰、雲が多いが美しかった。雑木からコメツガの樹林帯に変わり、この辺が前屏風の頭(1881m)だろうか、道沿いの小高い場所に石碑がある。
  
   甲斐駒ケ岳の表示板が頻繁に出てくる           初めて見た祠

  
   笹の平分岐点、横手駒ケ岳神社からの道を合わせる     道沿いに点々と石碑、石神

  
    秩父連峰、明るくなってきたが雲が多い            同、八ヶ岳

  
                       雑木からコメツガの樹林帯に変わる


      鳳凰三山、地蔵岳が見えてきたが、・・・

  
                      石碑(この辺が前屏風の頭1881m?)と道 

  
     オオカメノキの実                      登山道に露岩が出てくると

 間もなく露岩の道となり、刃渡りに入る、6:02。名称が名称だけに危険場所を想定したが、クサリにガードされ簡単に通り抜けられた、この辺からロープ、クサリ、ハシゴが連続する、ハシゴは金属製フレームでしっかりしているし、危険を感じることはなく楽しいコースだ、6:23刃利天狗2049m着。ここから黒戸山の北側を緩やかに巻き急坂を100mほど下って、五合目小屋跡に出る、すっかり晴れ上がって山頂部らしきピークが見えた、6:57。
  
   刃渡り、といってもエッジの上を歩きことはない、クサリにガードされている 


                 刃渡りを振り返る

  
            ロープ、クサリ、ハシゴが連続する、ハシゴは金属製フレームでしっかりしている


        枝間に八ヶ岳が現れる

  
  刃利天狗の石碑                           祠、石碑が沢山あり、標高2049

  
   黒戸山の北側を緩やかに巻き             急坂を下って

  
    五合目小屋跡に出る                    すっかり晴れ上がって山頂部が見える(?)

 一段下がった場所に廃材のベンチがあり、岩陰に年代を思わせる祠があった。右手のハシゴを登り、ロープを伝って、高度を稼ぐ、ついに枝間から富士山と鳳凰三山が現れる、左側に地蔵岳とオベリスクだろう、天を突き刺していた。ロープ、クサリ、ハシゴが連続する道、1ヶ所80度近い長いハシゴがあった、慎重を要しストックをザックに入れた。そのハシゴの上の岩から眺めた八ヶ岳、格別だった、七丈小屋着7:49、10分ほど休憩。
       
  鞍部に残材のベンチと祠、石碑多数あり                 横のハシゴを登り

  
                            ロープを伝って高度を稼ぐ

        
          屏風岩2262?


   枝間に富士山と鳳凰三山が現れる、左側地蔵岳とオベリスク

  
   橋を渡ってクサリ場、ハシゴを上れば                  石碑と

  
    鉄剣が道脇、大きな岩に点々と              まだまだ続くハシゴの斜面


    朽ちてるハシゴは使わない、このハシゴは80°ほどあったかな、ストックをザックにさして上った。


    ハシゴの上の岩から八ヶ岳、良い眺めだ

  
    ほどなく七丈小屋                     冷たいおいしい水が出てました

 ここの標高が約2360m、周辺からは富士山、鳳凰山、秩父連峰、八ヶ岳の山並がクッキリ初秋の空に映し出されていた。ここからしばらく潅木の間を進みハイマツ帯に入る。ガレた斜面を抜けると展望が大きく開ける、八ヶ岳、秩父連峰、北アルプス南部、穂高岳〜槍ケ岳まで現れる。甲斐駒ケ岳の山頂部に一段と近づいたような感じがする、8:47、八合目御来迎場着。

     テン場付近から富士山と鳳凰三山

  
    同、秩父連峰                                 同、八ヶ岳

  
ここからしばらく潅木の間を進むと                   ハイマツが現れる


  ガレた斜面を抜けると展望が大きく開ける、八ヶ岳、秩父連峰   画像クリック拡大


   北アルプス南部、穂高岳〜槍ケ岳

  
    甲斐駒ケ岳山頂部                            右手に鋸岳

  
                そして、八合目御来迎場へ、ミカゲの鳥居は壊れたまま 

 山頂は左の奥の方だろうか、あと標高差で270m余り、クライマックスが近づいている。ここからは花崗岩の間をクサリでよじ登って抜けて行く、クサリ1本上がる度に眺望がガラっと変化する、これが楽しみだ、だからなかなか進まない。下って来る人もチラホラ、七丈小屋に泊まった人達だろう、軽装だなあ。9:22鉄剣の刺さったピークの下を通過、岩間から富士山と鳳凰三山を見る、素晴しい光景だ、拍手。滴る岩場の水に薄氷がはっている、何だか冷気を感じ、まくっていた袖をのばす、9:49駒ケ岳神社本社着。

    ここから甲斐駒ケ岳山頂部


   同、富士山と鳳凰三山


    同、北岳、間ノ岳

        
   花崗岩の間を抜け                       クサリでよじ登る


    山頂部が一段と迫ってきた


     右のピークに鉄剣が、


      左の奥が山頂か?

               
                             まだまだ続く岩間の急登

  
     不安定の美?、かな                    あっ、下って来る


      富士山と鳳凰三山、北岳   画像クリック拡大

  
    鉄剣の見えた岩の横を通過                     もう少しで山頂だ


     岩間から富士山と鳳凰三山

  
                          滴る岩場の水に薄氷が

  
                        やっと山頂が見えた、長い尾根道だった

  
                              駒ケ岳神社本社

 もう、山頂は目と鼻の先、ら少し下って北沢峠からの道を合せ、軽く登り返せば2967mの甲斐駒ケ岳山頂である、9:54-10:45。ここの山頂は3回目、前回の2000年の秋に踏んでいる。風が5,6m/SECありそうだ、ウインドヤッケを着る。見渡すパノラマ、素晴しいの一語、南東方向にNo.1の富士山、鳳凰三山の地蔵岳と観音岳、真南にNo.2の北岳、そして間ノ岳、荒川岳、赤石岳、塩見岳、南西方向に大きな口を開いた様なカールのある仙丈ケ岳、と3000m級の山がそびえる。西に目を転じれば、空木岳を中心にバランス良く中央アルプスがドカっと横たわる、左から南駒ケ岳、空木岳、桧尾岳、三沢岳、宝剣岳、木曽駒ケ岳が抜きん出て見える。中央アルプスに続いて木曽の御嶽山、北西に乗鞍岳、北アルプス南部へと連なる。No.3の奥穂高岳、槍ケ岳がはっきり見える、残念ながら北アルプス北部は霞んで見えなくなってしまった。北方向には美ヶ原の台地が広がり、右奥には頚城山塊が薄っすら見える。ちょっと東寄りに北北東ぐらいかな、浅間山周辺の山が見え、手前に大きく八ヶ岳が横たわる。左から蓼科山、天狗岳、阿弥陀岳、赤岳が連なり、右奥に日光連山、手前に御座山、そして秩父連峰、三宝山、甲武信ケ岳、金峰山、国師ケ岳が峰を競う。ざっと一回り、こんな感じ、山頂の所々に突起した岩があり、小さく移動しながらの展望である。
  
                    本社から少し下り北沢峠からの道を合せ

  
                            甲斐駒ケ岳山頂へ

【甲斐駒ケ岳山頂から360度の眺望】

背景の御嶽山、乗鞍岳、北アルプス、八ヶ岳、秩父連峰、富士山、手前に鋸岳、鳳凰三山  画像クリック拡大


背景に中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプス、美ヶ原、八ヶ岳、手前に鋸岳
     画像クリック拡大


背景に富士山、恵那山、中央アルプス、御嶽山、手前に鳳凰三山、北岳、間ノ岳、荒川三山、仙丈ケ岳 画像クリック拡大


   御嶽山


     乗鞍岳


   北アルプス南部、穂高岳〜槍ケ岳、手前は鋸岳


     鋸岳


      美ヶ原


     八ヶ岳


     秩父連峰


     秩父連峰(拡大)


     富士山、鳳凰三山


   北岳、間ノ岳


   北岳、間ノ岳


     仙丈ケ岳


     仙丈ケ岳


   恵那山、中央アルプス、御嶽山

 10時頃、勇ましく駆け上がってくる青年を発見、6時に駐車場を出て、丁度4時間で着いたとか。3時間で駆け上がる人もいるそうだ、私がヒーヒーハーハーしながら6時間45分、比較にならないレコードだ。「帰りは?」、「2時間半かな」、と言っていた。
  
6時に出たというお兄ちゃん、4時間で到着、私6時間45分  この岩が最高点のようだ、この上でパノラマ写真を撮りました


 10:45、白き駒ケ岳の山頂を後にする。10:47駒ケ岳本社、11:21八合目御来迎場を通過、七丈小屋11:46-11:56、冷たい水で喉を潤す。そろそろお兄ちゃんに追い越されるかな、と思っているがまだ来ない、こちらは自分のペースで快調に進む。12:22五合目小屋跡、12:51刃利天狗、どっかと座り込んだオッサン一人。13:07刃渡り通過、眺望を楽しむのもここまで。
  
  山頂を後に                             駒ケ岳本社を通り岩場を下る

  
                          山頂部を、鋸岳を振り返る

  
    大岩、小岩を抜け                     八合目御来迎場を通過

  
   下に見えた七丈小屋もあっという間               石碑に見送られてか一段と加速

  
 根っ子の道は歩きにくかっった、疲れかな?            やる気だね、立派

  
            ハシゴを下って五合目小屋跡        登り返しの100m、汗、汗、汗

  
                       コメツガの樹林帯、コケがきれいだなあ

  
    刃利天狗を過ぎれば                       刃渡り楽し

  
              これから向かう人、パラパラ、小屋のおっちゃんらしき人もいた

  
    地蔵岳の横の富士                         雲をかぶってしまった

  
                       雑木の森に変り、朽ちた落ち葉を踏みながら下れば

  
    枝間の秩父の山と奥く                   何時の間にやら分岐点

  
   こんなヤセ尾根あったっけ、真っ暗だったもんな         今朝見た祠にまた一礼

  
     積もった落葉の心地よさ                  この案内板も記憶確か

  
   ジグザグ下れば、足元に一輪の花、ヤマジノホトトギス      散策道を合わせれば、すぐに吊橋のたもと

  
そこは、収録真っ最中                        役者は河原で遊ぶ子供達

  
                   橋を渡れば竹宇駒ケ岳神社、旅の終わりを一礼す

 13:51笹の平分岐、風の通るヤセオネに出て10分ほと休憩、お兄ちゃんはどうしたんだろう。雑木の森を順調に抜け、尾白川の吊橋まで降りてしまった、14:55竹宇駒ケ岳神社、15:02尾白川駐車場へ到着。総所要時間は、11時間53分、長い黒戸尾根からの甲斐駒ケ岳日帰り山行が終わった。急坂は思いっきりペースダウンし、緩やかな上りで稼いだ結果だろう。CTだと日が暮れるかな、と覚悟もしていた。このコース、確かに長いが刃渡りから上は楽しい、季節が変ればまた違う山行になろう。七丈小屋はほとんど年中開いているとか、一泊すればもっと楽しみが増えるだろう、静かな山歩きを好みの方、オススメです。


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