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日光白根山
  
山行日
    2005年6月25日   晴れ  単独

コース
    菅沼登山口→弥陀ケ池→日光白根山→避難小屋→錫ケ岳分岐→前白根山→五色山→弥陀ケ池→菅沼登山口


 日光白根山は標高2577.6m、以北にはこれ以上高い山はない、高さがあるが故に眺望がすばらしいのは勿論だが、変化に富んだ山容と深い樹林帯、気品に満ちた花々、残雪期の芽吹き、秋の紅葉と、歩きやすさもあり、大勢の人たちが訪れる名山である。私も、比較的近いこともあり、毎年一度は歩いてる。雪が融けて、そろそろこの山の名のついたシラネアオイの咲く時期である。4:04、菅沼登山口を出発する、駐車場となっている一帯を抜けると、白々としてきた登山道に入る。下弦の月が平坦な尾根の上を照らす、どの辺だろうか、座禅山付近かな、確かなことはわからない。直にシラビソ、コメツガ、ダケカンバの樹林帯に入り、急坂が連続する。道も多少緩やかになって東側に回りこんだ所で、根名草山の方向から夏の日が差し込む、4:52。

 登山道に僅かに残った真っ黒い雪を踏み、高度を上げて行く。シラビソの若木の林立する斜面を過ぎるころには、梅雨明けを思わせる真っ青な空が上空に広がった。座禅山の東側をトラバースし、間もなく弥陀ケ池に到着する、5:25。弥陀ケ池に面した座禅山東南斜面には、点々と紫色のシラネアオイの花が見えたが、鹿害防止の柵の中で、存在を確認できる程度である、それでも柵の近くで咲いていた開花寸前の一輪をカメラに納めた。シラネアオイは1属1種と近縁種がない、中部以北に分布し広範囲に自生しているが、ここのシラネアオイは、ここで発見され、山名を背負っているから特別貴重な存在である。一時は、盗掘だ、鹿害だと絶滅の危機に瀕していたが、保護活動のかいあって、弥陀ケ池と五色沼辺の柵の中で見られるようになった。
  
 東の空が薄赤く染まり、日の出近し            ムラサキヤシオツツジの終わり花

  
 エンレイソウ                         密生するシラビソの幼木

  
 窪地に残る残雪                        ミネザクラ

  
 シラネアオイ保護地、柵の中で点々と花が見えます        ズームいっぱいきかせて、シラネアオイ

          
             弥陀ケ池に映る逆さ白根、東側で写す

 木道を歩き、西側の分岐点で5:34、雪の消えたばかりの斜面に咲くショウジョウバカマ、コイワカガミとミネザクラを撮り、座禅山への道を分け、山頂への道に入る。ほんの一登りすると、座禅山の西に尾瀬の燧ケ岳が現れる、燧ケ岳の看板のような形の双耳峰である。3週前に歩いたこともあり、立ち止まって見入ってしまう。ちょっと上がると情景が一変し、またそこで同じ様な写真を撮り続ける、これがたまりなく楽しい。
  
 弥陀ケ池西側から日光白根山               同じく座禅山

  
座禅山分岐付近でミネザクラ                 コバイケイソウの芽

  
 同じく、ショウジョウバカマ                同じく、ショウジョウバカマ、草丈3cmほど

  
 分岐点の直上、燧ケ岳遠望                 同じく、平ケ岳(左)、燧ケ岳遠望、手前は座禅山

  
 同じく、至仏山遠望                    同じく、至仏山と燧ケ岳

  
 同じく、コイワカガミ                    コヨウラクツツジ


 更に上がった所から、ほぼ等間隔に並んだ至仏山、平ケ岳、燧ケ岳、会津駒ヶ岳、手前は座禅山

  
 ちょっとアップで、平ケ岳、燧ケ岳            同じく、燧ケ岳、会津駒ヶ岳

 ダケカンバの樹林帯を抜けると、ハクサンシャクナゲの群落に入る、開花までに1週間から10日かかりそうだ。ガンコウラン、コケモモも開花には早い、イワカガミが先行しているようだ。間もなく五色山の向こうに太郎山、女峰山、大真名子山のシルエットで現れると、直下の岩場である。コメバツガザクラが岩の間で、小さい花袋をつけて誇らしげに咲いている、今年も逢えたかと思うとほっとする。岩の間から、振り返っては、等間隔に並ぶ4座と日光連山のシルエットを立ち止まってはカメラに。山頂直下の岩を這い上がると、ここではじめて山頂が顔を出す、少し下って登り返せば日光白根山山頂である、6:36着。
  
 ハクサンシャクナゲの群落地付近からイワカガミと白根山山頂部  五色山の向こうに太郎山、女峰山、大真名子山のシルエット

  
山頂直下の岩場から燧ケ岳遠望               同じく、眼下の弥陀ケ池

  
 同じく、コメバツガザクラ                 同じく、コメバツガザクラ

  
 岩場を這い上がったポイントから、上州武尊山遠望      同じく、至仏山、平ケ岳、燧ケ岳

  
同じく、平ケ岳、燧ケ岳、会津駒ヶ岳             同じく、太郎山、女峰山、大真名子山

  
 山頂部の岩場                         同、近寄って

 山頂からの眺望は、南に低い雲があり遠望には限りがあるが、北方向は比較的晴れあって、まだ雪解けの進まない真っ白い群馬、長野、新潟、福島の山が霞みの中に連なっていた。中禅寺湖も薄い雲がかかり、逆光の山王帽子山、太郎山、女峰山、小真名子山、大真名子山、男体山が前白根山の向こうにシルエットとなって映っていた。南には前白根山から延びる稜線に、錫ケ岳が、そして更に南に皇海山が鎮座していた、7:00山頂をあとにする。
  
 日光白根山山頂                     前白根山の向こうに太郎山、女峰山、大真名子山、男体山

  
 山頂から平ケ岳、燧ケ岳、会津駒ヶ岳         山頂から至仏山、平ケ岳、燧ケ岳


 同、パノラマ加工

  
 山頂南に皇海山(左奥)と錫ケ岳                 燧ケ岳アップ

 奥白根神社まで岩場を下ると、平坦な砂礫の道となる。所々に草むらとなった砂礫が島状になっていて、コイワカガミが見頃をむかえていた。間もなく、キジムシロ、シロバナヘビイチゴの咲き乱れる、草原状の斜面を、ジグザグしながら下る、不思議なことにタンポポが満開であった。高山性のミヤマタンポポは見ているが、ここのタンポポは何だろう。また、フデリンドウと似た小さい花をつけたリンドウを見た、ミヤマリンドウ、ハルリンドウ、フデリンドウのいずれかわからない。ここから、ちょっとした火成岩の岩場を通る、ツガザクラと鮮やかなイワカガミが競演しているように見えた。間もなくダケカンバの樹林帯に入り、避難小屋に出る、7:50着。
  
 奥白根神社                          奥白根神社から白根山頂部

  
直下から五色沼                        崩落の進んでいる地点、下は五色沼

  
 岩場でコイワカガミ                      斜面でフデリンドウ? 花は5mmほど

  
 イワキンバイ                          シロバナヘビイチゴ

  
    コイワカガミとツガザクラ                同アップ

  
      ツガザクラ                       コイワカガミ

  
 避難小屋付近でミネザクラ                  同アップ

 ここで道は、五色沼方向と前白根山方向に分かれる、小屋の北側を通り、ダケカンバの樹林帯に入る。まだ葉が伸び切っておらず、枝間に日光白根山を見ながら、稜線を目指して上がる。半分ほど上がると北方向に燧ケ岳が望める。ここで、ガサゴソとした物音に気付き、見上げると男性が山頂を目指して、落下してくる岩石のよに過ぎ去っていった、ここまで今日は誰にも会わなかった。ほどなく、稜線に出る、8:03。ここで右に行けば昨年歩いた錫ケ岳に向う、左に行けば前白根山に向う本日のコースである。

 前に前白根山と五色山、左手に白根山、五色沼を見、後に錫ケ岳へ続く山並みを見ながら、のんびりと歩けるところ。緩やかに上がり、また少し下る、鞍部を過ぎた所でまたひとり、前白根山からこちらに向ってくる二人連れもすぐそこまで着ている、8:22前白根山到着。京都からきて、今日白根山を踏んで、明日男体山に登るという、深田久弥の日本百名山を目指し、80ほど登ったという夫婦に会い、話し込む。北海道の幌尻岳の渡渉について、一言そえてやった。先ほど鞍部であった方は、どうやら錫ケ岳方向に歩いている。
  
  見事に成長した樹床のコケ                錫ケ岳方面の稜線に出る

  
  錫ケ岳方面の稜線                    同点から日光白根山

  
 前白根山への鞍部から日光白根山        前白根山から日光白根山


   前白根山からパノラマ、左が錫ケ岳方面へ通じる

  
  前白根山山頂                      同所北側から、日光白根山

  
  五色山から燧ケ岳遠望                  同じく、日光白根山


 同じく、日光白根山

  
 五色山西稜線から五色沼                  五色沼、五色山分岐

 前白根山から、形を変えていく日光白根山を左手に見ながら、小さい起伏を繰り返して五色山山頂着、9:00。近場の木陰で、のんびりと気持ちよさそうに、昼寝をしている人あり。気配を感じてか目覚め、「イヤー、30度ある」って言っていた、どおりで暑いわけ。ここの岩場から燧ケ岳を一枚、下って五色沼付近のシラネアオイの保護地を上から覗いて、五色沼と弥陀ケ池を結ぶルートに出る、9:44。この分岐点から、小さい峠を越えると、いっぱい人の集まった弥陀け池に出た、9:50。どうやら、また聞きだと300人ほどの中学生で、すでに100人ほど山頂に向っているようである。隅の方で一般のハイカーが、唖然とした表情を浮かべていた。登ること自体は良いことだと思うが、山頂直下のコースの状態からすると、気をつけて、というほかない。
  
 同付近から日光白根山                 大勢の人で賑わう弥陀ケ池

  
 菅沼駐車場、満杯?                    夏山開き、神事のあと

 弥陀ケ池からは、樹林帯に入り今朝歩いた道を折り返す。これから向う方に20人ほど会った、それぞれ団体さんのことを気にしていた。「私達が着くころには、もう済んでしまっているでしょう」、と。11:01、菅沼登山口に戻って、本日の山行を終えた。総所要時間は、6時間55分であった、梅雨の合間の好天、いい山行だった。

  
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