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茅ケ岳・金ケ岳(山梨の山)
  
山行日
    2004年3月9日  晴れ   2名
コース 詳細はこちら     茅ケ岳山頂からの3Dパノラマ
    深田記念公園駐車場→女岩→茅ケ岳→金ケ岳→茅ケ岳→(尾根コース)→駐車場

標高1704mの茅ガ岳(かやがたけ)は、韮崎市の中心部から北北東約12kmの所に位置し、北に奥秩父の山々、八ヶ岳、南アルプス、南に御坂山塊、その向こうに富士山と、360°のパノラマが展開するビューポイントとして名山である。一方、日本百名山の著者深田久弥の終焉の地として知られ、大勢のハイカーが訪れるようである。一昨年、深田記念公園に立寄り、駐車場の車の多さにびっくりし、いつか歩いてみよう、と思っていた。東松山のM氏と早朝の中央自動車道を西へ、薄い雲が漂っていたが、予報では間もなく晴れるとのこと、6:25深田記念公園駐車場を出発する。

記念公園に立寄る、整備された山間の最奥の高い所に記念碑があり、大きな石に“百の頂に 百の喜びあり ”の深田久弥の言葉が刻まれていた。雪がうっすらと周りを化粧していた。登山道に戻ってしばかく平坦な道を進み、林道を横断して小さな沢筋の山道に入る。勾配は若干増し、両岸の手の行き届いた赤松の人工林を見ながら進む。7:25大きな岩壁に突き当たる、女岩と書かれていた、下の写真からは想像はつかないが、岩の形と割れ目から滴れ落ちる清水から、意味深なネーミングを想像してしまう。コップが置いてあったので、Mさんは早速口にする、「おいしい、温かい」、私も一口、「なるほど、10℃以上ありそうだ」、周辺は氷点下の世界だ、マイナス7,8℃位かな。

 ここからイヌブナ、コナラ、カエデの落葉樹林の急斜面をジグザグしながら尾根まで登る。多いところでは、30cmほど落ち葉が積もり、時々その下の氷で足をとられる。いつしか振向くと、逆光で真っ黒い富士山が枝越しに見えた、8:00稜線に出る。大勢の人達の休憩の跡か、広い不毛の空間を作っていた。
  
 深田久弥自筆の記念碑、“百の頂に 百の喜びあり”    女岩

 稜線に出て10分ほど歩くと、“深田久弥先生終焉の地”、なる石柱と1mほどの木柱が建ち、小石が山に積まれていた。持合せの菓子を供え手を合わせた。背後には奥秩父の瑞牆山、金峰山、国師ガ岳が鎮座し、落葉樹の枝間に霊峰富士が望める場所だった。イワカガミの自生する岩場を横に、つつじ、ダケカンバ、ブナの林立する稜線を進む、時々パッと開けた雄大な景色に立ち止まる、空も刻々と青さを増した、茅ケ岳1704m山頂着8:35。
  
 深田久弥の終焉の地、から奥秩父の山々           同じく、枝間に富士山

 薄い雲が若干気になるが、すばらしい眺望である。幾重にも近場の山が折り重なり、甲府盆地が眼下に開ける。釜無川が、富士川が踊る、背後に大きく富士山が広がる、雄大な眺めだ。右に目を転じれば、南アルプスの3000m級の山々が険しさを映している。正面に鳳凰三山、薬師岳、観音岳、地蔵ケ岳、天空に向けた剣のような地蔵ケ岳の岩場は象徴的だ、その後ろに白根三山が点々と見える。真っ白なゆったりとした稜線を向ける仙丈ケ岳、対照的に刃物をむき出しにしたような甲斐駒ケ岳。南には遠く南部の悪沢山、笊ケ岳の山が霞む。北方向に目を移せば、これから向かう金ケ岳の左に八ケ岳が大きく裾野を広げる。編笠山、権現岳、阿弥陀岳、赤岳、横岳が競う。更に時計方向に奥秩父山々が延々と連なる。低木に少々遮られるが、風情をかもし出してくれる。
茅ケ岳山頂からの3Dパノラマ
  
 茅ケ岳山頂から富士山                      同じく、金峰山

  
 同じく、南アルプス北部の山々                 同じく、鳳凰三山

  
同じく、 仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳                  同じく、南アルプス南部の笊ケ岳、悪沢山、

  
同じく、金ケ岳と左八ヶ岳                    同じく、編笠山、権現岳、阿弥陀岳、赤岳、横岳

 道標に沿って、130mばかり北西方向に下る、下り始めると、雪と凍結した狭い尾根と急坂、「アイゼンを付けようか」ということになった。でも危険箇所は樹木につかまり、ゆっくり下ることにした。2,3ヶ所アイスバーンの上に積もった雪でオットット! 鞍部に出て一安心、かと思ったら登山道脇の雪をかぶった岩場にMさんが取り付く、また一苦労、見晴らしの良い岩場で正面に茅ケ岳と富士山が並んで見えたが冷汗をかいた。登りにかかると東斜面のため雪はなく、急斜面ながら小木に助けられてスムーズに登る。時々展開する絶景に、足は止まる、眺める、撮る、語る。小さいピークを入れたら4,5つ越えたような気がする、観音峠の分岐点を過ぎて小さく下って登り返すと金ケ岳山頂1764mに着いた、9:45。
  
 下り道から金ケ岳方面                     Mさん、「すべるんだいね!、危ね、危ね」

  
 鞍部付近から茅ケ岳                      登山道脇の岩場から富士山と茅ケ岳

  
 中間のピーク付近から金ケ岳                  石門をくぐって

  
 ダケカンバ越しに金峰山                     同、アップ

 ここの眺望もすばらしい、南に面した所は枝が払われ、障害物が無く、富士山、茅ケ岳、南アルプスを見通せる、小休止。朝飯が早かったのでつまみ始める、ビスロール2個、みかん1個、茶、チョコレート等など。遠望する山にかかった雲も大分とれて、くっきりして雄大さを増す、10:10山頂を後にする。
  
 金ケ岳山頂から南アルプス北部                同じく、富士山と茅ケ岳

  
 同じく、鳳凰三山アップ                     同じく、八ヶ岳

 茅ケ岳へは往路を戻る、日溜まりの斜面は溶けて、滑りやすい、露出した土はグシャグシャとなってしまった。単独行の女性に会う、観音峠からバスで戻るとか、今の時期バスが出ているのだろうか、余計な心配をしてしまった。続いて3人のグループ、茅ケ岳西斜面の凍結場所を過ぎ再び茅ケ岳山頂へ、10:53着、小休止して、11:20南の尾根を下ることにした。ルートはちょっと下った所で千本桜のルートを右に分け、平均斜度19度で1050m付近の林道までほとんど一直線に下る。南に面しているため霜解けがひどく、ツルツル、グシャグシャ、林間に時々入りスリップをさける。そこを過ぎると大きな岩がゴロゴロした道になる、ここは急斜面であるが、蛇行しながら楽しめた。次はパッと開け、林道へ出たのかな、と思いきや、巾10〜15mの草原となった。左手は赤松、右手は広葉樹で落ち込んで深い谷となっているようだ。ダケカンバ、シャラ、リョウブ、ダンコウバイ、ヤマザクラが目に入った。ダンコウバイは蕾を大きく膨らませて、1週間もすれば真っ黄色な花を開花させるだろう。草原はどうやら茅を刈り込んだあとのようだ、茅ケ岳由来の“茅”だろうか、12:18林道に出る。間もなく往路に合流し、12:40駐車場に戻って山行を終えた。
  
 尾根道の急斜面                          一直線に下る、平均斜度19度の道

 往復所要時間は6時間15分であった、私もMさんも、この山は名の知れた山であるが、はじめてだった。それだけに新鮮であり、山頂から見るパノラマは強烈であった。つつじの咲く頃は、紅葉の頃は? 、リピーターになろう、そして違う顔に会いたいものだ。


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