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雄山・大汝山・真砂岳・別山(立山 2日目) 立山三山に戻る

山行日
    2003年9月17日     晴れ    単独

コース
    2日目:雷鳥沢野営場→一ノ越→雄山大汝山真砂岳別山→剣御前小屋→雷鳥沢野営場→室堂ターミナル

 2日目のコースで、一ノ越〜剣御前小屋〜室堂ターミナル間は1998年7月に、テント2泊で剣岳を含めたコースで歩いているから、2度目である。5:30テント場を出発する、橋を渡り大走・一ノ越方面の道標を確認して右折、河原を渡って、5:36大走の道を左に分ける。1本目の沢を渡った所で、テント場は浄土川をはさんで反対側である、直ぐに古い渡渉の道と合流する。5:40、2本目の沢を渡ると、小さい地蔵様が六体、コンクリートの枠の中に安置されていた。「下から見える」、と温泉の方が言っていたが、確かにコンクリート枠は見えていた。

 間もなく、緑のトンネルを抜けると、開けた所に出た、日が差す前の雄山と浄土山を写す。地形的には浄土川と最後に渡った沢との間を、雷鳥平方向に張りだした小さい尾根を緩やかに歩く。やがて雄山の西斜面に取り付きジグザグに進む急登となる。一登りすると岩石の間をペンキのマークに沿って進む、浄土山には朝日が差し一ノ越も見えてくる。浮石がカタカタ鳴る、注意しながら蛇行を繰り返すと、昨日確認しておいた目印の地蔵様の所で石畳の道に出た。下山してきた人に会う、「3時ごろ室堂を出て、ご来光を見てきた、綺麗だった、最高!」、と興奮気味に話していた、6:39一ノ越着。
  
 浄土川の橋を渡って右へ                      御地蔵様、コンクリートの枠の中に

  
 雄山                                  浄土山

  
  ホツツジが咲いていた                       龍王岳に日が差す

 20人ほどいた、雄山へ登る人、浄土山へ登る人、下る人が交差する、さわやかな朝である。遥か南には槍ガ岳が霞んでいる、天を刺す龍王岳の黒い岩肌がくっきりと見える、雪渓も輝く。小休止して雄山へ向かう、結構な急登である、道が複雑になっているところからシーズン中の混雑が想像できる。上を歩く人が点々と見える、私が早いのか、どんどん接近する。恥ずかしながら、「お先にどうぞ、・・・」、と言われて先に出る。山肌がザレていて崩れやすく、歩いている人が多いので落石でも起したら大変だ。

 時々立ち止まって、変化していく山塊に見入る、薄い雲が浄土山の上に、ひと登りして振り向くと全く変わった情景を映し出す。雲と光が山肌を演出する、ガスってしまったらつまらないものだが、雲は静的な情景に動的な感じを与えるからだろう。7:06、中間だろうかちょっと勾配が緩やかになる。一ノ越から石仏?やら祠が点々と登山道沿いに祀られている、山岳信仰で雄山を訪れる人たちは多いという、7:22雄山山頂(三角点2991.6m)着。

 山頂の景色はすばらしい、遠く霞む北アルプス南部の峰々、逆光に映える後立山連峰、西の眼下に広がる室堂平、地獄谷、天狗平、疲れも一気に解消する。社務所前から、雄山神社峰本社脇を通る、礼拝者を前に神官が「・・・カシコミ、カシコミ・・・・」、この情景が絵となっていた。縦走路はここから下降して、本社の裏手に回る。北の視界がパッと開ける、シルエットの大汝山が右手に、そして真砂岳、別山、剣岳と並ぶ、圧巻である。どちらかというと白っぽいやさしい感じのする真砂岳と別山、その奥に控える黒い険しい岩肌の剣岳、大自然に感動するビューポイントである。
  
真中に槍ガ岳が見えてました、一ノ越から            同じく、天を刺す龍王岳

  
龍王岳、浄土山                             龍王岳、浄土山

  
 雄山山頂から、龍王岳〜五色ガ原の山並み          雄山山頂3003m、鳥居から奥は有料

  
 同じく、槍ガ岳を遠望                        同じく、北に剣岳

  
同じく、大汝山 3015m                       同じく、手前から真砂岳、別山、剣岳

 ザレた斜面を岩を伝わりながら、少し下って岩場を巻きながら登り返すと立山連峰の最高峰大汝山3015mの山頂に着く、7:41。360度の大展望である、薄い雲に浮ぶ北アルプスの象徴槍ガ岳、ぱっくりとカールを見せる黒部五郎岳、丸く尖った笠ケ岳、いずれも特徴ある山だ。後立山もそうだ、針ノ木岳、鹿島槍ガ岳、そして白馬岳が霞む。7:56山頂の岩場を後に縦走路へ戻る。
  
 大汝山付近から、三段に見える、真砂岳、別山、剣岳      大汝山直下

  
大汝山山頂、後ろが剣岳                    大汝山山頂から雄山山頂、本社後ろの雲の中に薬師岳

  
 同じく、中央に槍ガ岳が見えてました               同じく、シルエットの針ノ木岳とスバリ岳

  
 同じく、鹿島槍ガ岳                          富士ノ折立(右、2999m)、左奥が剣岳

 大汝山の北側の平坦な場所に大汝休憩所がある、脇を通ってなだらかな稜線歩きとなる。左手には室堂平、天狗平の台地が広がり、一角に張り残された私のテントが白い点となって肉眼で見える、水平距離にしたら2km程度だろう。間もなく、正面に富士ノ折立が迫ってきた、黒い荒々しい感じのする岩山である、標高2999mというから後ろに控える剣岳2998mより1m高い。でも国土地理院の資料(標高2 2500m以上の山)では、立山という表記として大汝山3015mで、雄山3003m、富士ノ折立2999mは大汝山の一部として表記されている。一方、剣岳2998mは前剣2813mを含めた山塊として表記されているのである、ついでに間にある真砂岳2861m、別山2874mは独立峰である。ちなみにもう一つ、昨日登った龍王岳は標高2872mで、浄土山2831m、鬼岳2750m、獅子岳2714mを含む山塊として日本の山の標高38番目に表記されている、このように山の定義も難しいものである。8:05、富士ノ折立の直下を左に巻いて、ザレ場を下る。
  
剣岳(左)より1m高いのに山に入れてもらえない富士ノ折立  こちらはいずれも独立峰、手前真砂岳、奥が別山

  
眼下に室堂平、天狗平を一望する                富士ノ折立、北側の鋭い斜面

  
  真砂岳、山頂は右奥                        別山、山頂は中央

 8:22、真砂岳と富士ノ折立の鞍部に到着、雷鳥平へ下る大走への標識を見る。見渡すが道らしきものはなかった。ここから3,4分進んで登りにかかる所に、また雷鳥平へ下る標識があり、ここからは斜面に沿って踏み跡がはっきりついていた、ここは山渓の登山地図に書かれたルートと一致している。ここから60mばかり砂礫の道を登ると、遠くから見えていたケルンに着く、8:34。ケルンのすぐ所にも、雷鳥平へ下る標識あり、ここに“雷鳥沢(大走ルート)2.5km、富士ノ折立0.4km、真砂岳0.4km”、の道標があった。位置的には1/25000地形図と一致しているが、明らかに富士ノ折立と真砂岳の中間地点ではないと思う。

 ケルンから真っ平な道となる。右下の内蔵助カールの向こうに内蔵助山荘が見える、縦走路からの距離は200,300mと見るが、下から延々と歩いて来る人達にとっては、ここまで来るとほっとすることでしょう、8:38真砂岳着。ここから別山へのルートは左よりに進む道もついているが、真っ直ぐ進み内蔵助山荘への道を確認する。真砂岳から標高差で約100m下って鞍部2750mに出る、8:51。雷鳥沢を介して大日岳へ続く長い稜線が魅了する。小さいピークを巻いて登りにかかる所で別山の巻き道を分ける、9:06。残雪時の滑落注意が道標に書かれていた。
  
 真砂岳の緩やかな山頂                       稜線の向こうに大日岳

  分岐点からしばらくジグザグに砂礫の急登となる、距離的には目と鼻の先、9:16、別山山頂、2874m着。山頂には岩石に囲まれた社が北向きに祀られている。北は剣岳の方角である、一礼を拝し、薄い雲のベールに包まれた剣岳を撮る。なだらかな山頂を北東の先端2880mまで歩く。剣岳から落ちる沢を集めて、剣沢は下っていく、仙人池はどの辺になるのだろうか、霞んでいてはっきりしないが、何時かまたの機会のためじっと見入る、あの辺が二股で・・・・・・。
  
 別山山頂                            別山山頂から真砂岳〜浄土山

  
 同じく、剣岳                             同じく、剣御前2777m(独立峰)

 9:47別山を下りはじめると、剣御前小屋が足元に、振向くと別山の左に白馬岳・旭岳を遠望した。9:53真砂岳からの別山巻き道と合流、右手は剣沢へ直行するルートが延びていた。小さいピークを越えて、少し下ると剣御前小屋である。小屋の直前で荷役作業のためヘリコプターが上空に接近してきた、荷物は一瞬のうちに下ろし、剣沢方面に降下するかに思えた。次の瞬間雪渓に人を降ろし、すばやく飛び去った。ヘリコプターは大型で窓から数人が確認できた、遊覧飛行を兼ねて荷役作業しているのだろうか? 降り立った人に費用を尋ねたら、返答はなかった、10:10剣御前小屋着。
  
 別山下山路で、遠く白馬岳(右)、旭岳(左)           同じく、剣岳

  
 別山乗越(剣御前小屋)はすぐそこ                 別山山頂を振向く

  
 剣御前方面                               剣御前小屋付近から別山

  
 ヘリコプターの荷役作業、剣御前小屋で            次は小屋の人が雪渓に降り立った、背景は剣岳

 乗越からしばらく急坂をジグザグに下る、と男性がしきりに斜面で探している。尋ねると、「ヘリコプターに帽子を飛ばされてしまった、同色のせいか見つからないのであきらめた」、という。気の毒に、薄い髪をさらけ出したら、後で・・・・・・と思ったが。時々汗だくになって登ってくる人達に会う、「暑いですね、頑張って下さい・・・・」、と決り文句の会話。でも、通じ合うもので、心なしか足取りが軽やかになるのは不思議だ。

 だいぶ降下して、まじかに雷鳥平のテント場が視界に入ってきた。先程のヘリコプターが今度はキャンプ場の管理事務所の前で荷役作業をはじめた。資材を被っていた青いシートが、はがされて大きくなびいている。私のテント大丈夫かな、テントの位置とは距離があり影響ないようだ、10:57、浄土川にかかる橋を渡る、11:00テント場着、朝出発してから5時間30分の山行であった。
  
 乗越方面を振向く                         テント場近くでヘリの荷役作業、テント大丈夫?

  
 浄土川にかかるテント場近くの橋を見下ろす         川沿いの大日方面と剣御前方面の分岐点

 テントを撤収して小休止、11:40帰路につく。荷物は軽くなっていないが、2日目の惰性だろうか、重量感を感じない。石段で点々と休んでいる人を見かける、あの人達とあまり差はないな、と変な自信をもつ。でも、2回途中で立ち止まった、12:24、今回の全行程を終って室堂ターミナルへ着いた。一日目:3時間51分、二日目:6時間14分、合計総所要時間は、10時間05分であった。天気に恵まれ、充分山行を楽しめた2日間であった。

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