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常念岳・蝶ケ岳

山行日
    2005年10月12日   晴れ    単独

コース 詳細はこちら
    三股駐車場→三股分岐→前常念岳→常念岳→蝶ケ岳→三股分岐→三股駐車場

 明日(10/12)は東北は晴れ、新潟も晴れ、夕方の予報だと、長野も晴れに変わった、目的地を常念岳に変更して車を走らせる。途中、小雨が所々でまだ降っていた、23:00三股駐車場着、10台ほど駐車していた、仮眠。4:00起床、荷物を詰め込んで、ヘッドランプをつけて4:45出発する。20年ほど前になろうか、燕岳から蝶ケ岳まで縦走した時、一度だけ三股を利用したことがある。当時は未舗装で、底をつきながらタクシーが走っていたが、今は駐車場まで舗装され、トイレも備わって快適だ。遮断機の脇を抜け、500mほど砂利道を歩くと指導所らしき建物があった。ここから山道となり、2分ほどで蝶ケ岳、常念岳への道が分かれる、4:57。

 泥濘んだ林中の急登がはじまる、木の根に足をとられそうになりながら進む。5時半頃、曇っているが、明るくなりランプをしまう。本日の予定コースは、累積標高差約2000m、山地図の行程時間は10時間半、となっている。蝶ケ岳へのルートの方が、若干勾配が緩いようであるが、展望はこちらの方が良いとみた。6:06、小休止、朝食をとる、コメツガの大樹の間に赤く輝く常念岳の山頂(?)を見た。ここから間もなく、平坦な場所に出る、地形図で2207mと表示された尾根上の場所であろう。広葉樹が混生するコメツガの森で、ナナカマド、カエデ、ダケカンバが色づき見頃を迎えていた。尾根筋には、見通しの利きそうな所があったが、霧のため見えず。
  
 三股から2分ほどで蝶ケ岳と常念岳方面に分かれる   林中から赤く染まった山頂部(?)を見る

  
       尾根筋の紅葉、主にナナカマド、カエデ、ダケカンバとコメツガの混生林

  
     なかなか見応えのある樹林帯であるが、霧に包まれて眺望がなかった

 露出した花崗岩が点々と現れてくると、間もなくハイマツ帯に入る。多分霧がなかったらすばらしい光景が見られるのではないか、と思う。ハイマツが薄くなり、不安定な岩石の露出する斜面を登りかけた時、霧が急速にとれつつあった。次の瞬間、前穂、奥穂が霧の中に現れた、ヤッタ! 続いて、蝶槍、蝶ケ岳が見え、また隠れた。見え隠れする時間間隔が、刻々と変化していく、見える範囲も広がる。霞沢岳が見え、乗鞍岳も雲海に浮ぶ。このベールが剥がれていく瞬間、光景は生き物のようだ、ここだけで20、30シャッターを切ったようだ。浮石の目立つ斜面を登り、大きな花崗岩の岩場を歩く。周囲に気をとられ、つい足元を疎かにする、ルートの目印を見失って、オットット。
  
 ハイマツ、紅葉した潅木、露出した花崗岩の綺麗なところ    山肌が霧の中に・・・

  
 前穂、奥穂が霧の中                     蝶槍も顔を出す


  霧の中に突如現れた北アルプスの山塊


  その姿を刻々と変えていく


  雲海の上に乗鞍岳も、前穂、奥穂、涸沢、北穂がくっきりと

  
 御嶽山も蝶槍の左に                    前常念岳の避難小屋

 一歩上がるごとに姿、形を変えていく山塊、これも霧が晴れていくのと同じ、楽しみだ。前常念岳付近に近づくと、北アルプス北部が見えてきた。これが嬉しくてたまらない、手前に横通岳、奥左に大天井岳、右奥に燕岳、そして後立山の山塊が雲海に浮ぶ。燕岳の右に針ノ木岳、その右に鹿島槍、白馬が重なる。欲いえば、雲海がちょっと高い、時間の問題かな。

 大きな花崗岩を乗越えたり、回ったりして常念小屋への巻き道分岐点に出る。もう主稜線を歩いている気分、主峰常念岳の山頂を左手に見ながら、快適なピッチ、左右前後を気にしながら前進する。

手前に横通岳、奥左に大天井岳、右奥に燕岳、その右に後立山連峰

  
 横通岳、左大天井岳                燕岳の左に立山、剱岳、右に針ノ木岳〜白馬(重なって判別不可)


 主峰、常念岳山頂も近し、燕岳〜蝶ケ岳を眺めながらお屋根の散歩

  
 おや! あれはどこかな? 黒岳だ           蝶ケ岳、御嶽山と乗鞍岳遠望

  
 まとめて、穂高                        横に這ってる道が見えた


  蝶ケ岳〜常念岳の尾根、御嶽山、乗鞍岳、穂高

  
 常念小屋への巻道分岐                   振向けば前常念岳と雲海に八ヶ岳

  
  クロマメノキの紅葉                     逆方向から見た紅葉、八ヶ岳の右に霊峰富士が現れる

 常念小屋への巻き道を分けて一登り、主稜線にでる、9:26。ここで、表銀座の主峰槍ガ岳が姿を現す。大天井岳から西岳への尾根、喜作新道、南岳〜槍〜東鎌尾根、鷲羽だけ、黒岳を一望する。ここまで来たら、常念も目と鼻の先、下山してくる年輩の女性達に今日はじめて会う、興奮冷めやらぬ表情に、私の足が動き始めているのを感じた、早く見たい。
  
 常念岳、もうすぐそこ                    主稜線に合流、表銀座の主峰、槍ガ岳が現れる


      中岳〜槍〜東鎌尾根、鷲羽岳、黒岳を一望する


 一段上がると、深い谷まで見えてくる、山頂直下から

 合流点から、真南に10分少々、三股からの急登のゴールである、9:38常念岳山頂2857m着。360°の絶景が広がる、東側から南西にかけて高い雲海に、八ヶ岳、富士山、南アルプス、中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳が並ぶ。槍・穂の稜線、後立山の山々、燕〜常念〜蝶の稜線、絶景かな絶景、というところ。好天に飛び交うヘリコプターの遊覧飛行、手を振れば、振って答える観光客。パノラマ展望板を見て、山を確認し、納得、を繰り返す、10:20山頂を後にする。
  
  横通岳 大天井岳、山頂直下から            常念岳山頂2857m

  
 手前が前常念、雲海に八ヶ岳、富士山、南アルプス      御嶽山、乗鞍岳遠望、手前に蝶ケ岳、右穂高

  
  穂高〜キレット                       キレット〜槍ガ岳、手前は西岳〜大天井の尾根

  
槍の手前は西岳〜大天井の尾根、右奥は鷲羽岳〜黒岳  その手前に、大天井岳、横通岳、奥に立山、剱の山々


  上の5枚相当をパノラマ加工したもの


 後立山をアップ、龍王岳、立山、剱岳   針ノ木岳、蓮華岳   旭岳、鹿島槍ケ岳

  
 この方向からが一番鋭く見えるかな、槍ガ岳     キレットの向こうに白山がチョコンと見えました

 下る光景もまた楽し、東から見た鋭く切り立った常念岳とは想像もつかない緩い笠状の山頂から始まる。次に蝶ケ岳に向って最初の小ピークが重なってくる、一見双耳峰に見える角度もある。やがてこの小さいピークは、主峰の斜面に吸収され特長のある単峰となる。この変り行く様を振り返りながら見入る。谷を隔てた槍・穂を歩いているような錯覚、近づいて大きく形を変える蝶ケ岳、首を振るのも忙しい。P2592手前の鞍部11:10、シラビソの樹林帯を通り蝶槍手前の鞍部12:18、ここから200mほど急登となる。そしてまた絶景が広がる、蝶槍着12:47。
  
 ちょっと南に下ったところから前常念岳          同じく常念岳

  
 同じく、蝶ケ岳までのルート、点在する小ピーク     蝶ケ岳全容

  
 前常念岳の斜面も厳しさを増す              槍ガ岳も真っ青な空を突くようだ


   時々流れてくる山のけむり、槍・穂の主稜線

  
 蝶ケ岳に流れる雲                      花崗岩質の岩石が露出する稜線

  
 まだ蝶までの道中は長そうだ               間もなく鞍部、蝶槍が隠れそう


 槍・穂、露岩の山並みも光線の当たり方で、穂高は黒く、槍は白っぽくなって見える

  
  流れる霧もアクセント、紅葉の山裾           常念が双耳峰に見えるポント

  
 シラビソの樹林帯から常念岳               同じく、槍ケ岳

  
  鞍部に小さい沼、オタマジャクシが沢山いましたが、冬は?  蝶槍も近く、手前の鞍部付近

  
 ボコボコボコって樹間から穂高                     同じく、槍


  樹林帯から抜けて、蝶槍手前から槍・穂の稜線、右は霧のかかった常念岳

 絶景を堪能しながら、ちょっと遅い昼食、乾燥芋とバナナはどうやら持ち帰りかな、13:00出発。僅かに下って緩やかに登り返すと三角点のある蝶ケ岳山頂2664.3m着、13:08。緩い円弧を描いたようなピークが3つ並んでいる、ガスった時の目印か、登山道には小石が並べてあった。小屋は次のピークの影であるが、ピークに10人ほど見える。僅かに下って横尾方面の道を分ける、13:13。登り返して13:33小屋の上のピーク着。
  
 蝶槍、北側から                        蝶槍山頂、後は常念岳、大天井岳

  
 蝶槍から蝶ケ岳、三角点は手前のピーク          常念岳がこんな格好に、蝶槍から

  
 三角点のあるピーク                     三角点、後は常念岳

  
 横尾方面分岐                         ここから少し登るとヒュッテ上のピーク



 ピークから槍・穂

  
 じっと見入る一人の登山者                ヒュッテ脇から槍・穂、右が展望ピーク

 常念・蝶の槍・穂の大展望コースはここで終了した。あとは急坂を下って出発点の三股へのコースを歩く、3時間かかったとしても明るいうちに下山できるだろう、三股分岐点13:40発。まめうち平15:13、三股2.5km、ヒュッテ3.9kmの道標あり。下り道で、これからヒュッテに向う人たち20人ほど会う、「絶景が待ってますよ」、と一言。朝通った常念岳分岐16:12、三股駐車場16:23着で本日の山行を終えた。
  
 三股へのコース分岐                     見納めの槍、小屋のすぐ下


 下り道、樹林帯から蝶ケ岳と常念岳

  
 日が傾きかけて、常念岳の影を深い谷間に映す     下界の街が見えた、もうすぐ三股だ

 総所要時間、11時間38分であった。私の持合せの山地図ではコースタイムが10時間半となっているが、最近のS社のものでは一周12〜13時間になっているとか。今日は、いい景色を久々に見て、疲れも半減、気持ちスッキリ、また歩きたいなあ、このコース、花の咲く頃いいだろうなあ。

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