★気ままな男の山歩きHOME 山行記録(日付順 ) 山行記録(山域別) 走れ!“忠治”★ sub3-41 足尾北東尾根縦走 深沢〜半月山〜茶ノ木平〜細尾峠〜薬師岳〜夕日岳〜地蔵岳〜古峰原峠〜横根山〜井戸湿原 |
山行日 2002/6/1、2 晴れ後雷雨(1日目)、 晴れ(2日目) 単独 コース(詳細はこちら) 足尾町深沢地区林道終点→半月山→狸山→茶ノ木平→細尾峠→薬師岳→三ツ目→夕日岳→三ツ目(テント泊) →地蔵岳→ハガタテ平→唐梨子山→大岩山→行者岳→古峰分岐(行者沼)→古峰原峠→三枚石 →方塞山→横根山→井戸湿原→前日光牧場駐車場 一度歩いてみたいと思いながら実現しなかった、新緑の残る足尾町と日光市、鹿沼市の境界尾根を2日かけてのんびりと歩くことにした。足尾から半月山までは、いにしえの旅人達が行き交った深沢ルートを辿ることにし、半月山からは日光自然ふれあいの道と幾つかのハイキングコースをつなぎ合わせて計画した。荷物は水2リットルを入れて17kg程度。天気は予想では、1日目午後カミナリ、2日目晴れとなっていた。 ガタガタ道を林道の終点まで走る、4:36朝食を済ませて歩き出す。直ぐに沢を渡り右岸を歩くことになる。意外にも、テープあり、赤いペンキありで、コースがはっきりしているのに気付く。このコースは30年ほど前、足尾駅日光湯本間のハイキング(半月駐車場までは夜間)のため半月の第2駐車場までマーキングをしたことがある。その当時は山に入ってすぐの堰堤もなく、落下した橋が7,8箇所あって、クマザサが腰丈以上あり、泳いで歩くような所が多かった。 当時、最初の休憩地点にした小さな沢を渡ると、なんと無人の雨量計が設置された広場があった。小休止して、滝の所を通り過ぎる、そこには十丈の滝という立て札があったが、今はそれがなくなり茂みの中に音だけが聞えていた。滝の上で5:18左岸に出た、すぐにまた右岸にもどった。5:34急に天空が開けた、この辺の記憶がない。5:38道の崩壊している箇所があり、左岸に出て直ぐ右岸に上がる。5:44再び上空が開ける、明らかに開発の手が入っていた、このあたりは笹道で70,80cmあろうか、ストックで露払いをしながら進むが、下半身ずぶぬれとなってしまった。ホトトギス、ウグイスの声が開発された野っ原に、澄みきって聞こえていた。 5:57左岸に出ていよいよ尾根へとジギザグに登る。ここでまた意外なことに6:09林道に出てしまった。位置的には尾根に出られる位置で間違いはなかったが、1/5000の地図で神子内からの林道が近くまで迫っていることには気付いていたが、それが延長され工事中なのである。尾根筋のわずかに下であるが、土手は登れないし、登山道の延長が解らない。やむなく林道を歩き標高1400m位の所が工事の最深部で、ここから尾根の登山道に導かれた6:31。15分ほど歩くと視界が開けて、眼下には松木沢の赤茶けた山肌が見え、その奥に皇海山がぼんやりと見えた。更に進むと目指す半月山が、その左に社山が目に入ってきた。 1504mピーク付近から皇海山 同、半月山 同、社山(シャサン) シロヤシオ、半月山中腹にて 山道は再び樹林帯に入り、間もなく第2駐車場の真下にさしかかり、半月峠の道と分けて駐車場に出た、7:31着。“ここは足尾町”の看板を見る、確かに半月山の稜線が境界であるから足尾町である。南の眼下には霞んでいるが足尾の町と周辺の山々が一望出来るポイントだ。小休止して7:40、朽ちた丸太の階段に足をかける、笹の斜面にはコンクリートのU字溝があちこちにむき出しになり、景観と明らかにミスマッチである。踏み跡は幾つもあり、離れてはくっつき、また離れる、最短距離を好む者とそうでない者との差だけではないが、山道が広がってしまう仕方ない一因であろう。 8:01半月山の展望台に立つ。ここから見る奥日光の景色は抜群である、眼下の入りくんだ中禅寺湖、八丁出島と小さな上野島、真っ青な水の色が目に入る。また真北に均整のとれた男体山、すそ野の美しさ、周辺の山並み。本日は雲が多く残念だが、晴れた日の眺望は、戦場ヶ原、湯滝、竜頭の滝もちらっと見える。西に奥白根山、ちょっと左に社山(シャサン)、その左に松木渓谷が見える。8:09、眺望を満喫してここからが縦走路の始まりである。コメツガの樹林帯を少し歩いて、8:16山頂に着く、ここは眺望はきかない、ほぼ満開のシロヤシオが迎えてくれた。 半月山展望台から男体山 同、中禅寺湖 半月山山頂の案内図 シロヤシオ、山頂付近 コメツガ、ダケカンバの森を緩いアップダウンを繰り返しながら、8:50第1駐車場に出た、半月の展望台から家に電話したら感度良好であった、中禅寺湖の対岸にでもアンテナが設置されているのかなと思っていたら、ここにあった。朝食をとっている家族、これから歩き出そうとする人達が数人いた。人の食べているのを見ると空腹感が出てしまい、パンを食する。 茶ノ木平方面に一人登って行った、9:00その人の後を追う、背中の荷は距離をドンドン拡大させ、あっという間に樹林帯の奥に目標が消えた。9:11狸山に着く、山といっても平坦な林中である、右に左に明るい新緑の中の道は続き、9:24再び道路に出た、横切ってちょっと登ると左手に展望が開けた、中禅寺湖の向こうに、奥白根山、一帯は緑につつまれているが、白根の山頂付近には、まだかなりの雪が残っている。間もなく1625m付近で道が左にカーブして茶ノ木平に入る、細尾峠への道が気になり地図を広げて確認をする。 ちょっと下って、平坦な茶ノ木平を通り、散策している団体さんをちらっと見て、ロープウエイ乗り場近くに出た、10:11。静かな森に伝わってくる、案内放送に異様な雰囲気を感じながら歩いていると、大きな周辺の地図があったので、細尾峠への分岐位置を確認する。10分ほど明智平方面に歩き、細尾峠2.5kmの道標に沿って右折、笹と広葉樹、シロヤシオの咲く明るい尾根筋を緩やかに下り、10:35石像を左手に見た。 中禅寺湖スカイライン横断した1495m付近から白根山 シロヤシオ、同 左明智平、右細尾峠へ分岐 分岐地点の森、シロヤシオが見頃 広葉樹と笹の道、時々倒木あり 2体の石像のある大きな岩 高度が下がり植物の様相が変化していくのを、はっきりと感じた。葉っぱの出具合、シロヤシオからヤマツツジへと花の進み方もどんどん変化していった、高圧線の下を11:01,雨量観測所を11:14、もう一度高圧線の下を11:19に通り細尾峠に11:22飛び出た。4WDが2台駐車、あとは静まりかえった、緑に包まれた山中の峠であった。両サイドにはそれぞれ、前日光高原、茶ノ木平を指していた。ミカン1ヶと給水して11:32薬師岳へ向かう。 上空はすっかり曇って、遠望はほとんどきかなくなった。体もいささか疲労感と眠気を感じてきた。薬師岳の崩落地点へ歩き始めると直ぐに着いた。なるほど、今は北側を迂回する道がついているが、積雪期はそこがアイスバーンだったら極めて危険を感じる、“ナナちゃん”の納得出来る情報である。薬師岳へは稜線づたいに行くルートもあったが、南を巻いて東の肩に12:17着、ザックをおいて12:22山頂へ。山頂の木は払われていたけれど、曇天の空に眺望はなかった。直ぐ下には祠が2つあり、何か意味があるのだろうか、向きが若干ずれていた、12:28肩へ戻る。 ここからちょっと下った所で、前方に夕日岳と地蔵岳が、今にも泣き出しそうな雲の下に、天空を仰いでいた。広葉樹の道は、果てしなく続くといった感じ、写真を撮って気を紛らす。といとう、落ちてきた、ポツポツと、でも大したことはない、そのまま歩くが、疲労も限界に近い。登に入ってからは、5分も歩くと、すぐに腰を下ろす。次の瞬間、一気にザアッーとやってきた、大きなナラの木の下で腰を下ろし、急いで雨具とスパッツを付け、ザックカバーを付ける。かろうじて間に合った、ポタポタと滴が落ち、直ぐに連続して降り注ぐ。 歩き始めたら、後方の人声に気付く、エイックソ、追いつかれるものか、やっとのことで、雨中の三ツ目に到着し、雨空を見ながら腰を下ろす、14:00ジャスト。女性2人も直ぐに到着、茶ノ木平から古峰神社までの一日コースで、歩いているとか、雨も小降りになりテントを張って荷物の整理をする。14:27雨が上がり、夕日岳へ向かう、ガスっている夕日岳へ14:44、周辺は何も見えず、山頂の散りかけたシロヤシオに夕日岳の名前の由来を尋ねたが、シロヤシオ(知るよし)もなかった、15:02三ツ目に戻る。 16:30早々と寝込むが、雷と降りしきる雨に目を覚ましテント内を点検する。笹の上に設営したもので、水はけに心配なさそうだ。直ぐに寝るも、再びスゴイ雷と雨で目を覚ます、21:00近かった。再度点検し、なるようになれ!この後は全く記憶がありません。 細尾峠、前日光高原の標識、薬師岳と夕日岳の手製標識、 薬師岳山頂の祠 夕日岳と右地蔵岳 夕日岳への道、山つつじの残り物 三ツ目、夕日岳への分岐 夕日岳山頂、ガスっていた テントを撤収して、4:26上はウインドヤッケ、雨具のズボンとスパッツで2日目のスタート。昨日の疲労はどこえやら、快調である。山道は水たまりもない、下りのスリップだけは気をつかう。4:38地蔵岳へ着く、地図上ではちょうど夕日岳と三ツ目ほどの距離である。山頂は広々した感じで、ワイワイガヤガヤ人の集まりを感じる雰囲気の所だ。傾いた祠を撮りヤッケを脱ぐ、気温は意外に高いのかも知れない、風は若干強いが心地よい初夏の風である。 ここから、丁度200mほどジグザグに下って、広々したハガタテ平に出た。左へ行くと最短距離で古峰神社へ通じている。左手は30年から40年と思われる杉森である、ところどころに真新しい皮の剥がれた木が目に付く。多分、鹿の仕業であろう、というよりは皮剥して遊んだ跡のようにも見える。それは食べた形跡というよりは、剥がしただけと言ったほうが良いかも知れない。新緑の木の葉が沢山あるのに、ヤニ臭い杉の皮を今の時期に何故狙うのだろう。こう考えながら歩いていると竜の宿という表示のある大きな岩のある平坦地を過ぎ、緩い丘と言った感じの、林床を背の低い笹で覆われた、標高1351mの唐梨子山に着いた、5:23。 地蔵岳にて ハガタテ平 引き裂かれた杉 竜の宿 ここから100mばかり下り、登り返して小さいピークを2,3越えて大岩山(1267m)を5:50に通過し、更に2,3越えて行者岳(1328.7m)に着いた、6:24である。昨日テントの中から家に、1時間着時間の変更を連絡しておいたが、予定通りなので元に戻すように連絡した、電話は通じれば便利なものだ。山頂ではシロヤシオの赤く縁取ったような葉が綺麗だったので1枚撮って6:30下りにかかる。行者平という立て札を過ぎ、下り斜面に大きな花崗岩が林立している光景が目に入る。人間にはこういった光景を神といて敬ってきたのだろう、ここは金剛童子という表示があり、脇には祠が祀ってあった。 シロヤシオの新緑、行者岳にて 金剛童子 ここから2,3上り下りを繰り返し、7:00鳥居に出た。ここで、はてな?古峰神社への矢印はあるが、古峰湿原の方向が解らない。真っ直ぐ踏み込んだ跡もあるのでちょっと入るが、どうも違いそうだ。古峰神社の方向に10mばかり進むと、大きな楢の木があり、行者沼の標識があった。しかし、1/25000地図では鳥居もなければ、行者沼もない。でも一帯は湿原という感じはする、林道を歩いていけばいずれ横根山への分岐に出るだろう、と判断し林道をしばらく歩いた。 行者沼脇の鳥居 行者沼案内板 人声に気付き、その方向を見ると草原が広がっていて、立派な建物が1棟見えた。間もなく正面に吾妻屋があり、大きな一帯の案内板が目に入った。大きな鳥居(地図にもあり)もあり、三枚石の方向も表示されていた。道中の案内板の古峰原峠はここを指し、湿原という表記は地図にも、案内板にも無いことにやっと気付く。古峰原峠着7:25、雨具のズボンを脱ぎ、小休止して7:32、250mの三枚石までの登につく。 古峰高原を見下ろせるポイントから全体を撮る、咲き残ったヤマツツジと入れ替えに咲き始めたレンゲツツジが草原の緑を引き立てていた。大きなごろごろした石のある、天狗の庭を過ぎ、樹林帯を上りつめると、その先端が三枚石である。ここは日光開山の祖、勝道上人が開いたといわれ、社には金剛童子が祀られている、と説明されていた。三枚石は花崗岩が3枚重なっているところからついたとも書いてあった、8:12〜8:25。 ここから、つつじの咲くなだらかな尾根を歩き、方塞山(1388m)に8:43出た、ここには別の表示があり方寒山と書いてあった。これは明らかな間違いでしょうか、或いは別名なのでしょうか。道は牧場の柵に沿って進み、やがて粕尾峠からの道を見ながら、横根山1372.8m、井戸湿原へ9:50、最終駐車場へは10:19で予定通り完歩した。 合計所要時間15時間52分、花は半月から茶ノ木平にかけてのシロヤシオは満開であったが、他の尾根では2週間ほど遅く感じた。芽吹きから初夏にかけて、高度差もあり広く楽しめる尾根である。また秋の紅葉シーズンの尾根も魅力を感じる。 古峰原峠 古峰原峠付近の地図 古峰原湿原、草原? 天狗の庭 三枚石 奥白根山、横根山山頂から 井戸湿原、避難小屋前から 牧場から男体山、大真名子山、女峰山 |
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