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富士山
  
山行日
    2011年10月18日

コース   概略図はこちら
    富士宮五合目登山口→六合目(宝永山荘)→浅間大社奥社→剣ケ峯→浅間大社御殿場口下山ロ→六合目→下り六号→
    宝永山馬の背→宝永山→宝永第一火口→宝永第一火口縁→六合目(宝永山荘)→富士宮五合目登山口

 先日の当HP掲示板へのサクラスミレさんからの投稿、見るなり、真似っこしたくなった。ここ数年秋の富士登山を耳にするが、しかし、・・・・・・、でその気はなかった。私は1957、1960年と2回山頂を踏んでいる、古い話だ。今年の計画の中に日本橋からの第4弾、富士山があった。これが実施できなかったのと、身近な方が歩かれたという話が重なって、すっかりその気になってしまった。3時出発の予定で、仮眠としたが時々強風で目覚め、半分諦めていた。2時半起床、風は弱くなったが、雲ってしまったので様子をしばらくみる。

 3:41、富士宮五合目登山口を出発、支度中の車もあったのでどこかで会うだろう。最初からの急登を覚悟していたが簡単に、御殿場の灯を眺めながら汗かくことなく、六合目(宝永山荘)に着いてしまった、3:55。「ここから左の柵を乗り越えて、あとは道なり・・・」、とサクラスミレさんが書いていた、その通り進む。“この季節、安易に入るなよ”ってことなのでしょう。噴石の間をジグザグ上って行く、上空は曇っているが、月とオリオン座、オオクマ座だけが輝いている。4:36新七合目、5:15元祖七合目を過ぎると東の空が白々、明るさを急速に増し、八合目の小屋がくっきり見えてきた、5:49八合目着。六合目付近で後続のヘッドランプが見えたが、ここから見下ろしても人影はない。
  
  富士宮五合目登山口                        御殿場の灯を見下ろしながら進む

  
   六合目バリケードを乗り越えて進む               七合目を過ぎると東の空が白々と

  
     岩陰にツララ                           八合目の小屋を仰ぎながら

 雲海とたなびく雲に日の出は望めない、富士山と重なって判別しにくい宝永山が、朝の一時シルエットで存在感をアピールしているようだった。高度とともに息苦しさを感じてきた、3000m前後ではそれほど感じないが、もう3300mを越えているようだ。調べたところ富士山の山頂3776mでは、0mの酸素濃度と比べると62%しかないようだ。ということは、特別高所訓練で鍛えない限り、誰しも危険にさらされるわけだ、まして私の歳を考えればなおさらのこと、9合目6:22着。
  
   日の出は見られそうもない、右下が宝永山       宝永山と辿ってきた大小礫の斜面、遠方に箱根の神山と駒ケ岳

  
  八合目、ここから浅間大社の境内のようだ            上を仰ぐ

  
  辿って来た斜面                            上方は九合目

  
    微かな日差し                           九合目

 “胸突き八丁”とは富士登山からきているとか。九合目から大幅にペースダウン、見上げては一歩、また一歩、周りを見渡しまた一歩、まさに胸突き八丁である、6:50、九合五勺着、先ほどの小屋がすぐ下に見えてるじゃないか。風に向かって歩く息苦しさ、20,30m動いては立ち止まってしまう、やっと富士宮口頂上、浅間大社奥宮について風を避けて座り込む、7:27。ここで水替わりに梨を食して一息入れる。キャップと手袋を2重にしてお鉢巡りの寒さに備える。
  
   鳥居をくぐって                              先ほどの小屋

  
          息切れでペース大幅ダウン            見上げては一歩、また一歩


    宝永山と歩いてきたルートを振り返る


     宝永山、砂山のよう

  
   九合五勺                            もう一息と言いたいところだが・・・

  
   気になる岩、溶岩にクラックが入ったのかな       下方に小屋が点々と、を見下ろしては、また進む

      
   富士宮口頂上                             浅間大社奥宮

 大社の裏に回り、風の状態を確認する。時々15m/sほどの突風が吹く、気温は氷点下4,5度位、、薄日が差してきたので徐々に気温が上るだろう、絶えられないことは無いだろう。火口をカメラに収め、凍った小湖(?)の脇を通って三島岳と剣ケ峯の間の馬の背に出る。柵につかまり足場を気にしつつ、日本最高峰剣ケ峯、3776mに立つ、7:52。南から東側の眺望は雲が多く無い、西側が測候所の施設で遮られている。お鉢だけは時々差す陽を浴びて、不気味な景観を見せている。古い話になるが、昔は火口には人工的な造作は一切無く、登頂記念にか、文字化して石を並べてあったのを記憶している。西側に回ると、火口縁の間から南アルプス、八ヶ岳がくっきりと浮き上がって見える。一部中央アルプス、北アルプスまで見える。こちらが薄日で南アルプスがきれいに晴れ渡っているからだろう。白山岳をパスして東に回り込み御殿場下山口へと進む、着けたしたものとベストを脱いでザックに押し込み下山モード、8:57山頂を後にする。

 大社裏から火口一望   画像クリック拡大


    同、剣ケ峯と火口


  三島岳と剣ケ峯の馬の背から剣ケ峯


 剣ケ峯から火口一望   画像クリック拡大


  剣ケ峯から火口一望   画像クリック拡大

  
                       富士山山頂3776m、三角点

  
                      三角点の北寄りに電子基準点


  剣ケ峯付近から南アルプス、八ヶ岳遠望  画像クリック拡大


   同、八ヶ岳    画像クリック拡大


   同、南アルプス北部   画像クリック拡大


    同、南アルプス塩見岳   画像クリック拡大


    同、南アルプス荒川岳   画像クリック拡大


    同、南アルプス聖岳   画像クリック拡大


 火口壁北側から火口一望   画像クリック拡大

  
                            御殿場口下山口

 宝永山を目指して、火山礫の急坂を下る、間もなく最初の男性に会う。言葉を交わすのも大変の様子、「あと一息、頑張って下さい」ですれちがう。下りは気温も上がったせいか、汗ばむほど。2人目、3人目といずれの方も上りは苦労しているようだった、9:34八合目、9:45七合五勺、9:59七合目着。この辺から宝永山に分岐している道があるはず、見当たらずあきらめて六合目まで下る、10:04。ここから見渡すと、道なりに進めば六合目の小屋に進むようだ。小さい道標を足元に見つけた、ブルの道で“御殿場口新五合目”と書いてある。多分この先で、宝永山方向に分岐するだろう、半信半疑だが進んでみる。案の定、下り六合と表示された立派な道標があった。ここから右上に進むと、尾根状の場所で不明だった道に合流、少し先で宝永山馬の背に出る、10:27。

      宝永山を目指して


   礫の急斜面をジグザグ下る

  
   登山道はこんな感じ                       2番目に会った人

  
    3番目も下方に                        やっぱり、どなたも苦労しているなあ

  
                            八合目の小屋

  
    七合五勺から宝永山                       七合目から山頂、宝永山へのルート見つからず

  
   六合目から山頂                          小さな道標あり、“御殿場口新五合目”、ここを進む

  
  下り六合                                右斜め上へ入る

  
  上からのルート(本来目指したルート)と合流         宝永山馬の背

 時々ガスに覆われるが富士山、宝永山とも眺望はまあまあである。緩やかに上って宝永山山頂、10:35着。ここから眺める富士山の東南方向に空けた火口、大きさといい、荒々しさといい、驚きの一言。草木が一本もなく、荒涼とした山が鎮座している。幾百年、眠り続けている山の霊、過去の歴史から東海地震とリンクしているとか、恐ろしい話である、本当ですかね。
  
   馬の背から富士山山頂                      同、宝永山

  
    宝永山山頂、後は富士山                   富士山上空を飛ぶ旅客機


  山頂付近から富士山


   同、富士山と宝永第一火口


   同、富士山と宝永第一火口


   富士山斜面下方、右上が六合目小屋、中間が五合目駐車場

 山頂からショートカットの道を下り、第一火口に下りる、10:48。イヤー、驚いた、いるいる人が、その先、上の第一火口縁まで続いている、スゴイ。どこやらの団体さんのようであるが、この先駐車場まで一緒だった、10:56第一火口縁、黄金色のカラマツに誘導されて11:08六合目(宝永山荘)、11:17富士宮五合目登山口に戻る。
  
    下って宝永第一火口                     登って宝永第一火口縁へ


   ゴールドカラーのカラマツを見ながら緩やかに五合目駐車場へ


   一帯がカラマツの紅葉真っ盛り


    ナナカマドも少し

 総所要時間は、7時間37分、50余年ぶりに歩いた富士山は登山道にはゴミ一つなくきれいだった。宝永山周辺の景観も素晴しい。小屋の周りと山頂部火口周辺の整理がつけば文字通り日本一の山に戻るでしょう。前置きで書いたが、来年は日本橋から歩きたいものだ。帰路、紅葉真っ盛りの旧有料道路を下り、12:00須走からのって13:20東松山でおり、小一時間後帰宅、登山口までの遠さも平日であり、あまり感じなかった。季節外れの富士山も素晴しい、9合目からはあごが出たけれど・・・。


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