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鳥甲山

山行日
    2006年10月3日    曇りのち晴れ    2名

コース
    和山鳥甲山登山口→白ー→屋敷方面分岐点→鳥甲山→屋敷方面分岐点→赤ー→屋敷鳥甲山登山口

 栄村から、苗場山、佐武流山、白砂山から山容を見、いつか歩きたいという願望はあった。しかし、岩山でとても私の技量では及ばない山だ、山地図を見ると“本格的上級者向き”の記載、ガイドブックを見れば熟達者向き、とある。春に守門岳を歩いた帰りに、Mさんからこの話が出た、「では秋にでも・・・」、ついにその機がきた。どうせ歩くなら、和山側から入って屋敷側に抜けるコースを、林道は車2台使って、という計画で進んだ。早立ちをしようと思ったら、計算違いを生じた、津南から10kmほど入った所で5時まで通行止め、仕方なく待って通過、結果的には雨が止み、完全に明るくなった。6:00、雨上がりの和山鳥甲山登山口(標高1020m)を、スパッツを付け出発する。

 草丈も低くスパッツで充分である、直にブナ林に入り、勾配を増していく。視界は30〜50mほど、ブナは浅く紅葉し、高度とともに色濃さを増した。ほどなく尾根筋に出ると紅葉もそろそろ見頃を迎えているようだった、カエデ、ウルシ、ツツジなどなど。先方から人声が時々聞こえる、車は登山口に無かったから和山温泉から出発したのだろう。間もなく最初の鎖場手前で、その5人のGrに先をゆずってもらう。ガスで視界は30mほど、紅葉を見ながら小さいコブを10ケほど越えただろうか。雲間に太陽を一瞬見た、雨にやられることはないだろう、一安心。岩場も滑ることなく、通り過ぎオオシラビソの樹林帯に入る。と間もなく平坦になり、左右ネマガリダケの道に白ーの道標を見た、8:12。「バカに早いなあ、コースタイムでは3時間20分だけど」、とMさんが、「ガスで眺望はないし、鎖場も2人きりですからねえ」、「工事屋さんにお礼言わなくっちゃ」、と一言。
  
信州秋山郷鳥甲山登山口と書いてある、和山側登山口  登山口から見えた鳥甲山尾根筋(帰路撮る)

  
                       霧の中のブナ林を行く

  
  尾根に出て小さなコブを次々に越える、クサリ場あり、鉄ハシゴあり

  
  ホツツジの残り花                     岩峰に真っ赤なウルシ

  
  ノリウツギ、実(?)がドライフラワーのようだった   尾根筋の登山道、視界30mほど

  
                           ミネカエデの黄葉

  
    スノキの紅葉                       ウルシの紅葉

  
 ちらっと日がさし、越えてきた小ピークが    オオシラビソ、クロベ、シャクナゲ、イヌツゲの常緑樹とネマガリダケの森に入る

  
   白ー1944m                        進行方向に岩峰がかすかに

 ここから、北側へ、オオシラビソと少し色づいたダケカンバ、ナナカマドの混生林の中を100mほど下る。鞍部付近では、真っ赤に染まったカエデが迎えてくれた。これから向う岩峰か、時々霧の中にボウッと姿を見せる、ほとんど垂直な岩場を登るのだろうか、不安もチラリ。狭い尾根を鎖に身を委ね、紅葉見物しながら進む。ダンダン緊張も取れ、これで山並みが見えたらなあ、残念。間もなく岩峰に突き当たり、立て札を見ると、“先へは進めません”の表示。横に這って行くのかな、と先を見ると道は見える。真下に踏み跡があり、横は枯れ枝が並べられ止めていた。小さく下って登り先ほど見えた道に出る。どうも、岩峰を越えたような取り残された跡あり。

 ガスも大分とれ、岩場と紅葉を眺めながら、「このアングルでもう1枚・・・・、こっち側から・・・」、いつもの2人の会話だ。「カミソリの刃、ってどこだろう」、「ここまで危険を感じる岩場はなかったし・・・・」、Mさんがガイドブックのコピーをポケットから出して開き、こい言う「かって難所だったカミソリの刃の岩稜は、今では安全に通過できる、と書いてある」と。結局、赤ーからの尾根との合流点手前で渡った、網状にワイヤーロープでヤセオネを被い、鎖を併用した、2,3mの距離の怪しいポイントが多分カミソリの刃なのだろう、と思った。
  
  北側はオオシラビソと少し色づいたダケカンバ、ナナカマドの混生林となる

  
          鞍部付近から、行く手に何やら岩峰が・・・、振向けば白ー

  
                   カジカエデも真っ赤に色づき

  
                       樹間に山並みが見えるが・・・・・

  
   コシアブラの薄い黄葉                 岩峰も近づいて・・・・

  
                      これもカジカエデかな?、奇麗だ

  
                ヤセオネを鎖を伝って渡り、右は大きく落ち込んでいる

  
      ツツジの類と思うが真っ赤っかだった        

  
                    白っぽいた綿状の地衣類はニセカラタチゴケ

  
               狭い尾根をクサリにしがみついて・・・・・

  
  この岩は登ってはいけません、横に這うもだめ、すぐ下を巻くようになってます

しばらく、岩場を見ながらの見物コース
  

  

  

  
 ここがカミソリの刃とかいわれるところだろうか、網状ワイヤーと鎖の併用、2,3mなのだが・・・・    北側から見る

 カミソリの刃を通過して登り返しまた少し下った所で小休止。ここは草原状になっており、クサモミジが見頃を迎えていた。タムラソウの残り花、これは名残花とでも言った方が良いのか、葉は紅葉し花が一際鮮やかに草むらに輝いていた。ここまで来ると赤ーからの尾根も見え、合流点はもう近い。休憩点からほんの4,5分、赤ーからの尾根と合流する、9:37。分岐点には斜めになった電柱ほどもある道標があった。見ると30mとあるが、削られた感じ、あと300mかな? 山地図では山頂まで20分とある。しかし、どう見てもすぐ先50mかあっても100mぐらいが山頂らしい。
  
                     ここで鎖場が終わりほっと一息

  
 赤ーからの尾根、右の雲のかかったピークが赤ー    カミソリの刃(?)はピークの向こう側

  
  斜面にタムラソウの名残花、葉は紅葉している    赤ーからの尾根との合流点、山頂まで100mほど

 思った通り、ゆっくり歩いてここから10分、9:37オオシラビソに囲まれた鳥甲山山頂2037.6mを踏んだ、最後はあっけなかった。腰を降ろして昼食をとったが、眺望のきかない山頂、わずかに南西方向の山並が見える程度、まだガスっており何処の山並だか見当もつかない、10:05帰路に着く。
  
  鳥甲山の山頂直下                    リョウブの花

  
  鳥甲山山頂2037.6m                    南西側から雲間に見た山並み

 分岐点付近に戻ると赤ーが霧の中に見え隠れしていた。少し下るとガレ場の横を通過する、燃えるようなクサモミジと真下を撮る。見渡すと、5人衆が先ほどの休憩点近くを歩いていた。一旦下って山頂部を眺めると、一見、緑に包まれた穏やかな山頂部で、岩山とは想像もつかないほど女性的な山容を映していた。
  
          分岐点付近から赤ー方向、時々霧がとばされて見える

  
  赤ーの北西、西ノ岩菅1642.4mか           向う赤ー方向

  
   ガレ場より真下を撮る                 クサモミジは今が見頃

  
  後続の5人集が分岐点に近づく             ハウチワカエデの紅葉

  
   鞍部付近から鳥甲山山頂部             オオカメノキ

 緩やかに登り返すとバケカンバの木に赤ーと書かれたプレート、ここまでも意外10:37、先ほどの白ーから分岐間の時間とは比べものにならない、1675mまで下ってしまった。そばには、大きな四方に枝を伸ばしたブナの木があった、直径1mほどあろうか、赤ーの主なのだろう。紅葉も今が盛り、風格に圧倒されそう。大きなブナの木もあちこちで見ているが、横綱級だろう。北東方向に下った所で赤ーを撮る、全体としてはネマガリダケと笹の緑に包まれ、ダケカンバとブナの紅葉が目立つ。赤の目立つ登山道に変り、といってもモミジの錦、P1460で小休止。

  赤ーでブナの黄葉

  
      赤ー                         北東方向から赤ー

  
   ブナ                             オオカメノキ

  
  ガレ場の真下を撮る                    紅葉の錦に彩られた登山道


  振向いて山頂はどこかな?


  進行方向下には点在する集落が

  
  上野原付近かな                      西ノ岩菅(?)

  
  名残花、マツムシソウ                   先方に1460P、「Mさんあそこで休もうよ」

  
                紅葉も4分から5分程度かな、でも奇麗だ

  
           南側の山並みの方がちょっと進んでいるかな(斜面は北側)

 大分下った感じ、苗場から佐武流の尾根も雲があるものの山容は想像がつく、歩いたその日を思い出し、あれこれ茶菓子に。ここから急坂の下山となる、時々鮮やかな紅葉に立止まる、目立つのはツタウルシだ。ブナにはかわいそうだが、これも自然なのだ。ブナ林も次第に緑を濃くし、車の音に気付くと林道へ出て本日の山行を終えた、13:21着(登山口標高860m)。

  Mさんは佐武流山を気にしていた、薄っすら見えた苗場〜佐武流の尾根

  
                        ツタウルシとブナの紅(黄)葉

  
               標高差で300.400mの差で緑が濃くなったブナ林

  
 胴の直径が40mm超のマムシ、そっと写真だけ撮りました    下山口(屋敷鳥甲山登山口)
  写真をクリックすると拡大します

 総所要時間は、7時間21分であった。ひとりでは足の遠のく山だったが、Mさんと二人、全然悩まず紅葉を楽しみながら歩けた。雨も止んで、弱い日もさした、これも安心材料だった。終わってみれば、こんなものか、となるがあくまでもワンチャンスのこと、次は同じ条件で歩けるとは限らない。こう我が身に言い聞かせつつ、家路についた。


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