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赤城山(地蔵岳)sub3-21   

  

山行日
     2002年2月16日   晴れ  単独

コース
     忠治温泉→大滝→(粕川尾根)→茶ノ木畑峠→小沼→地蔵岳→新坂平

 庭の福寿草も満開、何となく季節の変化を感じるようになりました。赤城山の雪も麓から徐々に溶け出しているようです。先日Kさんから周辺の道路情報、登山道情報を寄せて頂きました。今週は、それらを参考に、粕川の尾根を5,6年ぶりに計画しました。春近しといっても、まだ油断は禁物です、天候・積雪・コースの状況によっては、途中でエスケープすることも考えておく必要があります。

 暖かく快晴という予報のもと、忠治温泉を6:50出発した、木陰を除いて雪は見られない。でも5分も歩くと一部凍結した道となり、残雪も徐々に増していく。突然5mほど先をリスが横切る、一瞬立ち止まる、落ち葉を前足でかきあげ気配をうかがっている、歩き出すと靴音に一目散に去っていった。ここのコースは斜面に付けられた、緩い登りである。ところどころにしみ出した水が凍り、青みがかった半透明となり、その先に大きいものは3mほどのつららがさがっている。30分ほどで橋に出た、滝までは右岸の流れに沿って進んだ、左岸にも道は付けられている。丸太の橋あり、凍り付いた下りありで、多少の緊張感がある。7:40不動滝着、2名先客がいて滝をカメラにおさめていた。落差50mと聞くが群馬では見事な滝である、氷柱が発達し滝壺を覆い隠し、切り立った岸壁のあちこちにつららが成長してる。空間と岸壁と滝のバランスのとれたすばらしい景観に結氷がアクセントをつけている。左岸を歩き不動尊へ8:07。

      国土地理院1/25000地形図(赤城山、鼻毛石)に追記
    

           
      不動滝(落差50m)                              滝壺

  
     不動滝脇の石仏                            忠治の岩屋


 不動尊を過ぎて登山道を探すが見あたらない、計画段階でマークしたポイントだ、100mばかりハイキングコースを歩き小さい尾根の先端部を見つけヤブコキして尾根に出た8:22、山つつじの群落である。ここからわずかに前進すると、林道の建設で切り通しの上へ出てしまった。残された樹木につかまって林道へ下りた、工事は20mほどここから進んだところで終わっていた。見渡すと、迂回路と書いたやっと読める板きれが立っていた、だが再び急斜面をよじ登り延長線上の道に立った。ちょっと歩くともう1枚の板切れが立っていた、道は通じているようである。8:36滝沢不動分岐、つまり正規のルートへ出た。粕川村観光協会と書かれた立派な道標があった。時間的には30分であるから、同じようなものであった。稜線には山靴の跡がはっきりと残っている、細かいところまでは解らないが、最近歩かれたのだろう、一人かな二人かな、どこまで歩いたのかな、お陰で安心して歩ける。つつじの尾根筋を3つばかりピークを越えると粕川の対岸にある、アンテナの右手に、八ヶ岳を遠望できた。日だまりでは地肌が見えるが、高度を増すにつれて、雪が少しずつ増えていくのを感じた。
  
 宮城村のアンテナと右八ヶ岳遠望                         シャラの木が雑木を浸食している(逆?)

  
   直径40,50cmの元気なブナ                        枝振りもなかなか、大きく天を仰いでいる


 枝越しに見る梨木の尾根も対岸の尾根も迫ってきた、雪を踏みしめながら、一歩一歩上がる。ヤセ尾根も数カ所越えた、幸い雪が程良くしまって危険を感じなかった。さねすり岩10:25、“さねすりの岩をまたぎて紅つつじ・・・・・・・・・”の歌碑が静かに建っていた、小休止。見渡すと足跡はここで消えていた、多分ここで折り返されたのだろう。さねすり岩の間には、雪が吹きこみ、斜めにやっと通れる隙間しかなかった。ここからしばらく急登が続く、荒山、地蔵岳の頂上が顔を見せた。青空の下、静かな雪の尾根に一人でいることに満足感を覚える。なだらかな登りとなって、銚子の伽藍の分岐に着く10:44。積雪は急に増した、この暖かさで緩んだのだろうか、ズボッと膝の上まで入る。無積雪期はスイスイと歩けるところだが、この雪では歩きにくい、でも10分ほどで梨木の尾根の合流点、茶の木畑峠に着いた10:54、忠治温泉から4時間を要した。ここの到着時間が12:00をまわっていたら、忠治温泉へ引き返すつもりだった。
    
  中央凹部、銚子の伽藍付近(?)                         さねすり岩の歌碑

  
  荒山山頂が見えた                                  地蔵岳の頂上も見えた

  
  茶の木畑峠                                       小沼への林道(雪で斜面溶と化していた)

 しかし、これから小沼までの時間が読めない、雪がなければ小沼沼尻まで20分ほどで歩ける距離だ。おそらく誰も踏み込んでいないだろうし、積雪も多いところだ、そんなことを考えながら、下りにかかる。道はわかりにくいが、わずかに残る白い紐を見ながら、大きな歩幅で快適に進む。雪質が柔らかく、下りとあって7,8分で林道へ出た11:21。林道を見渡す、一面真っ白で道の区別がつかない。道路標識の上部を見つけた、樹木のない部分があるので、道であろうと思うが斜面の延長のようでもある。地図上では、林道はここでおとぎの森方向へ鋭角に曲がっている、東の方向へ歩いてみると、行き止まりとなっている。つまり林道に沢山の雪が積もり、斜面と化していたのである。ストックをさしてみると、全部さしてもとどかない、少なくても1mはあるだろう。歩き出すと10cm位下に凍ったいる硬い層があり、体重を支えてくれる。吹きだまりも一様ではない、時々ズボッと腰まで入る。小沼尻との中間地点まで来るとカンジキで歩いた跡を見つけた、今日歩いた跡だ。しばらくは、踏み跡の上を歩いたが、長七郎山の山中へと方向を変えていた。でも長七郎山の登山口も近く、小沼尻もすぐそこだ、11:48着。
  
長七郎登山口付近から荒山                                沼尻から小沼と黒檜山


 沼尻から小沼の道路へ出るまでも雪は深く、時々深みにはまる。今日初めてのハイカーと出会う、楽しそうに雪道を歩いている、「こんにちは」、「こんにちは」で通り過ぎる。突然爆音響いた、スノーモービルである、小沼へ走り出した、早い、楽しそう。12:09八丁峠着、昼食とする、地蔵を見上げると5,6人の歩いている姿が見える、登りの人、下りの人の歩き方から1時間も山頂までかかるまい、やっと、ここで時間が見えてきた。12:18地蔵岳の登につく、真っ直ぐアンテナの方向に踏み跡は延びている。やはり、時々深みにはまる、東斜面なので充分日差しを受けて、溶けているに違いない。4/5位登ったところから、等高線に沿ってちょっと歩き、山頂目指して最後の30mほどを一気に登った、山頂着12:57。まず、上越国境の山々が目に飛び込んできた、草津方面、そして浅間山まで、真っ白な山容である。また青空の下で、大沼と黒檜山もコントラストを付けている、13:15新坂平方面の下りにつく。
  
  八丁峠から黒檜山                                   地蔵岳(途中9より小沼

  
 地蔵岳山頂から大沼と黒檜山、駒ヶ岳                        上州武尊山

  
   尾瀬方面、左至仏山、右燧ヶ岳                          鈴ケ岳と背景は苗場山と上越国境の山


 雪の量は多いところでは1m、平均して60cmくらいだろうか、急斜面を一直線に下る。この楽しみはここを歩かないとわからない。時々こけるけれど、これも楽しい、面白い、童心にかえる。ここも誰も踏み込んでいない、いや、踏み跡はかき消されたのだろうか。一人で歩いているのはもったいないくらい、貸し切りだ。適当に樹林帯の中を蛇行してみる、勾配のきついところを真っ直ぐ下ってみる、これがまた楽しい、時々顔にかかる枝を払いながら高度を下げて行く。ゆっくり遊びながら下ったが、13:54新坂平に着いた。忠治温泉からの約7時間の山行は、ほぼ計画通りここで終わった。予定のバスの時間までに2時間弱ある、急遽ビジターセンター(始発)まで歩くことにした。ヘアピンの道路は白樺の林をショートカットして、赤城少年自然の家付近からは真っ直ぐ凍結した大沼へ、湖上ハイクを付録しバスにゆられて帰路につく。
  
積雪はこんなもの                                     樹林帯の中の道


  
雪の白樺林                                         光と影(根っこのようでもあるし、動的な様相も見せている)


  
 赤城少年自然の家付近から黒檜山                         ワカサギつりと湖上ハイク、後ろは黒檜山



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