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日光白根山

山行日
    2003年10月16日   晴れ    単独

コース
    菅沼登山口→弥陀ケ池→白根山→避難小屋→前白根山→五色山→弥陀ケ池→菅沼登山口

 紅葉も終盤を迎えた日光白根山を目指して、菅沼登山口を6:05出発する。すっかり明るくなったが、周辺の峰は雲に被われていた。濡れ落ち葉を踏んで登山道に入る、すっかり枯野となった平坦な草原を通り抜け、沢に沿って小石の上を進む。6:17沢から分かれて、シラビソの混生する樹林帯の中をジグザグしらなが急登する。しばらく進むと、岩場のちょっとした展望場所に出る、6:42。朝食をとりながら、ほとんど同時に出た男性を待つが気配がない。金精山、根名草山は雲がとれて薄白い山頂部を覗かせていた、もしかしたら霧氷が見えるかもしれない、期待が膨らむ。

 再び樹林帯に入り、高度を上げていく、張り出した根っこをまたぎ、倒木をくぐり、両手をつかい大きく足をあげて岩石を越える。緩やかになると、小さい湿地を通り抜けると弥陀ケ池0.9km、菅沼登山口2.0kmの道標のところに出る、7:10。ここまで来ると弥陀ケ池もすぐそこ、という感じがするが、道標では1/3残している。今日は歩数で確かめてみよう、と歩き出すと間もなく真新しい標識が道際に立っていた。弥陀ケ池0.5km、菅沼登山口2.9km、と書かれていた。歩数の結果は弥陀ケ池の東端で1220歩で500m前後しかないようだ、弥陀ケ池着7:27。5,6mの風に波立ち、ピチャピチャ音を立てていた。背後の白根山頂部は、白く霧氷に染まっているがまだ雲をかぶっていた。

雲の動きから、天気は完全に回復しているようだが、ペースダウンさせて着時間を遅らせた方が良い、右回りで避難小屋を経由して山頂を目指そうかと思った。しかし、霧氷は山頂北面の方が良いかな、と思いいつもの左回りにした。座禅山コースを7:37分けると、尾瀬の至仏山、燧ケ岳が、ねじれ曲がった白い樹皮のダケカンバの向こうに映し出されていた、至仏山は薄茶色、燧ケ岳は青く天辺は白っぽかった。間もなく樹林帯を抜け、シャクナゲやダケカンバなどの低木となる、登山道には、新しく真っ白な太いロープが張られ、霧氷のはじまる地点まで続いている。5cmほどもあろうか、霜柱をザクザクと踏みしめ、白い化粧をした木々を見上げ、眼下の弥陀ケ池、尾瀬の山々を遠望しながらゆっくりと足を運ぶ。
  
 弥陀ケ池と霧氷の白根山                       真っ赤なナナカマドと座禅山

  
 尾瀬至仏山遠望                            尾瀬燧ケ岳遠望

 うっすらと凍りついた草木のところまでたどり着く、後ろから来る人影はない、冷たい風が時々吹き抜ける、体感温度からすると氷点下5℃ぐらいな感じがする。霧氷は風に逆らって風上に向けて成長している、ほんのうっすらではあるが、氷の花が咲いたようだ。山頂部はまだ雲がありガスに包まれている、白い稜線に出て小さく下がって登り返して山頂に着いた、8:50。
  
 霧氷で白い花が咲いたような低木、山頂にはまだ雲が     霧氷の向こうに遥かな燧ケ岳

  
 大きな岩から垂れ下がったツララ、下は弥陀ケ池         菅沼、丸沼も眼下に

  
 山頂直下の岩場                            ガンコウランの霧氷

 山頂の道標も凍てつき、岩肌は霧氷でまだらに薄化粧していた。雲がひいてはまた被う、その間から南下の祠が、砂礫の斜面が、錫ケ岳、皇海山、赤城山がうっすらと、灰色からくっきりと変化している。北の方角は上州武尊山、至仏山、燧ケ岳が山々の全容を見せる。若い男性が2番手で到着、寒さに震えながら、じっと移り変わる情景に見入っていた。となりの岩場では感動のあまり興奮状態で話す電話の会話、どうやら同時に出た男性のようだ。次の瞬間、サッと雲がひいて、燦燦と秋の日差しがふりそそぐ、360度の絶景が広がる。若い男性が、電話の男性の足取りに「そっちじゃないよ、ちょっとバックして一旦下って登る・・・」、と道案内。この男性が着き、南から年輩の夫婦が到着し、山頂は五人の賑わいとなった。

 寒さに堪えながら、山々を見渡す、眼下に五色沼、取り巻く五色山、前白根山、東へ金精山の峰が連なる。その向こうに山王帽子山、太郎山、大真名子山、小真名子山、女峰山も山頂まではっきりと、男体山だけが帽子を脱ぎきれなかった。中禅寺湖が光る、茶ノ木平、半月山、社山が霞み、前白根山から続く錫ケ岳は青く、その遠方に鋸十三峰、皇海山、そして赤城山の山塊。西の方には、浅間山、四阿山と上越国境の山並みが、手前に上州武尊山と尾瀬の山々、何遍となく首を回し、シャッターを切る、9:20山頂をあとにする。
  
 白根山山頂、到着時一面ガスっていた      霧氷の眼下に五色沼、五色山、前白根山が顔を出す。

  
手前に錫ケ岳、後ろに皇海山、赤城山の峰       逆光の男体山、光る中禅寺湖

  
 南直下から白根山頂部                     南直下から白根山頂部

  
  岩の間から女峰山                         南直下から白根山頂部

  
南直下から白根山頂部                       静かな五色沼、と取り巻く山


  
 錫ケ岳、山頂直下から                    樹間から、弥陀ケ池方向に燧ケ岳、避難小屋の東斜面から

 すっかり晴れ渡った山頂部を時々立ち止まり、振向いては眺め、見渡し、行く秋の情景に見入る、9:57避難小屋着。湯元から入った親子連れが休憩中だった、山頂から北へ尾根を歩き、ゴンドラを利用して丸沼に下る、とか。ダケカンバの樹林に入り、樹間から燧ケ岳を撮っていると、はりきった夫婦が下ってくる、「今日初めて会った」、とか。樹間から見る白根山の山頂、小生の好きな構図だ、僅かに残ったカラマツの紅葉がさらにアクセントを添える。稜線に出ると、大きなダケカンバの根本に錫ケ岳の方向標示があった。一度は歩いてみたいと思いながらなかなかチャンスに恵まれない、今回も考えたが、コースや時間的な面から羨ましく標識を見て通過する。

 ここから前白根、五色山までは、稜線を介して左右に絶景が展開する。左手には残ったカラマツの紅葉、眼下に文字通りの五色沼、そしてずっしりと鎮座する白根山、右手には湯元から中禅寺湖が広がる、そして取り巻く山々の紅葉の錦、静かな稜線歩きを独り楽しむ、前白根山10:33、五色山11:07。座り込んでは眺め、歩いては左右に蛇行しながら、青いキャンパスに映える織り成す紅葉と山並みに釘付けされる。
  
樹間から白根山頂部                         根本に錫ケ岳の方向標識

  
 紅葉の山並み                             カラマツと白根山

  
 ポツンと残ったカラマツが山並みに映える           紅葉の山並みは続く

  
 前白根山                              カラマツと白根山

  
 カラマツと白根山、五色沼                      静かな五色沼

  
  五色山の西斜面の紅葉                      カラマツと五色沼


  
 この色合いが足を止める                       紅葉の眼下に湯元温泉

  
 五色山と前白根山、五色沼                     上州武尊山が青く

  
  奥日光を眼下に                            遥か至仏山

  
  同じく燧ケ岳                              五色山を北西の稜線から

 五色山の稜線を歩き、11:36五色沼、弥陀ケ池の分岐にさしかかる。ここは五色沼から五色山、金精山方面へ通じる登山道と五色山から弥陀ケ池へ通じる登山道の三叉路である。右手の樹林帯を少し下り登り返すと広々とした平坦な空間に出る。草原といった感じであるが、高山植物の宝庫のようだ、奥のシラビソの樹林は弥陀ケ池の東南に接する。ここを少し回り込むと五色沼と弥陀ケ池を直接結ぶ登山道に合流する。ここをちょっと登ると弥陀ケ池の西端に出る、11:55、東端11:58。
  
 弥陀ケ池の東南にある平坦な地             一回りして再び弥陀ケ池の東端から白根山を撮る

  
 帰路車道から温泉ケ岳の紅葉                   同じく湯ノ湖と男体山

 一周を終わり、朝来た道を戻る、12:15弥陀ケ池0.5km、菅沼登山口2.9kmの道標、さらに下って12:27朝食をとった岩場付近で山頂で会った夫婦に追いつく、大分疲れた様子だったので一言「あともう少しですね、頑張りましょう」、と。12:47沢筋の道にでる、終着菅沼登山口12:57着。総所要時間6時間52分であった。霧氷と僅かに残った紅葉、眼下に見た奥日光の錦絵、幾度見ても新鮮である、次はきっと錫ケ岳を目指して、木々が目を覚ます頃やって来よう。


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