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行道山・大岩山(足利の山)
  
山行日
    2003年2月9日    晴れ    単独

コース 詳細はこちら
    足利市松田町2丁目→馬打峠→淨因寺→行道山→大岩山→毘沙門天の奥駐車場→五十部町
    →大前町→板倉町→松田町2丁目

 ぽかぽか陽気に誘われて、足が山に向く。本日は、ロードを主に行道山と大岩山を歩き、普段は通過してしまう里の風景を合わせて楽しむ予定である。7:19足利市松田町2丁目の神社付近に車を止め、朝もやの山路を歩く。5分ほどで、馬打峠方面に右折、朝日が正面から差す、山間の人家に霞みがかかり、その濃淡が水墨画のようで綺麗だ。道は直線からヘアピンカーブに変わる、3つばかり大きく曲がり馬打峠に着く、7:45。行道山と名草巨石群方面への登山道を分けて、ヘアピンを下る。人家が近づくと、庚申塔や石仏が次々と現れる、江戸末期のもので市の文化財に指定されたものもあった。
  
   檜の林に差す斜光                             石仏が迎えてくれる

 山際の畑からは水蒸気が上がり、たたずむ農夫が一人、のどかな田園風景を映し出していた。再び人家の間を進み、8:33月谷町の三叉路に出て、浄因寺方面に右折する。数台の車が登っていった、何台かはハイキングの人達だろう、今日は日曜日だし暖かい。20分ちょっとで、行道山と書かれた観世音菩薩に着いた、ここから浄因寺の境内らしい。公衆トイレの前には20人ほどが準備中だった、一足先に浄因寺に向かう。道沿の斜面にある石仏が気になる、10枚ほど撮った、奥の駐車場へ9:03。階段を登りはじめると、ちょっと先に5人のグループが見えた。ロウバイを見るとか言っていた、山門をくぐり鐘撞堂の所で先に出る。
  
      水蒸気が上がる                        のどかな山里

  
    薬師堂                                     石仏

  
    これより境内、行道山と彫られた石碑                 斜面に沢山の石仏

  
    ここはポツンと船形の観音像                       浄因寺鐘撞堂

 駐車場から寝釈迦までは、山歩きとは雰囲気がちがう、ここだけはみんな静かに足を運んでいるようである、9:18寝釈迦着。一人の男性が石仏をしきりにシャッターを切っていた、天気も良いし、何処を狙っても絵となるような雰囲気だ。後続の5人と入れ代わって登山道へ、それほどの運動量ではないが汗ばんでくる。右手山側は落葉樹、左手谷側は檜の人工林、すみれの花でも咲きそうな陽気だが、緑は疎ら、9:31稜線に出る。

 緩やかにアップダウンを繰り返す、昨日深谷の園芸店でマンサクの花を見たので、陽だまりで咲いてないだろうか、と思って探すが、蕾は固い。園芸店のものは温室育ちだろうか、9:51行道山到着。ここの山頂にはいろいろ表記がある、“石尊山(行道山)”、とか“石尊山見晴展望台”等々見受ける。国土地理院の1/25000地形図では、三角点のある441.7mの位置には表記がなく、ちょっとズレた所に行道山とある。総称の意味なのだろうか、歴史的な山名呼称はどうなのだろうか。単純に山歩きだけを考えると、この西の松田川を隔てた稜線に石尊山486.4mがあるだけにまぎらわしい。眺望をしばし満喫する、浅間山、赤城山、袈裟丸山、男体山、女峰山・・・・。

 ここから少し降って登り返すと大岩山417mである、9:51着。ここも別名?を剣ガ峯ともいうらしい。こちらを南遠方から見ると尖っていて判別しやすいピークである。先客4名が休憩中であった、一人が桜の枝の先端をしきりに観察している、「大分大きくなったなあ・・・」という。考えることは皆んな一緒、春が待ち遠しいということでしょう、開花までにはあと2ヶ月あるのはわかってますがね。南遠方秩父の山並みの向こうの富士山を見て、「富士山だ・・・今年初めてだ・・・」としきりに感動していた。
  
    寝釈迦と山々遠望                            寝釈迦と見守る?石仏

  
  行道山(石尊山見晴台)から男体山と女峰山           同じく、袈裟丸山

  
  同じく、赤城山                              大岩山山頂から霊峰富士

 山頂から東方向にジグザグしながら下る、次々と交わす人たちのトーンも高く感じる、あっという間に道路の終点に、10:04。ここからは再び舗装された道路となる、2,3分歩くと展望の開けた駐車場に出る。真新しい案内板が待ち受ける、一帯のハイキングコースの入った見取り図がある。緩やかに下り毘沙門天入口へ、ハイキングコースとしてはここから南へ一気に下る男坂と、若干東よりのなだらかに下る女坂に分かれる。今日は路上を下る、間もなく道は一旦平坦となり、両崖山方面のハイキングコースが交差する。続いて、工事中の新しい林道が分岐する、両崖山の北を通り本城一丁目方向へほとんど出来ているようである。ヘアピンカーブを二つ三つ過ぎると、女坂のコースが合流し、間もなく男坂の起点に着く、10:31。

 道路が平坦地になると二つに分かれる、右手の競馬場方向の細い道に入る。のどかな風景がはじまる、田んぼの畔にオオイヌノフグリ、色鮮やかなタンポポを見つける。人家近くに鎮座する石仏、庚申塔を見入る。やがて街中に入って、大きな萱葺き屋根が目にとまって見学する。“佛光山浄林寺はなれ”とあり、足利市教育委員会の文化財指定となっていた。山の斜面に建つ真新しい本堂も立派だが、この萱葺きの建物は歴史的な風格を感じる、中を拝見したいところだが・・・・・。

 11:15五十部の交差点で右折して、切り通しにさしかかり、正面に赤城山の全容を見る。この道路は結構交通量が多い、歩くのにはちょっときつい、排気ガスと騒音で。山前駅に近づいた小さな流れの脇に、“石橋工供養塔”と刻まれた石碑を発見、そこには“前の道は江戸時代の足利・桐生街道である。人馬の交通安全を祈って建てられた”と説明文があった。ということは、この道が足利・桐生を結ぶ一番古い道で、南に寄った位置に新道が出来、更に渡良瀬川の南に現在の国道50号線となっていった歴史なのでしょう。
  
   多門道男坂入口                             オオイヌノフグリ

  
    タンポポ                                 庚申塔

  
   萱葺の佛光山浄林寺はなれ                       五十部町付近から赤城山

 山前公民館前バス停11:39、ベンチで昼食とする。どこかで食事と思っていたが、適当な場所がなくてここまで来た。頻繁に通る車の脇で、おまけに下水の臭いがひどいのである。手押し車でスーパーへ行き来する老人の多いこと、昼食を前にしてか、これも歴史の一こまだろうか、11:50出発。12:03やっとこの道路からわき道に入る、人々の生活道路である、棟と棟との距離が近い、道も曲がり真っ直ぐと言った感じ。地図を片手にトレースしながら歩く、出外れの山間に絵馬が市の文化財となっている三崎稲荷神社がある、村の鎮守様といった雰囲気である。

 小さい峠を越え正面に板倉町を見る、背景は石尊山である。ここを下ると右手に雷電神社、そして間もなく松田川に出る、橋のたもとに馬頭観音の石碑が3つ、橋の名は出合橋と刻まれていた、12:25。また車の道となる、出合橋のすぐ上に木製の橋がある、この橋の上で何やら老人会の人々を対象に取材中のようである。12,3人の人たちは、ポットを出し茶を飲み、傍らではお椀を持ち食しているようだ。マイクロフォンを持ったスタッフが、土手の上下を行ったり来たり、大きなテレビカメラが向けられていた。滑稽さに吹出しそうになる、一枚撮った、こちらも、のどかだね、平和だね、山里は。
  
   三崎稲荷神社                          大前町の乗越から板倉町、後は石尊山

  
  雷電神社                               松田川沿いの馬頭観音

  
  老人会のVTR取材中                          悠々と泳ぐ鯉、50cm位あった、松田川で

  
    タンポポ                                  咲き出した梅、沿道で

 松田川に沿って更に北へ、水のぬるんだ川面では、ウグイが群がり、大きな鯉が3匹悠々と泳いでた。人家の庭先では梅がちらほら咲き始め、春もそこまでといった感じである、13:15スタート地点に戻る。一周23.2km、合計所要時間5時間56分の陽だまりハイクであった。


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