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御嶽山
 
山行日
    2005年8月11日   晴れ後曇り    2名

コース
    田の原登山口→大江大権現→金剛童子→八合目石室→九合目石室→王滝頂上→剣ケ峰(御嶽山頂上)→
    王滝頂上→金剛童子→田の原登山口

 北アルプス山系の南端長野県と岐阜県との県境にまたがる複式火山のどっしり構える独立峰、日本の標高ベスト14の山、御嶽山3067mは、古くから山そのものをご神体とする山岳信仰の山として、崇められてきたという。’98年10月末、深田久弥の日本100名山を踏破と、雪の中を歩いて何も見てないのが初回、今回は妻とゆっくり歩こうと、深夜田ノ原の駐車場に着いた。見上げれば、満天の星、幅広の天の川、流れ星の多いこと、仮眠をして4:30薄暗い中を出発する。

 御影の鳥居をくぐり、広い参道といった感じの一直線の砂利道を歩く。山頂の小屋の灯まだ赤く灯り、東の空はたなびいた雲を赤く染めていた。広い道の左右所々に入り口があり、遊歩道のようだ。途中、遥拝場があり長いベンチが沢山あって、そこから御神像越しに御嶽山を崇拝できるようになっている。斜めに木道を抜けた所付近から道幅が狭くなり、木製の階段となる。シラビソの類だろうか、高木が多く樹海の中を歩いているよう。間もなく、大江大権現の祠に到着、ここは昔の御嶽信仰登山の行場だったとか。
  
 登山口、この右の大きな御影の鳥居をくぐる(帰路写す)  駐車場から見る御嶽山(帰路写す)

  
 遥拝場から御嶽山(帰路写す)               大江権現、奉幣所のひとつ

 ここを出ると、道幅は狭くなり、急激に勾配が増し、ぬれた石組の段に変わり、太い苔むしたロープが張られていた。たれこめた雲の間から太陽が昇る、樹林も低くなりナナカマド、ダケカンバの混生となった。“あかっぱげ”、という標柱のあるザレた場所に出る、火山性の赤い裸地で右側が落ち込んで流れになっている。木製の細かく組まれた砂防提を見ながら進むと、ハイマツ帯に入る、標高は2400mぐらいのようだ。妻は、「アッ、ホシガラスだ」と喜ぶ、私は「エッ、タビガラス(上州銘菓?)」と、とぼける。道は大小岩を乗り越え、またぎ、避けて登っていく。視界は良好、王滝山頂の小屋を上に見、振り向いては田ノ原を眺めながら進む。東の空は雲が多く、近くに見えると思っていた中央アルプスは見えない。うっする遠望できる山並みは、八ヶ岳だろうか、中央アルプスだろうか、見当がつかない、妻は八ヶ岳と主張する、5:22金剛童子、大岩さん、小岩さんに励まされ5:30八合目着。
  
 雲の間からご来光                     山頂部は青空の下、朝日を浴びる

  
 金剛童子と王滝山頂の小屋付近を撮る         登山口を振り向く、八ヶ岳らしいうっすらした山並み?を遠望

  
 妻は、ちょこ、ちょこ、一休さん               王滝山頂の小屋付近を撮る

 八合目の石室を過ぎたところで、休憩、朝飯。出てくるは、出てくるは、食べ物と飲み物、どおりで重いわけだわ。水2本(500cc入り)、茶1本、これは自分で入れた。ボックスの中から、1kgもありそうなでっかい梨丸ごと、氷約500g(ほとんど解けていた)、コーラ1本、ムスビ3ケ、パン5ケ、トマト中玉1パック、etc.、今日の御嶽山は立ち止まっていると寒いくらい、水など飲みたくない。大きな梨は山頂で、氷は捨てて、1kg減ったかな、また私のザックへ。

 20分ほど休憩しただろうか、間もなく左のガレた場所に出る。「エゾノツガザクラだ」、と妻が指差す。綺麗な苔むした岩場では、遅咲きのアオノツガザクラ、イワカガミ、チングルマ、今が盛りのミヤマダイコンソウ、シナノオトギリ、ミヤマアキノキリンソウの花。エゾノツガザクラが御嶽山に自生しているという話は、御岳詣でに行って来た隣人から以前聞いていた。これは、近寄って見ると、イワカガミの残り花だった。
  
 綺麗なコケ                          アオノツガザクラ

  
 イワカガミ                            チングルマ

  
  ミヤマダイコンソウ                     シナノオトギリ

  
 ミヤマアキノキリンソウ(コガネギク)            オンタデ(御蓼で御嶽山で発見されてつけられた花名)

  
 九合目武尊大神付近から登山口方向を撮る         イワギキョウ

  
 イワツメクサ                          白装束で奉幣しながらの参拝者

  
 大ノゾキ、という岩場                    同じく、山の生い立ちを物語るような断崖

 岩場の急坂に我が妻は、ノッキング気味、深夜に登りご来光を拝んで帰る人たちと話しこんでは、一歩一歩前進、6:20九合目、7:10王滝山頂小屋着。山頂小屋でヘリによる荷役作業を見物、巻き上げる強風で飛び散る小石が刺さるよう。それもあっという間、荷物を降ろして、剣ケ峰へ、今度は荷物を引っ掛けて、東の方向へ飛んで行った。石壁から登山道へ出ると、風の通り道なのか寒さを感じる、ウインドヤッケを着る。

 王滝山頂直下から、左小屋、右溶岩ドーム

  
   溶岩ドーム                      王滝山頂、御嶽神社頂上奥社

  
 御嶽神社社殿                        御嶽頂上山荘の荷役作業

  
  王滝山頂から剣ケ峰                   変な雲が出てきたなあ、笠みたい

 王滝山頂から緩やかに荒涼とした岩礫の間を歩き、大御神火祭場という広々した場所に出る。裏に回れば、神々の像の間から王滝ドームと御嶽神社頂上奥社を見る。黒い荒々しい岩峰方向から風に乗ってくるイオウ臭い匂い、ここは活火山であり、山岳信仰のクライマックスを迎える場でもあることを感ずる。そして、この山行も目標地点を目の前にしている。

 大御神火祭場から王滝ドーム、御嶽神社頂上奥社

  
  神々の像の間から王滝ドームと御嶽神社頂上奥社  いよいよ、剣ケ峰最後の登り

 標高ではこの辺が3000mのようだ、ここからほんのわずかであるが我が妻にはキツイ、でもど根性、抜かれ抜かれつ、7:40念願の3000超、御嶽山山頂到着。眼下に一ノ池、北にコバルト色をした二ノ池、飛騨山頂、継子岳、うっすら見え隠れする乗鞍岳を、東に今歩いてきた御嶽神社頂上奥社からの岩礫の道、そして東彼方に登山口が見えていた。南西に回れば、水の涸れた一ノ池、お鉢の登山道、南は噴煙上げる爆裂火口の不気味さ、岩場から身を乗り出しショット、ショット、ショット。吹き抜ける風の冷たさを避けて、御嶽神社頂上奥社本宮の南にそわりこんで、休憩。噴火口を眼下に、1kgの梨もお隣さんの協力で完食、結局、水、茶、コーラ、2kgは持ち帰り。
  
 頂上奥社本宮の石段                  御嶽神社頂上奥社本宮の社殿

  
 山頂標識と一等三角点               北方向に二ノ池、飛騨山頂、継子岳、うっすら見え隠れする乗鞍岳

  
 東方向、田ノ原駐車場                   東側火口壁

  
 水の涸れた一ノ池、お鉢の登山道道標         爆裂火口

 山頂で見た光景は、人類の力を越えた大自然のエネルギーのすさまじさに驚くのみ。2万年の沈黙をやぶり、1979、1991年水蒸気爆発、そして1984年南側中腹で発生した岩屑(がんせつ)なだれ、と形を変えてきた。この大自然のエネルギーと山岳宗教である御嶽教、人々はそこに神の力を求めるているのであろうか、8:20山頂を後にする9:55金剛童子、10:48田の原登山口へ戻って山行を終えた。総所要時間は、5時間18分(昭文社の山地図では、コースタイムは4時間45分)

 下山したらすっかり曇ってしまったが、まだ駐車場から山頂部まで見通せた。山の形は遥拝場までは、全体が見通せて良いが、あと登山道で見る山頂部は、常に見えているが、カッコ良い形ではなかった。同行の妻、最高到達点を小蓮華山から塗り替えて満足そう、「まだ、歩けるな、次は鳥海山がいいな」、って。持ち帰りの水類、2リットル、と記念に記しておこう。

参考URL:   御嶽神社 (良い地図があるよ)     王滝村観光ワールド


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