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風不死岳・樽前山(フップシダケ・タルマエサン)1102.5m・1041m 
  
山行日
    2003年7月28日  曇り  単独

コース
    駐車場(樽前山七合目ヒュッテ)→P932分岐→風不死岳→P932分岐→P932→樽前山東山→駐車場

 どんよりとした空模様の中、4:32樽前山七合目ヒュッテ前の駐車場を出発する。潅木の間を抜けて荒涼とした樽前山の裾野に出る。まず驚くのは変化に富んだ広大な砂礫の斜面だろう、前方には雲を被った風不死岳が待ち受けている。この斜面を緩やかにアップダウンしながら西方向に巻いて行く。点々と咲くイワブクロの花を見ながらの楽しいウオーキングである。
  
 樽前山裾野から風不死岳方面                   樽前山裾野から風不死岳方面

  
 砂礫の道                                 風不死岳

  
  イワブクロ                              ヒカゲノカズラ(しだ類)、棒状の部分が胞子のう穂

  
 樽前山東峰と溶岩ドーム                      風不死岳全容

  
  コメツツジ                               イチヤクソウ

 やがて勾配が増してくると、P932(932m峰)への分岐点にさしかかる。右手に進み小さい樹林帯を抜けた所のコルでP932の下から来るルートと合流する。復路は左へ、往路はこのルートに沿って北側へ進む。間もなく、赤い字で風不死岳登山口と書かれた標識のところへ出る5:33。ダケカンバのトンネルを抜け小さく下った後は急激に登る、笹の露を払いながら、垂れ下がっているロープを使いながら、岩場も通り大きな岩峰の直下に出る5:54。
  
 風不死岳登山口                            ダケカンバの道

  
  樹間から樽前山                            樹間から樽前山

  
  最初の岩峰直下                         二つ目のピークから山頂を見る、一番右

 岩峰付近ではコメツツジが満開であった。この岩峰は西側を巻いて笹の生い茂るなだらかな道となり二つ目の小さいピークにさしかかる。ここからは行く手に、二つのピークがあり、その奥に風不死岳のピークがわずかに望めた。再び緩い登りとなり、また下り、四つ目のピークに到着する。もうここまで来れば、山頂は目と鼻の先である。小さく下って風不死岳山頂に立つ、6:33。

 おあいにくさま、かすかに見えるは樽前山の一部、両隣の小さいピークだけは、はっきり見えた(わずかな距離)。腰をおろして、想像の世界となる、北側の眼下に支笏湖が広がり恵庭岳が笑う、南側には樽前山があぐらをかき、大きく扇子を広げたような勇払の原野、この眺望が見たかった、6:53風不死岳よ、さようなら。二つ目のピーク7:17、風不死岳登山口7:42、ヒュッテ分岐(往路の合流点)7:53。
  
  風不死岳(真ん中)、四つ目のピークから            風不死岳、山頂直下の鞍部から

  
  風不死岳山頂                            ヨツバヒヨドリ、風不死岳山頂、後ろは次のピーク

 分岐点からP932の東側を巻きながら潅木の中を進む、前方には樽前山の東山と溶岩ドームが、後方には風不死岳の全容が、左手には樽前山の裾が広がる、勇払の原野も視界に、支笏湖も見えてきたアンテナのある山も。8:04下からの道と合流しそのわずか先からP932に登る、ガスがかかって何も見えない8:16、戻ってそのまま南下すると先ほどの道に合流する、8:26。
  
  P932分岐点付近から樽前山                   P932分岐点付近から樽前山の裾野

  
 P932分岐点付近から支笏湖                    P932分岐点付近から風不死岳

  
   P932                                 P932から樽前山

  
  ヒュッテ分岐付近から樽前山                    ヒュッテ分岐付近からP932

 平坦な道となってもう一つのヒュッテから来る道と合流する、左が七合目ヒュッテ、手前が932峰と風不死岳、と書いてあった。分岐点から緩やかな登りとなって、西山への道を分ける、8:46。丁度下山してきた群馬の相馬が原演習場にいたという人に会った、支笏湖の向こうのアンテナのある山を尋ねると、「紋別岳です、恵庭岳はずっと西でここからは見えない」、と教えてくれた。ほどなく真っ黒な溶岩ドームが見えて外輪山に出る。
  
 西山への分岐点                             西山分岐点付近からP932と風不死岳

  
  東山付近から溶岩ドーム                      東山付近から西山とドーム

 溶岩ドームを眺めながらしばらく外輪山の散歩道となる、樽前山の雄大な眺めに加えて、ボーとしているが支笏湖の眺め、いい景色だ。最後にちょこんと登ると東山山頂であった9:11。ここの標高が1023.8m、樽前山の最高点は1038mで溶岩ドームと聞いている。今立ち入りできるのは外輪山だけで、火山性ガスが発生しているためドームも火口原も立ち入り禁止である、と書いた看板が立っていた。でもなぜか、火口原には噴気孔に向かって一筋の道がはっきりとついていた。

 西山もここから見るといいな、少し緑が見える。溶岩ドームはあちこちから煙が立ちのぼっている。噴気孔から立つ煙の量はスゴイ、一度Aさんに案内されて見たのですが、あそこまで行くと煙と地底のうなりと臭気で、生きている地球を身近に見られるのですが、9:30山頂を下る。
  
  東山付近からP932と風不死岳                   東山

  
タルマイソウ(イワブクロ)と西山とドーム、東山から        東山の東斜面、真中にひとっこ一人

  
  風不死岳、展望台から                       支笏湖、展望台から

 砂礫の道を花を見ながら下る、今日二人目の人を前方に見てイワブクロを入れて撮る、続々と山頂を目指す人あり、展望台から風不死岳と支笏湖を眺め、もう一度納得、9:57駐車場へ。総所要時間は5時間25分であった。天候がイマイチであったが、樽前山の雄大さは何度見ても心を惹かれる。独特な形、支笏湖・恵庭岳・風不死岳など取り巻く自然環境に人は心を惹かれるのだろう。樽前山は噴火によって変貌していくかも知れない、しかし人類は開発というもっともらしい手段で形を変えてはならない(棲息するものを含めて)、と感じた。


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