★気ままな男の山歩きHOME 山行記録(日付順 ) 山行記録(山域別) 走れ!“忠治”★ sub3-69 小地蔵岳・長七郎山・地蔵岳(赤城山) |
山行日 2003年1月18日 ほぼ晴れ 単独 コース 鳥居峠→小地蔵岳→長七郎山→小沼→地蔵岳→大沼→キャンプ場→大沼→覚満淵→鳥居峠 赤城山をこの時期(積雪・凍結期)でなければ出来ない歩き方をしたいという、愚かな夢がありまして決行した。その歩き方とは、地図上の平面投影で出来るだけ一直線に、幾つかのピークと湖面を歩く雪上・氷上ハイクである。コースとしては、上のポイントを直線で結び(破線)、歩いたコースを地図上に書いてみた(赤線)。勘どころが悪く、地蔵−キャンプ場間で120mほど赤城少年自然の家よりにずれたのと、スケート場・土産物店等あり迂回した意外はほぼ予定通りのコースを歩いた。これは個人的には面白かったが、お薦めできないことを記しておきます。 コース詳細: 国土地理院 1/25000 赤城山 地形図を使用 真っ赤に登る朝日に今日の好天を祈って、7:20鳥居峠を出発する。小沼へ至る登山道へ入ったところから、小地蔵岳を一直線で目指す。このところの暖かさで赤城の裾野の雪はだいぶ溶け、日だまりでは山肌が1000m附近まで露出している所があった。ここは北面であり積雪は70cmは超えている、おまけに吹きだまりあり、雪質が固ければ良いのだが、中途半端でズボッと入ってしまう。急斜面は膝を胸近くまで上げないと、先へ進むことが出来ない。深いところは膝で雪を押しつけ、2モーション目で踏み込んだ。大木は巻く、密生した小木も進路を妨げる。1時間あまりの奮闘の末やっと平坦な所に到着、一息入れた。間もなく輪カンジキの踏み跡も新しい小地蔵岳着、8:33。 平坦になると歩きやすいと思ったら何のその、踏み込む感じに神経を使う。同じ状態で体に感じるのであれば、バランスも取りやすいし、次の歩行が読める。しかし、積雪は一様でないし、岩石や倒木もあり足を取られたり、中間に凍結した部分があり体重を支えられる所もある。小地蔵岳分岐まではカンジキの足跡と交叉する。ここからは登山道は稜線づたいに進むが少し下って、長七郎山まで登り返す。積雪の少ない岩場に足を取られる、挫かないように慎重に足を運ぶ。稜線に出て見渡すと山頂は10mばかり後方であった、9:13着。 山頂は風が強いのだろう、雪が飛ばされてしまって岩石が露出している。雲が多くなってきているが、赤城のピークは全てきれに見えている、心配ないだろう。榛名山、上州武尊山、袈裟丸山は霞む。長七郎山山頂から、地蔵岳の目標を見当付ける。地図上では八丁峠の延長線上に地蔵岳の山頂がある。しかしここからは、八丁峠が見通せない。ちょっと手前に電柱が見えた、八丁峠とは若干ずれるが、目立つのでこれに決めた。 長七郎山西の急斜面を下る、いい感じである、スイーッ、スイーッ、10分ほどで湖面に出た。長七郎山と電柱、地蔵岳を見て、小沼の西岸の目標物を見当付ける。湖面の雪はどうなってしまうのだろうか、積雪がなく氷が露出しているところもある、氷面もガタガタといった感じ。対岸に9:37着く、振り返ると、湖面に付けられた一直線の足跡が長七郎山へ向かって綺麗に伸びていた。再び深い雪に悩まされる、一直線は余計なアップダウンをさせてくれる、窪んだ道、枝沢、そして最後はガードレールの乗り越えだ。 ピッケルも隠れてしまう積雪 木の間から朝日に輝く駒ヶ岳山頂部 小地蔵岳少し手前の平坦な場所 黒檜山(奥)と駒ヶ岳(手前) 小地蔵岳 小地蔵岳分岐、樹林帯の向こうに地蔵岳 長七郎山山頂、岩が点々と露出 奥から黒檜山・駒ヶ岳・小地蔵岳、長七郎山山頂から 地蔵岳、長七郎山山頂から 小沼氷上より地蔵岳 目標の電柱から八丁峠までは道路を歩く、9:50着、1台の車を発見、山歩きだろうか? 登山道には沢山の足跡があった、30mほど踏み固められた雪上を進む、歩きやすい。ここから山頂までが本コースの山場だろう、昨年2/16歩いた時も往生した所だ。例によって目標を定める、山頂近くだろうか緑の樹木が目に入る、これに決めた。傾斜もきつい、張り出した枝につかまり、ピッケルを引っかけたりして、全身で我が身を持ち上げる。登山道にカメラをかまえた男性が1人先ほどの車の主か、何やら上方を向け狙っている、こちらに気付いてじっと見ている。灌木の茂みを抜けると視界も広がり、コメツツジの群落となった。乗り越えたいところだが、間をかきわけて登る。 八丁峠から奮闘すること1時間あまり、目標の緑はゴヨウマツだった、傾斜も緩み山頂も間近なようだ。いつの間にか晴れ上がり、絶景の雪景色を見ながら、ちょっと早いが昼食をとりながら堪能する。凍結した小沼に付けた靴跡が、真っ直ぐ長七郎に向かっているのがここからも見える。小沼の右手に、血ノ池が白く窪んで見える、その向こうは山肌がV字となている、多分銚子の伽藍附近だろう。黒檜山から駒ヶ岳にかけての稜線が、ここからは長く見えて、連なっている光景が興味をひく。 八丁峠より黒檜山 黒檜山、地蔵岳東斜面山頂直下より 小沼周辺、地蔵岳東斜面山頂直下より 血ノ池(中央の白い部分)、地蔵岳東斜面山頂直下より 傾斜は緩んでも体への負担は軽減されない、ズボズボで股下まで入る深さだ。小さい起伏を3,4つ乗り越えると山頂の景色が広がり、道標が目に入る。登山道の踏み跡と交叉して、本日の最高峰地蔵岳山頂着である、11:08。遠望は利かなかったが、赤城の峰の展望はグッドである。天気も予報していたより回復が早かったようである。ここも山頂部の積雪は少なく、三角点は雪をかぶっていなかった(どなたか払ったか?)。地図で目標を確認する、目指すは厚生施設のある中間地点でキャンプ場だが、ここからは見通せない。とりあえず、前方北側に張り出した尾根の僅か下を目指す、11:16。 下りは楽しい、粉雪を蹴りながら樹林帯を下る、深い雪も何のその、あっという間に60mほど下り平坦なところに出る、稜線の僅か下の窪地である。深ーい雪だ、腰も沈む、稜線まで一帯が真っ白、西に姥子、鍬柄、鈴ケ岳が連なってる面白い光景が気に入った。しばし雪景色に見入る、稜線に出て目標地点を見定めることにした。積雪もここまで来るとあきらめの境地、下るのみである。稜線の手前で、スノーボードをかついだ男性二人に出会う、天辺から滑り降りるのだろう、お互いにご苦労様の話しである。この地点は登山道が右手にまがり駐車場まで一気に下る位置である。 目標を緑の三角屋根のロッジの方向に取った、ここから急斜面を再び下る、地図上では水平距離250mに対して150m下ることになる、角度で30°強の斜面である。ここも快調に雪を蹴り、大木のコナラを巻き、倒木を乗り越えて下降する。標高差で200mほど下ると平坦な地形となり、白樺の林に出る、ここは初夏の白樺の美しい所だ。ここから湖畔まで500m位の距離がブレーキをかける、周辺を見る余裕がない、足を運ぶのに精一杯。小さな沢を渡り、自動車道を横切り、ヘンスを乗り越えて再び雪原を横断してやっと大沼の湖畔に立つ、12:46。なんと地蔵の山頂から1時間半を要した、急斜面は合わせて20分そこそこだったと思うが。 地蔵岳山頂間近 地蔵岳山頂 地蔵岳直下から赤城の西方の外輪山 樹林の真っ直中から大沼と北方の外輪山 平均斜度30°強の地蔵岳北側の斜面 ダケカンバの大木が枝を大空に伸ばす 湖上におりた地点は予定のコースから120mほど東に寄っていた、足元に気を取られたためだろう。目標のキャンプ場を目指して湖面を渡る、湖面では、あちこちに、ワカサギ釣りの小さなハウスが集落をつくっている、魚の回遊するポイントなのだろうか、経験なのだろうか面白い光景だ。そりで物資(釣り用?)を運搬する2人に会う、曰く「疲れるんだよな、腰がいてーっ」。湖面の雪が温かさで溶け出し、アイゼンの間に挟まってコケそうになる。時々ピッケルでたたき落とす、アイゼンをはずした方が良いのだろうが、面倒だ、13:08対岸のキャンプ場着。 岸辺には、そりを履いた蔵(釣り道具等々格納する)がいっぱい建っているではないか、頻繁に訪れる人の別荘というところかな? 向きを変えて南東の方向に鳥居峠を見る、あと水平距離で2.5kmだ。ここで不思議な音に気付く、時々ボコボコボコーンという音が足元近くで聞こえる。耳を疑うが確かな音だ、どうも氷の下から発しているようだ。一面覆われた下で、波が立つのだろうか? どこかに開口部があり、流入する水が波を起こし氷をたたくのだろうか? いろいろ想像してみるが不明である。 目標方向のキャンプ場 湖上から黒檜山 対岸のキャンプ場 出発点の鳥居峠(一番低いところ)を見る、2.5km先 湖上より赤城神社 黒檜山をバックにワカサギ釣りをする人達 覚満淵入口 覚満淵の北側の草原? 東岸よりの湖上は釣りとスケートで賑わっていた、レンゲツツジと紅葉の季節につぐ賑わいだろうな、スケート場附近から予定のルートをはずし、13:37東側湖畔に着く。道路を通って覚満淵へ出た、西の堰堤付近から湿原上を峠目指して直線に進む。ここも深かった、残るエネルギーを燃焼させ、雪を漕いではい上がると、最終目的地の鳥居峠に出た、14:28着。合計所要時間7時間8分の雪上・氷上ハイクは疲れたが楽しかった、今日は良く寝られるだろう。 |
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