気ままな男の山歩きHOME  山行記録(日付順 )  山行記録(山域別)  走れ!“忠治”
sub3-106
赤城山(外輪山一周)
   
山行日
    2003年8月22日   晴れ   単独

コース
    八丁峠→地蔵岳→地蔵岳登山口→新坂平→鈴ケ岳登山口→姥子峠→姥子山→鍬柄峠→鍬柄山→大ダオ
    →鈴ケ岳→大ダオ→沼尾川(橋)→出張峠→出張山→野坂峠→薬師岳→陣笠山→五輪峠→
    黒桧山登山道(1550m付近)→駒ケ岳分岐→黒桧山→駒ケ岳分岐→駒ケ岳→登山道分岐→鳥居峠→小地蔵岳
    →長七郎山→小沼尻→八丁峠

   コ−ス詳細図  国土地理院1/25000赤城山に赤線で追記(破線はヤブコキ)
   


 赤城山の山行コースとして、外輪山にほぼ沿った、大沼・小沼を取り囲む峰々をグルッと一回り一日で歩いて見たい、という愚かな考えを達成すべく今日は歩く。5:02地蔵岳の最短コースの起点、小沼の駐車場の南200mにある、八丁峠からスタートする。本日の前橋の日の出が5時6分であるから、そろそろその時刻をむかえると思うが、桐生方面の山並みと雲に遮られて、遅れる兆し。ジグザグに造られた板張りの木道をコツコツと登っていく、ノアザミ、マツムシソウ、ツリガネニンジン、ヨツバヒヨドリが点々と咲く。一汗かいた頃右に大きく曲がり、緩やかになって、山頂方向に向かう、東の空は薄赤く染まり、雲間から真夏の太陽が顔を出す、地蔵岳山頂着5:22。明け行く外輪山を一望しながら、予定時間を想定する、一周8〜10時間というところかな。
  
 日の出前、鳥居峠方向                      真夏の太陽が雲間から、地蔵岳山頂、

  
 地蔵岳から黒桧岳方面                       地蔵岳から鈴ケ岳方面

  
 地蔵岳は花いっぱい                         コオニユリ

  
 マツムシソウ                              ギボウシ

 山頂の草原を抜け、ダケカンバ、ミズナラの樹林帯の中で森林浴につかり、牧場の有刺鉄線に沿って、朝露をたっぷり含んだ笹を分けて下る。5:49、新坂平の展望台下バス停から200mほど大沼よりの路上に出た。ここには駐車スペースと地蔵岳まで1.1km、標高差260mの道標あり。路上を西へ進み、エネルギー資料館を過ぎると、左手に草原が広がる、アレチマツヨイグサ、アザミ、マツムシソウ、ツリガネニンジン、ギボウシ、ネジバナ、ワレモコウが高原を彩っていた。
  
 ネジバナ                                ワレモコウ

 牧場の西、鈴ケ岳登山口から6:06、西の稜線に入る。笹の露を払いながら進むと、ミズナラの樹林帯の急登が少しあり、登りつめると右へ曲がって、緩やかな稜線歩きとなる。牧場の有刺鉄線に沿って進む、一帯は、森林浴に最適な感じのする登山道である。ほどなく赤城村へ下るルートの分岐、姥子峠へ出る、6:17。ここから小さいピークを2つ越えて、姥子山のすぐ東側を通り、僅かに下って鍬柄峠となる、6:26。再び笹の露払いをしながら30mほど登ると、小さい岩場に出て視界が開ける。一息ついて、僅かに下り登り返すと鍬柄山の山頂に立つ、6:40。東側には真下に新坂平、そして大沼の向こうに黒桧山、駒ケ岳、地蔵岳、荒山が連なり、西側には鈴ケ岳が顔を覗かす。
  
 鈴ケ岳登山口                            登山道、稜線で

  
 新坂平と荒山、鍬柄山山頂から                 同じく荒山と鍋割山

 ここからは狭い稜線を下りながら、小さいピークを5つほど通過して、鈴ケ岳のコル、大ダオへ出る、6:55。ここは、鈴ケ岳を南北に回る道が交差している。ミズナラの樹林帯の中の平坦な場所で、樹床は笹に被われている、、ゆっくり腰をおろしたい所である。小休止したあと、鈴ケ岳への急登となるが、ところどころの岩場で視界がとれ、今歩いてきた、凸凹した鍬柄山の稜線のシルエットが面白く写る。中間で肩に出て水平に進むと間もなく、大きな岩の間を通り抜ける最後の登りとなる、7:12鈴ケ岳山頂着。鈴ケ岳は、山岳信仰の地で愛宕山大神、鈴嶽神社、赤城山大神の大きな石碑が祀られている、また山道のあちこちにも祠があって、神事の姿を残している。7:25下る、大ダオ7:37。
  
 鍬柄山の稜線                             子持山、鈴ケ岳山頂から

  
 黒桧山と駒ケ岳、鈴ケ岳山頂                   地蔵岳と荒山、鈴ケ岳山頂

 笹を分けて、鈴ケ岳の北回りコースを下る、じめっとしたうっそうと茂る樹林帯である。10分ほど急坂を下ると水のない沢を横切って、平坦な所に出る。登山道は、このまま進むと、ほどなく赤城村のキャンプ場と大沼を結ぶ、関東ふれあいの道に出るが、ここからショートカットして真っ直ぐ北側に下り沼尾川にかかる橋で関東ふれあいの道に出る。シャクナゲの茂みを抜けると、小さい尾根となり、この尾根に沿って降下していくと、ほどなく沢の音がして沼尾川が見えてくる、尾根の先端まで行くと橋の西側に出るが、僅か手前で左岸に下りて川を渡って橋に上がる、8:01。ここから、関東ふれあいの道はカラマツの人工林の中を、出張峠まで沼尾川の上を沢筋に沿って登って行く、不気味なくらい静かな暗い山道である。樹間に鍬柄山が見え、沢の音に気づくと出張(デバリ)峠は近い、出張峠着8:34。
  
 出張峠付近から鍬柄山と地蔵岳                  カラマツ林に咲くフシグロセンノウ

 急な丸太の階段に疲れを感じ、峠で腰をおろそうとしたが、露も干ぬわずかな空間、やむなく出張山までもうひと踏ん張りする、8:43山頂着。眼下に広がる緑の湖畔を茶菓子に小休止、2001/5/4〜5と歩いた時に、ここでテントを張ったのを思い浮かべる。八丁峠から五輪峠まで全く同じ道を歩いている、今日はここで予定の4割というところ、残りあと5時間位かな。

 8:52腰をあげる、この五輪尾根は鍬柄山の稜線に似ている、1562mの鍬柄山と1487mの姥子山を8つほどの小さいピークで結ばれている。ここも1475mの出張山、1528mの薬師岳、1475mの陣笠山と複数の小ピークだ、高さも同じようなものである。長い年月の間に沼尾川が谷を刻み分断したのだろう。小林ニ三雄氏の著『群馬の山』によれば、数十万年をかけて現在の赤城山が出来上がった、と記している。富士山のような成層火山で2500mほどまで成長し、やがて大きく陥没して火口原湖が出来上がり、その後の活動を経て大沼となった、鍬柄の尾根と五輪尾根は火口湖の縁にあたるわけだ。

 小さいピークを3つ越えて、沼田方面の分岐野坂峠へ9:04、更に2つ小ピークを越えると薬師岳である9:09。緩いアップダウンはあと2つ、陣笠山9:21、ここを下って沼田方面の自動車道路、五輪峠に出る9:31。
  
 出張山から大沼                           出張山から大沼

  
 陣笠山山頂                               タムラソウ

 ここから黒桧山登山道1550m付近を目指して、郡界に沿ってヤブコキして進むのが本日の課題である。交通安全を祈願してコンクリート壁に建てた五輪塔を越えて、カラマツ林の笹藪に踏み込んだ、笹は40、50cmからはじまり、背丈ほどにもなった、こうなると視界がきかない。地形図に沿って、南の急斜面の直ぐ上を漕いで行く、同じことを考えた人の跡か黄色いテープを数ヶ所見た。少し下って平坦な所に出る、ここまでは順調である。

 ここからは笹から開放され、南に若干回り込むようなルートを取りながら進むと、急斜面の尾根が樹間から見えた。ごろごろした苔むした岩の間を登って行く、結構なアルバイトだ。間もなく予定していたほぼ1550m付近の登山道に出る、10:03小休止。登りの男性が来た、現在地の確認をしたが、時間的に半分か1/3位だろう、という。歩き出すと4,5人のグループが下りて来た、同じことを尋ねると、1600mだという、これで確認がとれた。7,8人の先に出ただろうか、10:35黒桧山山頂着。

 周辺の山々は雲に被われ、眺望はなかった。アカトンボが沢山群れ、暑さの中にも秋の気配を感じた。続々と登って来る人たちで山頂も賑やかになった。ここまでで2/3弱進んだことになる、あと3時間で八丁峠までいけるだろうか、10:48下山開始。10:51赤城大神、ここでもトンボが群れていた。10:52花見ケ原への道を分けて、板張りの階段を下り始めた。どうも足がおかしい、飛ばし過ぎたのだろうか、足をもみほぐしてペースを落として再スタート、駒ヶ岳着11:19。
  
 こまかな点が皆トンボ                        ススキも穂を出す、後ろは駒ケ岳

 駒ケ岳から南に稜線を辿って11:26、ベンチのおかれた休憩ポイントに出る。登山道はここから鉄梯子で覚満淵へ向かうが、このまま稜線に沿って鳥居峠へ進む。登り下り何度か歩いているルートであるが、茂みの中目標を見失う。歩き始めて間もなく、左にそれて崖の上に出る、これは直ぐに回避、しばらくは予定したルートに沿って正常に進んだ、重機の音が時々聞こえ、下る斜面の様相にも疑う余地はなかった。

 どうも沢の流れるような音が耳に入ってきた、岩がゴロゴロしてきたが地形的には似通っていた。やがて崖の上に出た、時々流れの音が聞こえる、疑問を感じたが、崖を巻いて下る。その時点で完全に沢に向かっていることに気づき、やむなく引き返す。間もなく木の間から、小地蔵岳と正規の稜線が確認でき、トラバースぎみにルートを取り、稜線に出て右手下方に覚満淵を見る、予定ルートへ戻れた。この間20、30分のロス、大事には到らなかったが、勘所に救われた感じ、12:22鳥居峠に出る。
  
 真っ赤に熟したオオカメノキの実                  鳥居峠から覚満淵

 足の調子もイマイチであるが、予定通り小地蔵岳は直登する、ゴロゴロした岩が妙に歩きにくい、進まない。なぜか下ばかり気になって、周りを見る余裕がない、やっと12:56小地蔵岳着。西へトラバースして南から回り込む正規ルートの方が早かったかな。ここからは緩やかな登りに救われた、どうやらゴールが見えてきた感じ、13:19長七郎山山頂着。

 地蔵岳、黒桧山は雲の中、足元の花もなぜか、鮮やかさを失って見える、完全に気のせいだ。林道へ出るまでは順調に下ったが、ここからが往生した。距離にしたら目と鼻の先、オーバーかも知れないが膝が曲がらない状態だ、こんな経験は最近ではない。ペース配分の失敗だろう、出張山まで飛ばしすぎたのと、五輪峠から黒桧山まで一気に踏ん張り過ぎた結果だろう、足を引きずって終着八丁峠着13:54。
  
  ヤマハハコ、長七郎山で                      ツリガネニンジン、長七郎山で

 累計標高差ざっと1500m、総所要時間は8時間52分の散々な山行であった、反省10時間で配分すべし、それと、急がば回れか。

気ままな男の山歩きHOME  山行記録(日付順 )  山行記録(山域別)  走れ!“忠治”