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本白根山

  
山行日
     2002年8月31日   晴れ  4人
コース
     ロープウエイ山頂駅→鏡池→本白根山展望所→万座方面分岐→歩道最高地点→本白根山三角点(2165峰)
     →歩道最高地点→展望所方面分岐→ロープウエイ山頂駅

 日光白根(一名には奥白根山ともいう)、北岳(古くは甲斐白根山)と8月は歩き、引き続きもう一つの白根山、通称草津白根山を散策する。草津の白根山は、白根山(ケルンのある山頂地蔵岳2150m)、逢ノ峰(2109.9m)、本白根山(樹林帯の中2171m)の三山の総称で、北に横手山、東に芳ガ平・青葉山、西には万座山までが含まれる広大な火山である。
  
    国土地理院1/25000地形図に散策コースを赤色で示した


 白根火山ロープウエイ山頂駅を8:10出発する。メンバーは女性3人を含む4人で平均年齢60歳、良く見られる構成かも知れない。一応雨具と防寒具、軽食等を入れても軽装である。普段はそろそろ混み合ってくる時間帯と思うが、まだ人影は疎らである。しばらく、本白根山の東斜面をトラバースする道である。シラビソ、コメツガ、ダケカンバの小木の樹林帯の中を進む。林床にはゴゼンタチバナの実が熟れ、低木のオオカメノキも真っ赤な実をつけ、秋の様相を見せていた。同行者も苔生した林床のゴゼンタチバナの実がすっかり気に入った様子で、あちこち立ち止まり、2組、3組と先へ越していった。早い人たちはもう下山して行く。
  
      ゴゼンタチバナの実                        オオカメノキの実

 木の階段を上り、再び緩やかな木道を歩く。一帯の、その昔火山ガスで立ち枯れした、シラビソの群立する光景を興味深かそうに、見渡していた。徐々に視界が開け、鏡池を見渡せる小さな鞍部に出た。小道をわずかに下り、池の縁に出て休憩。ガンコウランが黒い実をつけ、コケモモガ熟し、エゾリンドウが鮮やかに咲き乱れていた。秋の高山植物が、精一杯交響詩を奏でる短い時間帯である。池の水は少なく、遊歩道の柵から水面まで大分離れている。『亀甲状に敷き詰められたような・・』と説明する案内板があったが、イマイチ解らなかった。
  
    コケモモの実                                  エゾリンドウ

 9:20鞍部にもどり、低い樹林帯にちょっと入り抜けると、砂礫を敷き詰めたような一直線の柵のある道となり、一つ目のピークである展望所は近い。両サイドの砂礫の中には、コマクサの咲き残りが、何故かもの悲しそうに幾つか咲いていた。本白根山展望所着、9:45。10人ほどの先客が、どっかと腰をおろし、景観を堪能していた。

 ここで、山歩きをして山頂にこだわる人に本白根山のピークを整理してみよう。一つは、ここ旧火口(から釜)の南東のピーク2145mで、一般的で展望のよい本白根山展望所である。二つ目は旧火口のふちからその隣の火口跡を横断して火口ふちを緩く登って行った所にある本白根探勝歩道最高地点2150mのピークであり、そこを山頂として扱ってい登山書もある関係かそこで折り返している人が多いそうである。三つ目は、三角点があるピーク2164.8mであり、歩道最高地点から万座方面へ100m位歩いて、「有毒ガスの恐れがあり立入禁止」の看板からロープの中へ入り、ハイマツをかき分け100mほど進むと半月形をしたハイマツに覆われた山頂がある。更に四つ目となる、文字通りの最高点が存在する、2171mで旧火口のふち西北西に位置する。

 今日は、展望所をちょっと下り万座方面行く分岐点から、三角点があるピークを往復する。分岐点からは、火口跡の木道を歩く、保護されたコマクサの群落が、両側に等間隔で並んでいた。先ほどの砂礫のところでも見られた、咲き残りが、ここでもあちこちにあった。その間で、ガンコウラン、ミネズオウ、コケモモ、コキンレイカ、ハクサンシャジンが島状に植生をなし、この中にエゾリンドウが背を低く、群青色の大きな花を付けていた。本白根探勝歩道最高地点で休憩する20人ほどの横を通り、身長を越えるハイマツの中を抜けると、例の看板があった。ちょっと目を閉じて頂いてロープの柵を越え、低いハイマツ帯に入る。かっての登山道の跡があり、所々ハイマツをこぎながらではあったが、三角点まで続いていた、10:14三角点着。

 折り返す道で、万座へ向かう高年の団体さんに会い、挨拶を交わすが、ただもくもくと歩くだけで、反応は返ってこなかった。山歩きを楽しむために参加したのだろうが、前の人の足元を追い、必死について行く姿に、悲壮感で歩いているように感じた。10:33展望所方面への分岐に戻る。
  
  本白根山展望所2145m                        白根山展望所を探勝歩道から見る

 
 本白根探勝歩道最高地点2150m                 本当の?最高地点の存在するピーク2171m

  
    三角点2164.8m                          三角点のあるピーク、探勝歩道から見る

 ここからは、西側の火口壁を横切って登り、一旦ふちに出て、木道を緩やかに下る。樹木や高山植物の表示札を見ながら20分ほどでの下りで出発点へ着いた11:03。所要時間合計、2時間53分、時期的には紅葉もこれからであるし、季節の変わり目というところで、楽しむのには乏しい時期である。ピークについて記述したが、4つのピークとも大差なく、整備されたコース内で考えれば、本白根探勝歩道最高地点2150mであることを、もう一度記しておく。
  
   ヤマハハコ                            ヤナギラン、葉が色づいて2,3個花を残す



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