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庚申山(足尾の山)
  
山行日
    2009年6月9日   うす曇   単独

コース       ページはこちらです。
    銀山平→一の鳥居→旧猿田彦神社跡→(お山巡りコース)→庚申山荘からの登山道合流点→庚申山→分岐点
    →庚申山荘→旧猿田彦神社跡→一の鳥居→銀山平

半日の好天、上越、日光方面で悩み足尾の山塊の一つコウシンソウの咲く庚申山にした、銀山平駐車場5:35出発。数台車があったが、準備中の方を見たら、イワナ釣りだった。ここから一の鳥居まで4km林道を歩く、これがこの山のつらいところ。およそ1/3が舗装、2/3付近の笹見木沢まで各20分前後、残りも20分みれば良い。それにしても林道歩きは退屈である、5:55舗装道路の終点着。未舗装に入って、左手に坑夫の滝という看板がある、草木が生い茂り何も見えない、耳をすませばそれらしい音は聞こえるのだが、6:12笹見木沢通過。笹見木橋から若干勾配を増す、一の鳥居までに100mほど上る、道も凸凹してくる、天狗の投げ石を過ぎればもう一息、6:26一の鳥居着。ここで山靴にはき替える、ぬいだ靴は落ち葉をかきわけてデポする。
  
 丸岩沢の小さな滝                        舗装道路終点に神事のあと

  
    林道歩き2/3付近笹見木沢                 天狗の投げ石、ここまで来れば一の鳥居はすぐそこ

  
    一の鳥居、ここから登山道となる            猿田彦神社(現跡)まで行程18丁とある

 ここには道標、案内板、石碑とたくさん古いものから新しいもの、この山の歴史の一端だろう、6:34、猿田彦神社の真っ赤な鳥居をくぐって山道に入る。入口付近は木々が生い茂り薄暗い感じがするが、水ノ面沢にかかる最初の橋を渡ると木漏れ日が差し森の中は明るさを増す。清らかな流れとカジカガエル、ハルゼミの声に合せて快調に進む、6:59鏡岩着。
  
                   水ノ面沢に沿って緩やかに猿田彦神社跡まで登っていく

  
                   カジカガエルとハルゼミの声で静かな森どころではない

  
                           新緑に覆われた登山道

  
                     笹も鹿に食い尽くされ刈り込んだようだ

  
    百丁目(足尾の磐裂神社からの距離)            鏡岩

 庚申山周辺の岩盤は秩父中古成層のようだ、風化されやすく、この鏡岩も剥げるらしく折角あるベンチも危険の柵の中、通過する。ここから勾配を増し、沢の音も絶え、名称のついた奇岩の間を抜け、一際赤い満開のヤマツツジに迎えられて猿田彦神社跡着、7:28。ここには神社跡の案内板と往時を偲ぶ石段と石碑、青銅の剣がある。お社があったであろう平坦な地にはクリンソウが咲きちょっとした群落をつくっている。ここから右手、お山巡りコースに入る。小さな沢を渡り、建物の脇を通り、ジグザグした道を踏ん張って尾根に出る、7:46。
  
                      ヤマツツジと名のついた奇岩の間を歩く

  
   112丁目、参道らしく桧の並木あり           

    
    猿田彦神社跡                        今はここが山荘、お山巡りの分岐点

  
                   クリンソウ、一段目の花が開いていた




          
左の小さい滝を見ながら急斜面をジグザグ切って登っていく          尾根に出ると岩場が見える

 尾根筋には散り始めたシロヤシオが点々と、高度を増すにつれ元気な花に変わった。適度な間隔のコメツガの間に眩しいばかりの白さ、周辺の落葉樹の若葉と樹床の笹とが釣り合って素晴らしい光景を呈する。岩場のそれも良いが、木々ののびのびした樹形が作り出す自然そのものだろう。幾分登山道が左寄りに下って、コウシンソウの咲く岩場に到着する。さあ、どうだろう、ユキワリソウだ登山道沿いに点々と咲く、岩場を飾る、昨年より数日早いが、多分咲いているだろう。大きな岩の隙間から眺めると、70,80度はありそうな岸壁に林立して咲いている。登れない、手も届かない、そんな急斜面の岩場でひっそりと美しい花を咲かせている。

場所を変え、周辺を探す、昨年も見た岩場には今年も咲いていた。しかし、気がかりなのは、写真を撮られる方だろう、先端をつんでしまった花茎を複数見た、ユキワリソウもつんであった。一応両者とも多年草であるが、枯死することもある。子孫を止められては盗掘の次に許しがたい。大分ゆっくりした、8:43腰を上げる。
  
                     最初のコウシンソウ自生地付近の岩場

  
     下から見上げるとこんな岩場               見下ろせば下山道と吊橋


   吊橋付近からコウシンソウ自生地を見上げる

 南の展望が開け、奇岩の間をクサリ、ハシゴ、階段、橋で渡って行く。ちょっぴりスリルがあり、岩場の花々を眺めながらゆっくり楽しむ。スカッと晴れることを期待したが、時々薄日が差す程度、でも暑い。めがね岩をくぐり、しばらくアップダウンが続いて、庚申山荘からのコースに合流する、9:38。女性が一人、本日はじめて出会う、日曜日歩いた方に薦められてコウシンソウを見に来、山頂はパスしてお山巡りを時計方向に回る、と言っていた。
  
    崩れた城壁を思わせる岩                  狭い奇岩を進む

  
   上の写真の岩場                          ここからハシゴと橋で急降下


              めがね岩

  
                   奇岩の連続、クサリ、ハシゴ、階段、橋で渡って行く

  
           ここをくぐると                 何やら祀ってある穴ぐら状の岩

  
   この橋を渡ると間もなく                   山荘から来る道と出合う

 合流点からクサリ場、ハシゴを幾つか上り、山頂に近い岩場でコウシンソウを眺めた。ここも同じことだった。昨年と比べて数は減ったような気はしない。でも何となく荒れてきたなあ、と感じる。踏みつけられた草木は連鎖的に隣近所に影響し、いずれ岩肌に影響を及ぼしかねない。科学的な根拠はないが、種は共生しているものである、動物の界でも、植物の界でも同じだろう。ここから一登りして緩やかにコメツガの樹林帯を進み庚申山山頂に到着、10:13。
  
    しばらくクサリ、階段が続き、樹林帯を緩やかに進むと間もなく庚申山山頂に出る

  
   南西方向に袈裟丸連峰                 庚申山山頂

  
              庚申山山頂、東方向              庚申山山頂、西方向

  
               荒れた樹林帯を少し西方向へ進むと素晴らしい展望が開ける

 山頂から若干西側に進み、鋸山、皇海山、錫ケ岳、日光白根山、太郎山、男体山を一望する。アズマシャクナゲも終わりに近いが林中にはまだ見られるものも残っていた。時間は早いが遠雷らしき音を耳にする、早めに下ろう。山頂に戻ると、後続の男性一名到着、10:32山頂を後にする。

                  鋸山、皇海山、錫ケ岳、日光白根山、太郎山、男体山

  
     男体山                                   太郎山

  
   日光白根山                          錫ケ岳、日光白根山


        皇海山の右側に笠ケ岳、小笠、小至仏、至仏山


  手前鋸11峰、左鋸山、右皇海山

  
                  帰路も奇岩の間を下って庚申山荘へ

        
                          入り組んだ奇岩

  
      年代もののカツラ                    一の鳥居分岐点

 山頂部のシロヤシオを見ながら11:00お山巡り分岐点着、雷鳴らしきものは大丈夫のようだ。11:21庚申山荘分岐、11:25猿田彦神社跡、3人、5人のこれから向かう人に会い、一気に下って12:04着、デポしたウオーキングシューズに変え、12:20笹見木橋通過、12:37舗装道路へ、12:54銀山平の駐車場着、コウシンソウの花見山行を終えた。総所要時間は、7時間19分、予定した花々に逢えて満足、満足。

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