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南暑寒岳
  
山行日
    2003年7月19日    晴れ   単独

コース
    南暑寒荘→雨竜沼湿原→南暑寒岳→雨竜沼湿原→南暑寒荘

 ここも10年以上前に、室蘭のAさんと雨竜沼湿原にやってきたが、大雨で道路が決壊して通行止めであきらめて帰ったところである。今回はその奥にある暑寒別岳が目標である。雨竜町から27kmほど暑寒ダムを経由して車で走る、ダムからはほとんど未舗装である。終点に南暑寒荘があり、ここが雨竜沼湿原を通って暑寒別岳に至る登山口である。

 夕べは、今回の山歩きで始めて星を見た。その数の多いこと、空気の澄み具合と周辺の暗さだろうが、私の生活地域に比べたら10倍位多いような気がする。昨日のうちに入山料200円を支払い、登山届も出してあるので、駐車場から登山口へ真っ直ぐ入る、4:07。林道を少し歩き、吊橋を渡り本格的な登りとなる。白竜の滝を見下ろして、4:42二つ目の吊橋を渡り、深い渓谷の斜面につけられた急坂をあえぎながら登ると、前方に朝もやの立ち込めた湿原と雪が所々に残る暑寒別の山が目に飛び込んできた。一旦沢に出て登り返す、ネマガリダケの間の道から、ホーホケキョ、澄み切った鳴声があちこちから聞こえ、湿原に響く。そして満開のヒオウギアヤメに迎えられる、エゾカンゾウ、オオバタチツボスミレを従えて。5:27三合目(南暑寒荘-南暑寒岳)の標識を見て、小さい川を渡る、ここで靴の清掃である。平地の植物を、国定公園の特別保護地区の雨竜沼湿原に入れないためのガードである。

 朝もやの湿原を繰り返しシャッターを切る、兎に角きれいだ、徐々にあがっていく霧、静寂の湿原、後続のハイカーが抜いて行く、コツコツと木道を叩き。復路の合流点を過ぎるころには、すっかり晴れ上がっていた。木道が湿原の南寄りから南西方向に走る、ほどほどに蛇行し、アップダウンする、地形に合わせた施工である。6:24復路に合流するあたりから、乾燥して草原となり、ネマガリダケが生えてくる。展望台まで500m、南暑寒岳まで3.7kmの標識があった。
  
  満開のヒオウギアヤメ                        木道の向こうに南暑寒岳(左)、暑寒別岳(右)

  
湿原の中を小川がうねって流れる                  オゼコオホネ

  
木道を行くハイカー、白はワタスゲ、黄色はエゾカンゾウ    クロバナハンショウズル

  
 ワタスゲ                                 シナノキンバイ

 湿原の西端から南暑寒岳への登りとなる、木の階段を少し登ると左手に展望台がある、6:37着。歩いて来た湿原が眼下に広がっている、緑の湿原に点在する池塘が白く輝き、間を走る木道の曲線が、川の流れと相俟って、面白い光景だ。残念ながら逆光で、写真にはならなかった。小休止して6:48登りにかかる。ネマガリダケの間を一直線に登っていく、ダケカンバに変わる頃勾配は増し、ハイマツが出てくると七合目となる、7:11着。道は単調であるが、暑寒の山並が変化していく姿を見ながらなので、それほど疲労感はない。

 八合目付近で大雪山系、十勝連峰が雲海の上に顔を出した、夕張岳も頭一つ出した、芦別岳はわからなかった。7:57山頂と目と鼻の先にある岩場に到着。行く手の暑寒別岳、歩いて来た湿原のルートが一望できた、小休止して8:05南暑寒岳山頂着。

 山頂には、男性が独り一杯やりながら眺望を楽しんでいた。仲間3人はすでに暑寒別岳に向かったという。この人は、日本の山を数で稼いでいるという、今2800位とか、大したものだ。今日は、ここのあまりの眺めに釘付けになってしまった、と言っていた、そして「私は脱楽組です」、とつけくわえた。「私も仲間入りしよう」、とあっさり暑寒別岳をあきらめてしまった。というのは、計画の段階で、往復12時間10分となり、連続する山歩きに支障をきたすことを恐れていたから、5時間強かかるここからの暑寒別岳往復は、時間的には可能であるがきついと判断した。そして、後続の人たちが着く度に話し掛け、暑寒別岳へ向かうと、カウントしていた。10人になった時点で今日はこんなものじゃないですか、二人で納得した感じで下山にかかる、8:50。
  
展望台から湿原を一望                         山頂手前の岩場から暑寒別岳

  
南暑寒岳山頂から暑寒別岳1491.4m              南暑寒岳山頂から西隣の群別岳1376m

 八合目9:08、六合目9:41、展望台9:41、ここで30人位の団体に会う、必死になって前の人を追いかける山歩きには感心する、自分には出来ないだろうな。復路の木道に入る、エゾカンゾウ、ヒオウギアヤメ、ワタスゲが緑の湿原の中に映える。小さい池塘でヒツジグサを発見、花の大きさが3、4cmというところ、かわいい花だ。尾瀬のヒツジグサは5、6cmはある、知床五湖のエゾノヒツジグサは10〜15cmあり純白のスイレンという感じだ。何と言う種なんだろう、疑問の1である。コオホネもオゼコオホネでいいのだろうか。
  
 波乱万丈、ダケカンバ                          復路の湿原

  
  ワタスゲが一番目に付く                      ワタスゲ

  
  湿原、復路                               池塘、復路

  
 池塘、復路 背景の山は南暑寒岳、暑寒別岳(右)      池塘、復路、背景の山は南暑寒岳

  
  小さい池塘にヒツジグサがいっぱい               ヒツジグサ

  
  ヒツジグサ                                   復路の湿原

 湿原の東の端にかかる頃、湿原を訪れる人たちで展望台は満杯だった、10:36。まだ続々とやって来る、今日は土曜日で大変混むでしょう、と管理事務所で言っていた、その通りだ。三合目10:45、滝の上11:30、一合目11:41、駐車場着11:58。
  
 湿原の東の展望台、人でいっぱいでした              湿原の東端、エゾカンゾウ、ヒオウギアヤメ

          
  なごりの山、暑寒別岳                                 白竜の滝

 総所要時間は7時間51分であった。これから当ホームページをちょっと更新して、温泉でも入り、150kmあまり走って、明日の積丹岳へ備えよう。やはり、暑寒別岳は無理だった。また来たいな、この湿原、あの山へ。


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