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桐生根本山sub3-22

山行日
    2002年2月23日    晴れ  単独

コース
    三境林道入口→(根本沢コース)→根本山神社→峰の平→根本山→十二山→熊鷹山→丸岩岳→(林道)→三境林道入口

 暖かい日が続き、セツブンソウ、イチゲの便りが山の麓から届いて、足がムズムズしてくる陽気に誘われて、桐生市の奥深くに位置する、かって信仰の山として栄えたという根本山(標高1199m)に足を向けた。三境林道の入口に車を止め、6:33出発する、100mほどで不死熊橋を渡り、根本沢に沿った山道へと入る。いきなり急斜面をジグザグしながらの登りだ、両足に沢から吹き上げる冷気を感ずる、今日はショートソックスにスパッツ、夏用のズボンという着こなしだ。まもなく明るい広々とした沢筋に出る、ところどころに大きな淵があり、底まで透き通って見える、清らかな流れである。まだ一帯は角のとれた大きな石が多い、白っぽく幾重にも縞模様が入っている、変成岩の1種であろう。清流と岩と落葉樹の森、立ち止まっては眺めながら積もった落ち葉に足元を確かめ、ゆっくりと歩く。7:00、根本山へ3.5kmの道標を通り過ぎる、明るい樹林帯の中の道はつづく。急斜面にはブナ科の常緑高木のツクバネガシが沢山見られる。
  
      根本沢                                       雪はないが、まだつららが残る


 1時間ほどして、根本山へあと2.5kmのところで、木陰にうっすらと残雪が出てきた。沢は両岸から押し寄せられるように狭くなっていく、小さい沢を分け、水かさも減っていく、左右の流れを行ったりきたりしながら、あと1.5kmの所へ8:08着いた。雪も10cmほどあろうか、ところどころ凍っているので気をつかう。雪の上に、踏み跡はあるが明確ではない。時々立ち止まっては、人工物を探し、安全なルートを確保する。凍った小さな淵に出た、ここが通れないと戻ることになる。ピッケルもアイゼンも車に置いてきてしまった、高巻きして雪の上をはい上がり切り抜けた。同行者がいたら、この先も見えないことだから、引き返したであろう。間もなく鉄のハシゴを越えて、沢から斜面にとりついた、鎖場である、鎖はところどころで凍っている、ストックをザックに入れ、慎重に3点確保で進む、8:26根本山神社着。先ほどの斜面で、下の方で人声がした、待つことにする。根本神社の梵鐘を3回鳴らした。下からは登ってくる気配はない、引き返してしまったのだろうか。

 狭い岩上のこの一角も雪が半分凍っていて、一歩一歩が慎重を要す、特に下りが問題だ。ここからが鎖の連続だ、鎖が雪の下で凍っていて表面に出ていない所は、低木につかまって、足場を確保しながら進む。暑さも、寒さも感じない、登ることに全身を集中させているからだ。

 やっとのことで、鎖場を過ぎると、右手には日光の山々が連なっているのが目に入った、感激の一瞬だ、労をして得た今日、この場の眺望だ。足場を決めて写真を撮る、左から袈裟丸山、皇海山、白根山、男体山、女峰山と青空に連なる。男体山が何といっても一番目立つ、コニーデ型の均整のとれた形、見た目では白根山より高く見える、袈裟丸山から中禅寺湖の南尾根、
女峰山は引き立て役というところ。
  
 鎖場のすぐ上からの展望、アプ                            男体山の雄姿

9:00峰の平着、小休止、根本山の由来を書いた案内板が立っていた、まあ納得。ここから道は鎖一本下って、緩やかな尾根に沿って、つつじの群落を進む、白ヤシオの大木が点在する、樹木をキャンパスに日光の山が描かれているようだ。
  
    根本山の由来                                     樹間の冬景色

 9:32根本山着、9:44十二山根本神社着、記帳す、“樹間の日光連山に感動す”と。9:56氷室山分岐、9:58十二山着。日溜まりでは雪も溶け、クマザサの道となる。尾根筋は、明るい落葉樹の林という感じで気持ちがよい。十二山から方向が南に変わり、赤城山が木の枝の間から時々見える。10:25熊鷹山着、山頂部は木が払われ、展望のやぐらが設置されている。早速狭い階段で上へ、定員3,4名様のかわいいやぐらである。すばらしい、360度の大展望である、根本山周辺は1000mそこそこなので樹林帯であるから、まともに眺望を楽しめるところは少ないようだ。ここの景色はすばらしい、南は霞んでいるが、赤城山から日光にかけての山並みを見るには絶好のポイントでしょう。関東平野から見る男体山は上の方だけで、また間近に見えるところからでは山体は見えても競い立つ雄姿は解らない。強風の中で暫し時間の経つのを忘れる。
  
   熊鷹山展望台より赤城山                             熊鷹山展望台より、男体山と女峰山

  
熊鷹山展望台より、白根山方面                             熊鷹山展望台より、皇海山方面


   根本山付近の鳥瞰図

 この稜線の東に位置する田沼町のコース案内がやぐらに打ち付けられていた。県境をまたいで、わかりやすく書かれている。人間という動物は身勝手なもので、自己中心的に物事を考えてしまう、山の向こうのことはあまり考えない。この峰を源流の山として、東は旗川、西は桐生川なのである。稜線を更に南へ、11:06丸岩岳着、ちょっと南下して林道伝いに帰路につく。林道歩きは面白くないが、ここ一帯の地形と凍りついたカチカチの地面から安易にショートカットするのは危険を伴うので安全策で下る。11:39熊鷹山入口、11:50十二山入口、12:22中尾根コース入口、12:33駐車地点到着、1時間半の林道歩きは終わった。ちょうど6時間の一周であったが、根本山神社の前後はしばらくの間控えた方が賢明である。


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