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三岩岳

  
山行日
    2004年6月15日   晴れ  単独

コース 詳細はこちら
    登山口(小豆温泉スノーシェッド中間)→黒檜沢出合→旧道分岐→避難小屋(窓明山分岐)→三岩岳
    →避難小屋→旧道分岐→黒檜沢出合→登山口

 この山どこに?という方は、福島国体の時に有名になった山といったら記憶の中にありましょうか。尾瀬にその当時入られた方は看板やのぼりを見かけたでしょう。会津駒ケ岳のすぐ東北に位置する三等三角点のある山で標高2065m、ブナの原生林に包まれ、高層湿原が点在し・・・・と聞いている。福島国体のコース云々はどうでも良い、一度歩いてみたい山の一つである。あまりにも有名な山が周辺にあるので、良い環境にありながら、訪れる人の少ないのも事実のようである。でもちょっとした登山書には掲載されているのだから、知らなかったのは我のみであるかも知れない。

 昨日の会津駒ケ岳に続いて本日は天気もよろしいようで、4:15駐車場を出発する。ここで、このコースの奇妙な(?)登山口にふれておこう。桧枝岐村に向かって田島町方向から国道352号線を走り伊南村で伊南川を渡り左折する。出外れに小豆温泉スノーシェッドがあり、中間の沢(黒檜沢)の部分が切れている(必要ない)、ここから登山道ははじまる。コンクリート壁を斜めに上がり、スノーシェッドの上を歩いて、階段に辿りつけば正解である。この階段を登ったところから、登山道がはじまる。(下の説明に用いた写真は帰路撮ったもの)
  
小豆温泉スノーシェッド中間、左に駐車場(桧枝岐に向かって)  同、右手が登山口(斜めにスノーシェッドの上に出る)

  
 ここの上を歩く、小豆温泉への道の上はアップダウンする   右手の鉄製の階段を登ると登山道へ出る

 うす気味悪い所から登山道に出ても一安心ではなかった。ブナや栃の生える樹林帯で時間も早いせいか薄暗く、熊の生息地とも聞いているので、カウベルを強く鳴らし、“俺様のお通りじゃ、熊よ、ひかえおろ〜 この鈴の音が聞こえぬか!!”。実は黒檜沢の出合いまで、時間にしたらたった17分、ここも気味悪かった。でもササバギンランを見つけ写真を撮った、これが精一杯、あとは早足で歩いて来た。沢を渡って4:32、草むらに咲くニリンソウ、ホウチャクソウ、ラショウモンカズラ、オオバミゾホウズキを見て一安心。

 ここからしばらく斜面の急登が続く、ヤマツツジ、ウラジロヨウラクが日当たりの良い道筋に咲いていた。ブナの樹床には、ギンリョウソウがにニョキニョキ顔を出していた。小さい枝尾根に突き当たり、シャクナゲの根本に置かれたアルミ板に書かれた薄れた左折の文字があった、5:00。ここで左にほぼ直角に曲がり、尾根上を15分ばかり急登する。道は平坦になり、尾根を目指してトラバースする。小さな湿地では、リュウキンカの花が黄金の輝きを見せていた、花の終わったスズバショウ、これから咲くコバイケイソウが大きく茂っていた。水場と書かれた沢など、3、4本渡り少し登り返すと尾根に出て旧道と合流する、5:40。山頂まで3.3km、出水時は旧道を利用するように書かれていた。
  
 ササバギンラン                           黒檜沢の滝

  
 黒檜沢出合い                           稜線が真っ白に見えた

  
 ラショウモンカズラ                       オオバミゾホウズキ

  
 ヤマツツジ                            ウラジロヨウラク

  
 枝尾根に出た地点                         ブナの樹林帯が続く

  
 湿地にはリュウキンカが咲いていた               尾根へ出て旧道と合流

 朝飯を食べて5:50主稜線目指して出発する。道は尾根の最高部に沿ってつけられており、蛇行してないだけ急坂に感じる。道筋にはツバメオモト、チゴユリ、マイズルソウ、ミツバオーレンが咲き、止まっては眺め呼吸を整えた。旧道分岐点から40、50分歩き、6:28、山頂まであと2.2kmの曲がった標識が登山道に置かれていた。そのへんからタムシバ、カエデ、ブナ、オオシラビソ、リョウブ、オオカメノキといった低木の道となる。枝間から左右の山頂部が顔を見せた、右が窓明山、左は目指す三岩岳である。

 6:43登山道に残雪を見る、左手には、ゴツゴツした三ツ岩がはっきり見えるようになった。カッコーの鳴声がオオシラビソの樹林帯から聞こえてくる。間もなく雪渓を縦断し、シラビソの樹林帯に入り、残雪の間の泥濘を進むと避難小屋に出た、7:13。
  
 ツバメオモト                            チゴユリ

  
 窓明山                              低木の道

  
 目指す三岩岳                           ショウジョウバカマ

  
 ムラサキヤシオ                          ミツバオーレン

  
 小屋手前の雪渓(上から写す)                 避難小屋

 小屋には一人先客がいて宿泊していたようだ、荷物一式をデボし山頂か窓明山へ行ったらしい。ここは窓明山への分岐点でもある。アイゼンをつけて軽食をとって(2度目)7:20山頂へ向かう。窓明山へ標識はあったが、山頂への入口がわからない、右往左往しているうちに窓明山へ標識の所から上に伸びている道を発見、樹林帯の中を進む。雪渓が融けた所には、イワウチワが木には不釣合いの大きな薄紫の花をつけ、道を誘導してくれた。それもつかの間だった、直径100mぐらいの雪渓に出た。踏み跡を探す、これは駄目。目標を注視する、ペンキ、テープ、ヒモ、見当たらない。現在地はオオシラビソにペイントマークがある、ネマガリの引っ込んだ場所を左上方に発見、そこまで上がる、踏み込んでみたが道はなかった。仕方なく右方向で探し始めた、もうわずかで一巡になろうかという所で登山道を発見、雪渓脱出に成功。

 次の大きな雪渓の中間で、先客と見られる男性に会う、「良いお天気で・・・・・」、お決まりの会話をして進む。ここを無事通り抜けると間もなく、コブの北側から真っ直ぐ山頂へ登りつめた、8:04着。ここの眺望もすばらしいが、尾瀬の山々が見えないことだ。面白いのは、燧ケ岳の双耳の先端が丁度会津駒ケ岳と重なっていて、わずか両耳がチョコッと見えていた。しかし、会津駒ケ岳をグルッと近い距離で眺めるにはいい場所だ。越後の山々、飯豊連峰も眺められ、ここを目指す人の気持ちが何となくわかるような気がする、8:25下山にかかる。
  
 小屋のすぐ上の雪渓                        中間の雪渓

  
 イワウチワ                             一番左のコブ

  
 会津駒ケ岳                             窓明山(手前中央)

  
 直下から山頂                           三等三角点のある三岩岳山頂


 山頂のパノラマ、会津駒ケ岳〜中門岳{南から西方向)

  
 会津駒ケ岳〜中門岳、                       中ノ岳、越後駒ケ岳方面

 雪渓を下山するのは楽しい、なんて思っていたら、往路何事もなく通り過ぎた中間の雪渓で足止めされた。よくよく見ると登りは入り組んだ下方の雪渓が見えないし、真っ直ぐ歩いたのではなく曲がっていたのであった。とりあえず踏み跡のしっかりしているところまで戻り、目をさらにして踏み跡を辿りセーフ、避難小屋着8:47。小屋から間もなく男性一人、また2人会う、皆これから登ってくるのだ。岩場で、登りで気づかなかった小さなお地蔵さんを発見、登りと下り目線の位置と注意力の差と決め付け自ら納得、9:42旧道の分岐点まで下る、小休止。10:35沢を渡る、滝の近くで夫婦に会う、小屋泊まりで三岩岳、窓明山を歩くと言っていた。鉄の階段を下り、スノーシェッドの上を歩いて、10:55駐車場着、三岩岳の山行を終わった。総所要時間は、6時間40分であった。今日の反省点は、天気も良く、見通しの利く中でも、雪渓の出入口は甘く見ないこと、これにつきるかな。時間的ロスはなかったが、不安が点と線の判断ミスにつながる危険性があるということ、常に冷静さですかね。


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