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大平山・晃石山

山行日
    2004年4月5日  晴れ   単独

コース 詳細はこちら
    市営駐車場→大平山神社→大平山→晃石山→桜峠→清水寺→大中寺→市営駐車場

 大平山の桜峠のヤマザクラが見たいと某1氏の掲示板に書いたら某2氏がもう咲いてるよ、とメール送ってくれました。予定は仙人ケ岳となっていましたが、ハシゴしちゃおうか、となりまして少し早起きして車を走らせました。大平山が見えてくると白い所が見えるじゃないですか、見渡すと日光の山々は真っ白、昨日は山は雪だったんですね。

 6:22市営駐車場出発、あじさい坂に入ると左手にニリンソウの群生地がある、時間的に早いせいか開いていない。静まりかえった杉森に靴音だけがコツコツと響く、人気の無い早朝の散策路である。謙信平から下界を一望、山裾の果樹ハウスの向こうに岩舟山と三毳山、春霞の中にうっすらと富士山の姿を見た。屋根に雪の残る大平山神社に一礼を拝して、6:42杉と檜の森の中へ進む。樹間から見る栃木の街は霞み、朝の活動と車の音が聞こえてくる。緩やかな登りが暫らく続くと富士浅間神社への分岐点にさしかかる、6:47。晃石山へは左へショートカットできるが、直進して100m先の大平山山頂341mへ、6:50着。

 山頂にはお社があり、案内板には“・・・。大平山神社の北西の高地から富士浅間神社山頂に至る尾根を利用して大平山城が設けられていた。・・・”、と記されてあり、山城の跡のようだ。現在は杉や檜、椚や桜に囲まれ展望はまったくない。ここから下ると直ぐに先ほど分岐した巻き道と合流する、6:55。更に林道と接近しアンテナのあるピークへ向かう、展望が利きそうに見えたのでついでにアンテナの下まで進む7:05。青空に見上げる施設は立派なものだが、ヘンスで閉ざされ展望を楽しむどころではない、周囲を見渡したが見通せる所はなく登山道に引き返す。コンクリート壁に張出したヤマザクラは半分ほど咲いていた、日溜まりのヤマツツジも葉を伸ばし赤い花を沢山つけていた。
  
 謙信平から山麓を見渡す                    大平山神社

  
 電波塔付近、展望利かず                    もう、ヤマツツジが咲いている


 ここから少し下ると、大中寺へのルートが分岐している、ぐみの木峠7:10着。平坦な峠にはシャーペット状の雪が残り、傍らに咲くモミジイチゴの白い花が季節の感覚を混乱させていた。登山道は、杉檜の樹林の中を緩やかにアップダウンを繰り返す。林床の低木、アオキが真っ赤な実を残し、次の花をもう咲かせている。道は、やがて勾配を増し、たどり着くと一等三角点のある晃石山山頂419.1mである、7:32。僅かに南に開口したポイントから三毳山方面を望む、北へまわって雲間から日光白根山と男体山を望む、小休止して南へちょっと下り晃石神社へ立寄る、7:39。四面木々に囲まれた薄暗い社に積もった雪が輝いていたのが印象的だった。西方向にトラバースし、晃石山から西へ尾根伝いに来る道と合流し、展望のとれない山道のアップダウンを繰り返す。4つほど越えただろうか、手すりの設けられた急坂を下るとまもなく桜峠に着く、8:00着。

 桜峠には立派なお休み所があり、ハイカーを待ち受ける。ここは表東山道と裏東山道との連絡路で山桜があるところからこの名がつけられた、と記されていた。東山道は、古代の律令のよる官道の一つで、近江国勢多駅を起点とし、美濃国・信濃国・上野国・下野国を経て陸奥国に通じていた道だそうだ。山桜といえば、ここには5,6本根元から分かれた大木がある、この桜を見に今日は歩いたのである。南に張出した一番大きな枝は満開に近い、全体として五分咲き程度である。ヤマザクラは樹林帯の中にあって、高く枝をのばし、淡いピンクの花を下向きにつける。芽吹き前の一瞬を飾るヤマザクラには、何かと重なってか、魅了される。

 ここから2,3分東方向に下ると、せせらぎのチョロチョロとたてる音に耳を澄ます、そしてほどなく横断する。雪の降ったせいか、水量が多い、二つの沢が合わさり水量を増し道から離れていった。振り返れば晃石山が芽吹き始めた東斜面に、その姿を残していた。ヤブツバキの赤い花、薄黄色のキブシ、真っ赤なアオキの実、パッと賑わうヤマザクラ、足元に咲くタチツボスミレ、下山路も結構楽しいものだ、8:19舗装道路に出る。
  
 春の雪と晃石山山頂の祠                    山頂より三毳山方面

  
 山頂北側より雲間に男体山、日光白根山          晃石神社

  
 手すりのついた急坂を下る                   桜峠とヤマザクラ

  
  大きな枝を見上げる                      アオキ、実と花を一緒につけていた

  
 振向けば晃石山                         青空にヤマザクラが映える

 清水寺の前を通って200mほど道路を歩くと関東ふれあいの道が分岐する、ここへ入り、道なりに進む。道は曲がりくねっているが、標識が頻繁に出てくるので間違うことは無い。しばらく道なりに進むと再び道路に出て鋭角に曲がり遊歩道を2,3分歩くと大中寺方面は左折する、8:50大中寺門前着。一歩踏み込むと、大きな杉木立とアジサイの間の石段、真正面に構える門と本堂、そして門越しに見る大きなヤマザクラに圧倒される、心身の緊張感を感じる。桜を撮る数人のアマチュアカメラマン、光線の具合と、アングルに苦慮しているようだった。寺の歴史からくる重みだろうか、しばし落ち着いた雰囲気にしたることが出来た。比較対照は別として、いい寺だった、またゆっくり来よう。

 9:04門前に戻って、大平神社まで3.1kmの道標を見る、山裾を巻きながら少しずつ高度を上げていく。立派な散策路はできているが、今日は貸切状態だ、植えられたしだれ桜の幼木もこれから開花をむかえる。道端に咲くタチツボスミレ、ジュウニヒトエ、ヘビイチゴの花も鮮やかだ、9:31謙信平のちょっと上で道路に出た。あじさい坂を下り、出発地点の駐車場へ9:40戻って大平山の桜見物山行は終わった。
  
 大中寺                                本堂

  
 大中寺の門かぶりのヤマザクラ                道端のタチツボスミレ

 総所要時間は3時間18分であった。稜線のヤマザクラはちょっと早い感じだが、色合いからするとベストだった。このコースは自然と歴史、中身の濃い楽しいコースである、これからヤマツツジ、新緑萌える5月、アジサイに彩られる6月、お薦めですよ。さあ、仙人ケ岳へ車を走らせよう。

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