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一切経山(吾妻連峰)
山行日
    2004年10月1日      晴れ      2名

コース 詳細はこちら
    兎平駐車場→鎌沼分岐→酸ケ平分岐→一切経山→酸ケ平分岐→酸ケ平→鎌沼→一切経分岐→兎平駐車場

 一時帰国のYさんと、木曽駒ヶ岳&天竜川舟下りを9/29、30で計画した。台風21号の影響で一日延ばしてみたが29日夕、結局晴れそうもないので中止した。しかし、30日朝になって晴れそうな気配となり、ガスで2連敗中の一切経山へ妻と向かった。那須を越えると再び雨が時々降り、二本松を観光して、高湯温泉で宿を取り、翌日の好天を期待した。

 10/1、雲一つない台風一過の秋晴れとなった。朝風呂に入り、浄土平へ向かう、駐車している車は3台ほど、これは吾妻連峰借切りかなと思ったが、無料の兎平駐車場には20台ほど車あり、8:30出発する。この山の北側に魔女の瞳(吾妻の瞳ともいうらしい)なる五色沼がある、これを見るのがこの山行の目的だ。光線の加減で五色に変わるとか、どんな色をしているのだろう、まん丸でチッコイのかな、緑に囲まれ神秘的な沼かな、と思いつつ2度山頂は踏んでいるが何も見てないのである。浄土平の木道を渡り、南東方向に吾妻小富士を見る、逆光で黒ずんで見える。目指す一切経山は北方向真っ青な空の下に構えている。

 一切経山は、案内によれば、1950,1952、1977年と小さい噴火を繰り返しているようである。昨年12月頃から始まった地震活動のやや活発な状態は、消長を繰り返しながら低下傾向にあるとか、浅間山と同じく、ここもいつ噴火するかわからない山なんですね。急な登りに入り、石碑の付近で白と黒の木の実にあう、シラタマノキ、とクロマメノキである。浅間山麓では、クロマメノキの実が乱獲され昨年は逮捕者が出たとか、今年は一帯が噴火口から4km以内で立ち入り禁止となっています。この一切経山の登りコースは低木が点々と生えているだけで、視界を遮るものがなく眺望抜群であるが、1時間前後の急登が続く。
  
  浄土平から見る吾妻小富士               同じく、一切経山(山頂は反対側の奥)

  
 シラタマノキ(実)                     クロマメノキ(実)

 急登に一息つくと、沢を介して西側の蓬莱山の山腹は、黄色く色付き秋の深まりを感じさせていた。眼下には吾妻小富士の火口がパックリと天を仰ぎ、西隣りには緑に包まれた桶沼が見える、足元直下にも小さい擂鉢型の火口らしきものがあった。ここから間もなく、安達太良山の山塊を南に見て、酸ケ平と鎌沼を西下に見る。濃い緑から薄い緑に、そしてクサモミジの進んだ茶色の湿原と空に負けない青い沼、静寂に包まれた台風一過なのだろうか。荒々しい岩肌と起伏の小さい緑に包まれた山々が取り巻く景観にスケールの大きさを感じる、9:20酸ケ平分岐着。
  
 一切経山南斜面の急登                 紅葉の進んだ蓬莱山東斜面

  
 一切経山南斜面の火口跡?              眼下に擂鉢状の吾妻小富士を見る

  
 酸ケ平と鎌沼                       東吾妻山と重なって見える蓬莱山

 分岐点を過ぎると勾配は小さくなり、南から見えていた山腹の北側を通り、緩やかに登る。磐梯山の切立った山頂部が東吾妻山の西に飛び出すと、見る見る大きくなって、直に山並み全体が見通せる。磐梯山の背後には遠く日光の山々が連なっていた。なだらかに見える山頂も、周りの景観に見入り止まりがち、間もなく広いザレた平坦な場所に出ると山頂であった、9:45着。
  
 前大巓                           一切経山山頂(中央)

  
 磐梯山がニョキッと現れ                  すぐに大きな姿を見せる、後には日光の山々が連なる

  
 吾妻小富士の噴火口も擂鉢状に           安達太良山も輪郭を現す

 山頂の眺望は後回しとして、北側にわずか下るとパッと目指した魔女も瞳(五色沼)が開ける。コバルトブルーの水、といっても濃淡微妙に変化して一様ではない。取り巻く淡い緑と濃緑色の樹林帯、まさに神秘的な光景である。山頂には10人ほど、五色沼を向いてザレた斜面に座り込み、何か物思いにふけっている様だった、気のせいかな。平坦な山頂は、全く遮るものがなく、360°の大パノラマである。三度目の正直・・・、やっと五色沼をこの目で見た。小さくて綺麗な湖、北海道のオンネトー湖、オコタンペ湖・・・も好きだが、ここもいいなあ、10:15山頂を去る。
  
  平坦な山頂部                      一等三角点、吾妻連峰の峰々と飯豊山を遠望する


 北側に若干下がると、パッと目指した魔女の瞳(五色沼)が開ける


 山頂から、吾妻連峰南から西方面


 山頂から、吾妻連峰、東吾妻山〜家形山、五色沼

  
 西吾妻山と東大巓の間に飯豊連峰を見る    家形山の北方に朝日連峰を遠望する

  
 家形山の北北東方向に月山とその右に鳥海山を遠望  東側からは蔵王連峰を遠望する

  
 南、アンテナの反射板のある山の向こうに安達太良山  南東には吾妻小富士を眼下に見る


山頂から、日光方面遠望

 続々と、良い天気に誘われて来た人たちに会い先ほどの酸ケ平への分岐点へ10:30、酸ケ平避難小屋へ10:42、この付近から茨城の中学校のツアーに5,6グループ、団体さんにも3回会う、皆元気に自然の中にとけこんでいるようで感心、歓心。薄っすらと紅葉をはじめた鎌沼の紅葉を見ながら木道を周り、浄土平の分岐へ11:53、兎平駐車場へ12:05着、山行を終えた。
  
 酸ケ平へガレ場を下る                    酸ケ平の池塘

  
 鎌沼の湖畔                          同じく、東吾妻山

  
 同じく、一切経山方面                    同じく、浄土平への下降地点を正面に

  
  同じく、一切経山方面                  木道沿いのチングルマの紅葉


  まるごと、東吾妻山、なだらに見えますが、姥ケ原からなかなか、なんですよ

  
 下山道から吾妻小富士                 下山道から一切経山

  
  下山道から一切経山、手前はノリウツギ      下山道から蓬莱山の紅葉

 総所要時間は、3時間35分であった。やっと見えた五色沼、この美しさ、新鮮さはずっと脳裏にインプットされて、クリアーされることはないでしょう。今回は姥ケ原をコースに入れなかったが、独特の樹形が林立する景観は、これまた自然の学習の場、ここを入れてオススメしたいところ。




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