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sub3-107
赤岳(八ヶ岳)
山行日
    2003年9月2日  曇り   単独

コース
    美濃戸(やまのこ村駐車場)→行者小屋→赤岳→行者小屋→美濃戸

 今年の天気予報はハズレが多い、特に1週間先はまず当たらない、まして山地は尚更のこと。でも期待して行動を起し、裏切られる、この繰り返しである。昨日の夕方の予報で登山口にあたる長野県原村は、21:00曇り、24:00晴れ、あとの3時間おきは皆晴れであった。長野県に入って、八ヶ岳高原ラインを走ると、雨が降ってきた、妙な予感がする。雨は大したことなく少時間で止んだ、24:00美濃戸の駐車場着、仮眠。5:00天気は曇り、薄暗い中を出発する、稜線は霞んでいるようだ。

 3軒目の山荘を過ぎた所で、南沢沿いの登山道に入る。石ころのゴロゴロした道を右岸沿いに進むが、3回ほど橋を渡ってまた右岸へ戻る。斜面はシラビソとコメツガの混生林で、樹床の岩石は苔に覆われ、その濃淡が美しい。ジグザグしながらの急登が続き、祠のある大きな岩の下に出た、祠は岩肌と同じ黒っぽく苔むしているので気付きにくい、山岳信仰の歴史を思わせる立派なものだ。間もなく沢の両岸を行き来し、水がなくなる所で勾配は緩くなり、樹もだんだん細くなって河原のような所に出る、登山地図で白河原と書いてあるところのようだ。ここから少し歩くと、霧に包まれた静かな樹林に発電機のエンジン音が聞こえ、音は更に増し行者小屋に着く、小休止6:42−6:56。

 一面にガスっている、視界は20,30mというところ、数張のテントが見えるが、行動している気配はない。ここから予定通り赤岳へ直行する、ハイマツ帯に入り、6:58阿弥陀岳への道を分ける、鉄製のメッシュ材で出来た階段を登る、ハシゴも出てくる。点々と咲いているトウヤクリンドウの白い花が、霧の中で良く目立つ、行く手にザイルを持った男性を1人見つける、どうやらこの男性は、赤岳西壁にアタックするようだ、ガードロープに目印を付けた場所から入っていった。7:27、今度は雨具を着けた同年輩の下山してきた夫婦に会う、「全然見えなかった、良くなると言っていたのに・・・・・・」、「そうですね・・・・」、と返した。

 間もなく7:35、阿弥陀岳と赤岳の稜線に出る、風が強い、視界は10mちょっとしかない。半袖シャツでは寒い、1枚着込んで岩場へ向かう。岩陰では、チシマギキョウ、イブキジャコウソウ、ウメハタザオが秋の気配に身を震えさせ、咲き急いでいた。霧のチャンスをみてシャッターを切る。8:00赤岳山頂2899m着。
  
 山頂直下の岩場                           キレットへの分岐点

  
 赤岳山頂                                 山頂の岩陰でトウヤクリンドウ

 山頂を踏んでみたものの、流れゆく雲に好天の兆しは見えず、風を避けて知人に電話、早々に下山する、8:15。鎖場で若い男性に会う、会話は一緒、「この天気では・・・・・」。岩場を過ぎるころ、雲の動きが変わってきた、一瞬ではあるがパッと霧がとれ行者小屋への道標が前方に見えた。小屋分岐9:03、半袖になって稜線から離れる、上空には真っ黒な雲の中にちりばめたような青空が顔を出す。天気も徐々に回復しているようであるが、ここから山頂に戻る勇気はない。鉄ハシゴにかかると、岸壁に人の姿、往路で会った人だ、近場に立つ遭難の碑に思わず目が走った。2人、5人、3人・・・と行き交う、「(天気が)あがってきましたね、・・・・」、9:09行者小屋着。
  
 一瞬霧がひいて稜線に道標が・・・                赤岳の西斜面

  
  西壁に人影が・・・                          中岳が雲間に・・・

 沢筋は霧がすっかり上がり、苔むした斜面が一段と輝きを見せる、下界へ続く一筋の道も美しさを取り戻す。二つ目の橋を渡ったところで、岩場に群生するダイモンジソウを見つける、眺めているとゴソゴソ物音がヤブの中に、見ると大きな日本カモシカが斜面を登って行く、真っ黒なのでもう一度目を向ける、熊ではなかった。
  
  苔むした樹林帯                           シラビソの道

  
  沢沿いの岩場でウメバチソウ                    同じくダイモンジソウ

  
 ひっそりと祠が二つ                          南沢にかかる橋、3,4ヶ所あり

  
  マアザミ                                サラシナショウマ

  
 ソバナ                                  キツリフネ

 汗ばんだ顔に沢の冷気は気持ちいい、点々と咲くサラシナショウマの大きい花穂、下界はもうすぐそこ。林道にかかる橋を渡り、キツリフネを撮って赤岳往復の山行は終わった、10:50駐車場着、総所要時間は5時間50分であった。天候がよければ赤岳、横岳、硫黄岳と稜線を歩き一周する予定であったが、今日も残念であった、次の機会としよう。車で、反対側の野辺山を通過するころ、山頂部はまだ雲に覆われていた、やはり・・・・。


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