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女峰山

山行日
    2003年11月23日    晴れ    単独

コース
    志津→大真名子山→鷹ノ巣→小真名子山→富士見峠→帝釈山峰山→唐沢小屋→馬立→志津

 週末の天気は、寒波到来北関東北部山岳地帯降雪の予報、雪景色を求めて奥日光へ。日光白根山方面は厚い雲の中、しかし男体山、大真名子山、太郎山は夕日に染まっていた。志津まで入り雪の降るのを期待して車中泊。

 夜中に幾度となく目覚め、凍りついた窓ガラスを拭いて眺める夜空は満天の星。1台また1台、7,8台の車が入ったようである。6:15、下はオーバーズボン、スパッツ、上はウインドヤッケと耳カバーのついた帽子、ピッケルを持ち、アイゼンをザックに入れてスタート。コメツガの樹林帯に入る、予定コースは、標高で志津1785m、大真名子山2375m、鞍部の鷹ノ巣2110m、小真名子山2323m、下って富士見峠2036m、帝釈山2455m、女峰との鞍部2430m、女峰山2483m(三角点のある東側ピークは2464m)、下って裏見ノ滝方面分岐1725m、林道に出た地点の馬立1800m、野州原林道分岐1683m、累計標高差はざっと1452mである。志津から富士見峠までほぼ北に進み、そこから女峰山まで東方向に進み、女峰から西よりに南下しながら林道合流点まで下り、そこから若干登りながら西進して1周する。

 20分ほど歩くと樹林帯の間から、朝日で赤く染まった男体山とその奥に日光白根山が顔を出す、白根山付近は薄っすらと雪を頂いていた。再び樹林帯に入り、時々落葉広葉樹の間から山容を覗かせていた。7:23銅像のある岩場で突然眺望が開ける、小休止、戦場ヶ原の背後に連なる栃木・群馬県境尾根、眼前に鎮座する男体山、遠望する赤城・榛名の山塊、青空の下くっきりと美しさ姿を見せていた。吹く風は多少冷たさを感じるが、オーズボンとヤッケ、帽子をとり身軽になる。ここからは少し緩やかになり、2つ3つ鎖場を登ると、岩場に囲まれた山岳信仰の色濃く残る大真名子山山頂に着く、7:49。
  
 朝日に輝く男体山                           朝焼けの日光白根山

 山頂からは、南には朝靄に包まれた日光市内方面の低山が重なり、隣には巨体(男体山)がズシンと構え、戦場ヶ原を介して雪をかぶった日光白根山が四方に伸びる尾根筋の頂きに立つ。その稜線を北の方向へたどると、金精山と温泉ケ岳の間に尾瀬の至仏山が、その右に見える太郎山の上に燧ケ岳がちょこんと見える、空気が澄んでいるせいか真近に感じる。南東の方向には、これから向かう帝釈山、女峰山、赤薙山から霧降高原の山が一つの山塊として構える、その中心に突き出た女峰のピークが存在価値を思わせる。志津との標高差600mがすばらしい景観をつくり、ダイナミックに展開する。シラビソの斜面をジグザグしながら下る。
  
 戦場ヶ原と日光白根山、大真名子山山頂から        同じく、朝靄の日光市内方面

  
 同じく、ズシンとかまえる男体山                同じく、帝釈山〜女峰山〜霧降高原方面

  
 同じく、金精山の右手に尾瀬至仏山              同じく、太郎山左上に尾瀬燧ケ岳

 鞍部に近づくにつれてシラビソの混在するコメツガの樹林帯となり、270mほど急坂を下り、平坦な鞍部、鷹ノ巣に着く、8:30。南に面した方向には女峰山の山頂が幼木のシラビソ越しにチラッと、振り向けば大真名子山も樹林の中に輪郭を青く映していた。明るく一休みしたくなる森林の真っ只中である。

 ここから大きなコメツガが点々、幼木の密生する斜面を210mほど急登すると、山頂が近づくとシラビソが密生する、間もなく小真名子山の山頂に出る、9:08。ここから少し東に進むと、眺望が開ける。三角点と電波の反射塔がここにある。大真名子山方向を除けば、ここもすばらしい展望だ、複雑に変化する地形に、自然の景観が新たな感動を与えてくれる。先ほど追いついてきた男性が食しながら、「燧ケ岳が近くに見えるなあ・・・・」、としきりに話していた。
  
 小真名子山山頂                       三角点のある所から、帝釈山、女峰山

  
 同じく白根山方面                        同じく燧ケ岳を中央に見る

 ここからガレ場を富士見峠まで一気に300mほど下る、ここは春先はツガザクラが咲いて楽しめる所だが、アイスバーンになっていたら危険な所である。その時期に歩いたことはないが、今回は雪もないし凍ってもいない、踏み跡を拾いながらゆっくり下る。ガレ場を抜け平坦な道に出るとすぐ富士見峠である、9:39峠着。昨年6月霧降の滝から入り、女峰山から男体山を縦走、中禅寺湖畔ニ荒山神社へ下りた時にテントを張った場所だ、懐かしい。見渡せば、食事中の男性が一人、道標が静かに建っていた、北方向野門(ノカド)、南は裏見・志津、西が小真名子(コマナゴ)山、東は帝釈山の分岐点である。

 先ほどの男性も到着、ほとんど同時に帝釈山の登りにかかる、シラビソの樹林帯で眺望はない、上へ上へと進むだけだ。見上げるとすぐに、樹林帯を抜け、山頂のような錯覚を覚える。不思議な感じがして良く見ると、青いテープが所々で巻き付けられている、その青い色が空の色に見えてしまうのである。これを数回繰り返し、やっと樹林帯を抜けると、黒い溶岩の帝釈山であった10:39着。

 ここも素晴らしい眺めだ、一周360度の絶景だ。まず、女峰山が独立峰らしくなった、切り立った山頂が存在感を誇示しているかのように見える。振り向くと、男体山と大真名子山、そして右手に小真名子山、太郎山、後ろに日光白根山の山々。さらに根名草の後ろに至仏山から燧ケ岳にかけての尾瀬の山並み、 女峰山の左手には鶏頂山と釈迦ケ岳、鬼怒川の山々が雲海に浮ぶ。眼下には、川俣湖、五十里湖、航空写真を見ているようだ。
  
 帝釈山山頂から男体山、大真名子山              同じく、小真名子山、太郎山、後ろに日光白根山

  
 同じく、根名草の後ろに至仏山〜燧ケ岳           同じく、女峰山

  
 同じく、鶏頂山と釈迦ケ岳                     同じく、小真名子山、後ろに日光白根山

 ガスが男体山の南側を薄っすらと包む、女峰山に向かってやせ尾根を進む。まじかに迫った女峰山をじっくり見ながら、小さいピークを3つほど越え、小さく岩場をはい上がると女峰山山頂である、11:17着。7,8人の先客がいた、唐沢小屋方面から来た人たちのようだ、2つ隣に駐車した横浜から来たメンバーも着いていた。とがっている山頂は狭い、首根っこが絶景を追う、見入る、持ち合わせの食料を全部たいらげる、隣に居合わせた人が言っていた、「いつもの年なら、今の時期20cmの積雪がある、今年は・・・・」、と。
  
 女峰山はもうすぐ                           直下の鞍部付近から山頂

  
 振り向けば帝釈山も堂々とした姿を               女峰山山頂直下

  
女峰山山頂から三角点のあるピーク               同じく、小真名子山、後ろに日光白根山

 山頂を後に、南方向、唐沢小屋方面にガレ場を下る、ここも歩きにくい所だ、ここから見上げると山頂にはあの雄大な山容はまったくない。ただ、崩落する小石の音がカチカチと聞こえる。ガレ場を過ぎるとほどなく唐沢小屋である、11:55。次のガレ場を眺めていると、抜きつ抜かれつで来た男性が再び先に出る。
  
 直下の南斜面のガレ場                      唐沢小屋下のガレ場(ここは横を通過)

 水場を過ぎて沢を渡って、また私が先に出る、競争しているわけではないが、ペースが似通っているのである。コメツガの樹林帯を沢に沿って下る、樹林帯といっても大きなダケカンバが混在し、所々で歩いてきた山並みが見える明るい山道である。しばらく下って堰堤を2つ越すと、間もなく裏見の滝方面の道が分岐する、12:42。ここで沢が合流している、左の沢は女峰山直下のガレ場へ通じ、右の沢は富士見峠の方へ向かっている荒沢である、今の時期左右とも流れはなかった。荒沢を渡り、70,80m急斜面を登ると林道へ出る12:53、登山書ではここを馬立としているが、ここにはその標記はない。
  
 裏見滝分岐点付近から小真名子山              同じく女峰山

  
 裏見滝分岐点                           林道へ出た地点(馬立)

 ここから志津まで林道歩きがはじまる、野州原林道の合流点まではだらだらと120mほど下る、そこから志津まで緩やかに100mほど上る。何とも仕方ない林道歩きである、13:16野州原林道の合流点着、13:26シャダンキ、出発点の志津13:45着。女峰山一周の山歩きは終わった、総所要時間は、7時間30分であった。2年前に同じコースで5時間40分で歩いているが、天候が悪くほとんど休憩しなかった記憶がある、今日は天候に恵まれ頻繁に立ち止まって眺めた累積時間が多かったようだ。このコースにはすばらしいビューポイントが点在する、大真名子山山頂、小真名子山山頂東(三角点付近)、帝釈山山頂から女峰山山頂までのヤセオネ、特に帝釈山山頂からの展望がすばらしいことを記しておこう。


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