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和名倉山(白石山)

山行日
    2007年6月5日  曇り時々晴れ   2名

コース 概略図はこちら
    三ノ瀬登山口→牛王院平→山ノ神土→東仙波→川又分岐→ニ瀬分岐→和名倉山→ニ瀬分岐→川又分岐
    →東仙波→山ノ神土→牛王院平→三ノ瀬登山口

 三峰神社から雲取山を歩く度に、あそこに見える真っ平な山、和名倉山を何時か歩いてみたい、と思っていた。昨年秋、日本橋から雲取山、三峰神社と歩き、来年こそはきっと、と願望も頂点に達した。良く同行する東松山のMさんに話すと、「では、来年一緒にやりましょう」、と言ってくれた。検討した結果、今がチャンス、日帰りで決行しようと、本日の山行となった。

 奥秩父の縦走路からポツンと離れた位置にあり、しかもコースも難しい、と聞いていたが、山地図&ネット情報から、コースタイムは三ノ瀬登山口から往復11時間あまり、早発ちすれば問題ない、ということで朝食をすませ、Mさん先頭で、3:12民宿の駐車場を出発する。朝日谷に沿って林道を15分ほど歩き、間もなく将監峠方面の道と分かる、3:40。左右笹の茂った道を進み、P1611を左に巻くと、七つ石尾根に出る。薄明るさも感じるが、おぼろ月だけが明け行く空に残る。甲高いホトトギスの鳴き声が時々森に響き渡る。右手がカラマツの人工林になると、ヘッドランプはもういらない。東の方向に薄い雲のかかった雲取山と大洞山が顔を出す、4:35牛王院平着。
  
 日の出前、カラマツの間に雲取山と大洞山        東京都水道水源林の標柱のある牛王院平

 不用なものをザックに入れていると日の出となる、雲が多いのだろう、輪郭がクッキリしない。平坦な縦走路を西へ、4:45山ノ神土着、ここで右手和名倉山、直進笠取山方面縦走路、左は縦走路の巻道となっている。“山ノ神”から祠でもあるかと探したがなかった。和名倉山への道に入ると、笹の道は意外に広く、斜面の道は滑りやすいが、この土日に歩いたような踏み跡がしっかりついていた、4:59水場着。ここで小さな橋を渡り、ストックで露払いしながら進むと、縦走路の西御殿岩から北に張り出した尾根の鞍部に出る
  
  枝間に日の出                       縦走路から白石山(和名倉山)方面に入る

  
  笹道が続き                         水場で小さな橋を渡る

  
  縦走路の西御殿岩から北に張り出した尾根の鞍部に出る  鞍部で尾根に出て西御殿岩方向を撮る

 鞍部から雲取山と大洞山が遠望でき、大洞山の右に霊峰富士が薄っすら見えていた、僅かに進むと本日の目的地、和名倉山の山頂部が見えてきた。周りこんだ所で早くもシャクナゲ、オオカメノキの花が登場、あっちにもこっちにも、林中で撮ろうとしたが、群落を期待して先へ進む。リンノ峰1974mの西側を巻くようにして、アズマシャクナゲの群落に出た。
  
鞍部から雲取山と大洞山遠望、大洞山の右に霊峰富士が薄っすら見えてました  少し進と和名倉山の山頂部が見える

  
  山ノ神土方向を振り返る                 周りこんで早くもシャクナゲ登場

  
      ここでも沢山咲いていたので、先々を期待する、蕾もたくさん残っている

  
                オオカメノキ、こちらも満開、若葉の森に純白が映える

  
  正面リンノ峰1974mの左を巻く                谷側は雑木、山側はシラビソ

  
  枝間から西御殿岩2075m、唐松尾山2109.2m     咲き始めたアセビ

 これはスゴイ、尾根に沿って連続して自生している、混生しているアセビも花をつけ競演している。色も白っぽいものから咲きたての赤の濃いもの、そして真っ赤な蕾、一様でない色合いと花数に陶酔する。勢いあまっている株もあり、花を咲かせながら新芽が10cmほど延びているものもあった。花の廊下かトンネルか、間を抜けて気分爽快。

【リンノ峰巻道〜西仙波付近のシャクナゲ】
  

  

  

  

  

  

 良く出来たものだ、西仙波の手前で一区切り、今度は眺望に切り替る、リンノ峰1974mの左に大洞山、右に富士山がうっすら見える。雲多く、画像に出せなかったのが残念。再びシャクナゲの尾根へ、今度はどんな姿を見せてくれるのか。近くの山並に合せたように、枯れ木、切り株、老木をモチーフにシャクナゲが彩る。
  
         リンノ峰1974mの左の大洞山、右に富士山がうっすら見えた

【西仙波付近から東仙波との中間点付近までのアズマシャクナゲ】
  

  

  

  

  

  

  

  

 シャクナゲは西仙波と東仙波の中間の小高いピークでまた途切れ、辿ってきた山並をじっくり拝ませてくれる。富士山は若干雲がとれてきた、画像では難しいだろう。東斜面は芽吹いたばかりのカラマツで埋められている、まるで芝生を敷き詰めたよう。微妙な色合いの変化が、これまた美しい。高度の差も色合いに変化をつけている。
  
仙波と東仙波の中間付近から南の辿ってきた山並      大洞山と富士山(大洞山の右に、分かります?)


   同、パノラマ合成

【西仙波と東仙波の中間付近から東仙波付近までのアズマシャクナゲ】
  

  

  

 中間の小ピークで小休止、6:25−6:40、一登りして三角点のある東仙波2003.1m着、6:53。ここから、コースは90度左に曲がり、50,60m降下する。登り返して小高い展望の良い焼小屋頭へ。焼小屋頭周辺は、山火事の跡と思われる焦げた木片がアチコチに落ちている。
  
 中間の小ピーク付近からアセビ              中間の小ピークから辿ってきた尾根、手前はアセビ

  
                  同、東西仙波中間の小ピークから辿ってきた尾根

  
 同、大洞山と富士山(大洞山の右に、分かります?)     同、和名倉山山頂を最奥に見る

  
 同、両神山遠望                       東仙波山頂付近から小ピーク

  
  東仙波2003.1m山頂                    三角点あり

  
  焼小屋の頭を正面に下降する                焼小屋の頭への登り

  
 鞍部から東仙波と休憩した小ピーク(右)         焼小屋の頭


    焼小屋の頭から東仙波〜西仙波、右は西御殿岩〜唐松尾山方面


   東仙波(右)〜カバアノ頭(左)、奥は主稜線


           仙波〜西仙波、右は西御殿岩〜唐松尾山方面

  
        焼小屋の頭付近、山火事の後と思われる焦げた木片がアチコチに

 焼小屋の頭からイワカガミの咲いている大きな岩の横を通り、シャクナゲの尾根を抜けて、吹上という展望の良い岩場に出る。シャクナゲはここで終わっている。和名倉山の山頂部に大分近づいた感じ。
  
    焼小屋の頭北側の岩場              伐採時使われたワイヤーがいたるところで放置されている

  
  大きな岩場の横を通る                  イワカガミが沢山咲いていた

【シャクナゲ、尾根筋最後の群落】
  

  

  

 岩場から霞む主稜線の山々を眺望し、樹林帯を抜け、ガレ場を横切って再び樹林帯に入る。小さなアップダウンを繰り返し、八百平という平坦な地に出る、7:52。更に、緩やかに上って川又分岐、8:02、新緑萌えるカラマツとカエデの林を進んで、二瀬分岐に出る、8:12。ここから90度東側に曲がり、尾根直下をカラマツ林、千代蔵休ン場を通り、赤い紐とテープを確認しながら北方向に歩く、緩やかな登りである。
  
  吹上の岩場                        西御殿岩〜唐松尾山方面

  
  樹林帯を抜け                         ガレ場を横断する

  
  再び樹林帯を歩くと平坦な空間に出る、八百平    緩やかに上って川又分岐

  
                      新緑萌えるカラマツとカエデの林を進み

  
    二瀬分岐                 右に曲がりカラマツ林をテープ&紐を確認しながら尾根直下を進む

  
  千代蔵休ン場                       南は開け辿ってきた尾根が展望できる

  
   苔生したゆるい斜面の下側を横断して        最後、北方向に向う

 間もなく樹林帯にぶつかる、北隅に山頂への案内板、ここから3分とあるが慎重を要す。踏み跡とマーキングを確認しながら、倒木を跨ぎながら進むと、直径6,7mの円形の空間に出る。ここが和名倉山山頂2036.0mである、三角点があり、私製山名板もある。Mさんと到着を喜び合い、8:28−8:50、小休止。
  
 樹林帯にぶつかる(南向きに撮った)            北隅に山頂への案内板

  
  倒木の間を赤い紐を確認しながら進むと        3分ほどで和名倉山山頂に着く

  
  三角点、2036.0m                     直径6,7mの円形の空間がある

  
   この一歩先は倒木で埋め尽くされ、入山が難しい(危険かも?)

 山頂を後にして、来た道を折り返す、二瀬分岐9:12、川又分岐9:21、八百平9:32、吹上の岩場で小休止10:00−10:10、付近で1名会う、東仙波10:50、直ぐ南の小ピークで小休止11:00−11:10、西仙波付近11:23通過、水場12:04、山ノ神土12:20、牛王院平12:28、
  
                     ミツバツツジの咲く新緑の森を散策しながら下山

  
   ミズナラノ大木が出てくると               将監峠分岐、右将監峠、左牛王院平


将監峠分岐13:37、三ノ瀬登山口着14:15、で和名倉山山行を終えた。総所要時間は、11時間03分であった。薄日が時々差し、視界は良好、ルートも予想していたよりはるかに良く、眺望の全く聞かない所は意外に少なく、全て順調であった。尾根筋の満開のアズマシャクナゲで疲労を忘れ、充分満喫できる山行であった。M氏も“大満足、大満足”を発していた、これにまた私も大満足である。

   参考資料:昭文社の山と高原地図26《奥秩父1雲取山・両神山1997年版》、日本200名山を登る上巻100-101page


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