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木曽駒ヶ岳
  
山行日
    2004年10月7日    晴れ     3名

コース 地図はこちら
    千畳敷(ロープウエイ駅)→乗越浄土→中岳→木曽駒ヶ岳→(中岳巻道)→乗越浄土→
    (剣ケ池)→千畳敷(ロープウエイ駅)

 秋雨前線と台風の影響で安定しない天気が続いている。そのため、計画は二転三転、一旦中止した先週の計画を持ち出して、I&Mさんを誘って駒ヶ根ICに向かう。山間を走ると時々雨がウインドウにあたる。中央アルプスはどんよりした雲の中、山行を翌日の延ばし、天竜舟下りに向かう。風強く晴れたが、増水のため舟は出ず。駒ヶ根に戻って、光前寺を見学、樹齢数百年の杉の巨木に囲まれた境内には、沢山の堂塔があり、庭園と合わせて深い伊那地方の歴史を感じる。長野県下屈指の大寺であり、南信州随一の祈願霊場として広い信仰をあつめているとか。菅の台バスターミナル付近に宿をとり、千畳敷方面を見上げると、雲の中に宝剣岳の山頂部、しかしすぐに雲に覆われた。部屋からくっきり現れた南アルプス駒・仙丈・間ノ岳・農鳥を眺め、暮れ行く山並みに木曽駒の好天を祈願する。

 一番のバスでロープウエイに乗り継ぎ、ラストに乗り込んでドアーにへばりつく。伊那七谷の一つ太田切本谷の深さ、切り立った斜面を彩る紅葉の錦に隣りの二人は、いささか声を震わせ、「スゴイ!、キレイ!」の連発、大きなシラビソ、バケカンバの樹形に、旦那の盆栽を重ねて関心していた。幾重となく落ちる滝、滝、流れは白い岩肌の急斜面と樹林の中に吸い込まれていく。あっという間に、紅葉の終わった千畳敷駅、2612mに到着。

 駅舎から出るや、眼前に広がる千畳敷カールに同行者は緊張気味、美観を感じるよりは驚嘆していた。「中央アルプス宝剣岳(標高2931m)直下に広がる、すり鉢を縦に割ったような形の巨大なカール、これは約2万年前の氷河期に形成された圏谷地形で、底部は氷河期の名残の高山植物の宝庫として知られている・・・・」、と説明するもカールのパノラマに全神経が集中、聴力障害をおこしているようであった。8:25、千畳敷出発。
  
                     太田切本谷と伊那前岳南斜面の紅葉


    千畳敷カールから見た山並み


    上のアップ、中央が宝剣岳、右の窪んだところが乗越浄土

  
  さらに左の岩峰、サギダルの頭をアップ       同じく、宝剣岳、乗越浄土付近のアップ

  
  南アルプス遠望                      同じく、アップ、甲斐駒ケ岳、仙丈岳方向

 登山道を目で追っていくと、乗越浄土まで50人ほどが見える。カールをほぼ水平に北方向に横断すると、カールの下を回る道と合流し、八丁坂の急登にかかる。乗越浄土と合流点の標高差が200mほどを、ここからジグザグしながら高度を上げていく。散策スタイルの人あり、縦走者あり、老若男女入り乱れて狭い登山道に、復路の人たちを含めて集中する。慌てても仕方ない、前を歩く人たちと冗談を交わす。ここでは圧倒的に関西弁が多く、三人のお国なまり?は、少数民族の言語みたいなものだ、面白がっている、つられて「ハハハ・・・」。

コーナーを通過するたびに岩肌の光景が変わる、灰色に見えていた岩肌も黒さを増し、ハイマツの緑が次第に色濃く変化していく。白っぽい花崗岩は、太陽に照らされ空の青さとコントラストを増していく。眼下に延びる登山道には点々と蟻さんの行列が千畳敷に連なっている、9:15乗越浄土へ着く。
  
  宝剣岳南東の岩峰、サギダルの頭           宝剣岳を見上げる

  
 眼下の登山道、人が点々と続く             宝剣岳の上空に月が

 同行の二人に「富士山が見えたぞ!」、乗越浄土での眺望にびっくり、雲の間に点々と南アルプスの峰峰、一番右に塩見岳、その左に富士山が顔を出す。「あの辺が将棋頭山、あれが空木岳で、その西が三ノ沢、・・・・・」、「駒ケ岳山頂は、前に見える中岳の北側で今は見えない、山頂はもう少しだ」、やっと3000m級の山並みが納得できたようで中岳へ進む。
  
 伊那前岳方面                        空木岳遠望

  
  宝剣岳                           雲に浮ぶ南アルプス・富士山遠望

  
 将棋頭山方面                       三ノ沢岳(右)、左は宝剣岳の西側岸壁

  
 宝剣山荘付近から宝剣岳山頂部            天狗荘付近から宝剣岳

  
  同じく、中岳                       中岳山頂から木曽駒ヶ岳山頂部

 ここからは勾配が緩やかとなり、ルンルン気分で歩いた、中岳着9:47。「あれが、駒ケ岳?」、「そう、あれが目指す山頂だ、その稜線の右遠方に見えるのが、穂高と槍だ」、「ホー、だって、あそこまでは遠いなあ」、「雲がなければ、御嶽山や乗鞍岳、八ヶ岳・・・も見えるんだがね・・・・・」、こんな会話が進む。
  
 中岳山頂から木曽前岳2826m           中岳山頂から槍ヶ岳、奥穂高岳遠望

  
  中岳北面から前岳と麦草岳(右)           同じく、駒ヶ岳山頂部

 もう二人にとって着いたの同然、快調に下り、鞍部からの100mを一気に登リ、駒ケ岳山頂に辿り着いた、10:08。同行の二人は山頂に着くや、感無量というところだろうか、口を閉ざしてしまった。山頂を歩きながら、3年前の縦走を我一人思い浮かべ、見える頂きに頭を下げてうなづく。桂小場から入って、将棋頭山、木曽駒ケ岳、木曽前岳、麦草岳、中岳、宝剣岳、三ノ沢岳、桧尾岳、熊沢岳、東川岳、空木岳、南駒ケ岳、仙涯嶺、越百山と歩き、4日目でシオジ平森林公園に下った。あと2,3ヶ月の在職期間を残し、自問自答する思い出に残る山行であった。早い昼食をとって、10:47山頂を下る。
  
 木曽駒ケ岳2956m山頂                木曽駒ケ岳山頂から麦草岳2721m

  
 同じく、木曽前岳2826mと直下の頂上木曽小屋   同じく、槍ヶ岳、奥穂高岳遠望

  
 同じく、空木岳2864mと三ノ沢岳(右)        同じく、三ノ沢岳2847m

  
 将棋頭山方面の稜線                  頂上山荘付近から中岳の巻道(右)分岐、正面は宝剣岳

 中岳の鞍部で巻道に入る、岩場も気になったが、岩場の感触もつかめて、スイスイ足を運んでいた。乗越浄土11:28、下りの人たちにペースを合わせ、八丁坂の標柱のある地点まで無事下山する。剣ケ池方面の散策路に入ると、再び青空が広がりカールに見入る。木曽駒ケ岳2956mを踏んだ余韻だろうか、喜びを二人で噛みしめていた。写す剣ケ池の岩稜は小さな波にゆれ、またの機会を促しているようだった、12:10千畳敷(ロープウエイ駅)着。
  
 中岳西斜面の岩稜                    八丁坂標柱、剣ケ池方面分岐


 剣ケ池方面から岩稜、中央が宝剣岳

  
  剣ケ池方面から千畳敷カール             剣ケ池に写す岩稜

 総所要時間は、3時間45分であった。何よりも天気に恵まれ、同行2名の満足顔に安堵する山行であった。前線の悪さするこの秋の天気、今週末は台風22号、来週はどうなるのだろうか。待ちわびる山愛好家のため、週間予報の確率を向上させて欲しいものである。

  
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