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天狗岳・ニュウ(八ヶ岳)

山行日
    2008年9月10日   晴れ   単独

コース 概略図はこちら
    稲子湯→唐沢橋→ミドリ池→本沢温泉→東天狗岳→西天狗岳→中山峠→ニュウ分岐→ニュウ→
    白駒池分岐(十字路)→唐沢橋→稲子湯

 昨日から日本列島は高気圧に被われる、久しぶりに北八ヶ岳を歩く。4:55薄明るくなった稲子湯を出発、雑木林の中のグシャグシャ道を抜ける、林道を2度横断し、ちょっと開けた空間に出る。ここで右手に帰路の道標を見てゲートのある唐沢橋を渡り、カラマツ林に入る。トロッコの軌条跡とこまどり沢(?)に沿って進む。勾配は緩く、清流と緑を見ながらゆっくり歩きたいところ、しばらく歩くと“みどり池 はっても30分、稲子湯 何となく1時間”としゃれた案内板が目に入る。カラマツからシラビソに変り間もなくミドリ池に着く、6:18-6:30。
  
 緑の美しいシダがビッシリ生えたカラマツ林を緩やかに上る       清流(こまどり沢?)と

  
  トロッコのレールに沿って歩く                  シラカバの小木が朝日に輝く

  
“はっても30分”、しゃれた案内板               硫黄岳がシラビソの間に見えると

  
   しらびそ小屋到着                     

  
 山体を映すミドリ池、天狗岳?                 同、稲子岳

 一点の雲のない空、湖面に映す八ヶ岳を眺めながら朝食、間もなく後続の男性が通り過ぎていく、その後ろに続く。ここから本沢温泉までのトラバースコースは長い、シラビソの樹林帯が続き、眺望がほとんどない。中山峠へ向かうルートを分け、クリンソウの群落を抜け、薄暗いシラビソの密生した中を歩く。途中、八ヶ岳帯状更新試験地という角柱を目にするがわからない、何だろう? 少々上り、低い笹の生えたコメツガの樹林帯を緩やかに下ると、稲子-本沢温泉間の林道に出る。硫黄岳を所々で見ながら、本沢温泉着、7:30。
  
  ここから本沢温泉までシラビソの林間をトラバースする       クリンソウの群落を抜ける、実がビッシリ

  
  樹間に硫黄岳が顔を出すと林道へ出る          こんな硫黄岳が見えると、間もなく

  
   本沢温泉に着く                        山神の脇から天狗岳へ向かう

 ここで一風呂浴びたいところだが、山神の脇から道標にしたがって天狗岳へ向かう。コメツガの樹林帯がずっと続く、日の当たる場所では幼木が力強く成長しているようだ。本沢温泉の標高は約2100mでとミドリ池とほとんど並ぶ、天狗岳まで550m上ることになる。振り向くと、時々樹間から硫黄岳がチラッと見える、一息入れて次のステップを踏む。2400mを超え、根石岳が見え出す付近からダケカンバに変る、今日の日差しは緑が眩しい。高度とともに徐々に木丈が低くなり、ハイマツが混じり、枝間にテーブル状の稲子岳と浅間山が、東方向に御座山が姿を現す。東天狗岳の顔が見えると間もなく稜線に出る、8:33。
  
  コメツガの樹林帯から硫黄岳                登山道にむき出した根っこ

  
  根石岳の東側のようだ                  ダケカンバの明るい森に変り

  
   間もなく眺望が開ける、稲子岳、その向こうに浅間山    東天狗岳が見えればもうすぐ稜線に出る


    稲子岳、左に浅間山、右に御座山遠望

 3時間半の深い樹林帯から抜けて、展望にキョロキョロ、東に稲子岳と浅間山から秩父連峰、西に中央アルプスと御嶽山、西天狗岳、北に目指す東天狗岳が構える絶景だ。一息入れて、南の山並みを振り向いては眺めながら歩き、山頂を踏む、8:52。
  
  稜線出合から奥秩父の山並み、右が金峰山             同、西天狗


     稜線出合から東天狗、左が山頂


  稜線出合から稲子岳とニュウ(奥の岩峰)&浅間山付近の山並み


   稜線出合から中央アルプス&御嶽山(右)遠望

 青空の下、360度のパノラマが展開する。残念なのは意地悪な雲が、北アルプスの標高3000m付近に丁度たなびいていて、乗鞍岳、奥穂高岳、槍ケ岳、立山&剱岳、白馬岳を霞める、あとは一級の眺望だ。南八ヶ岳、根石岳、硫黄岳、赤岳、中岳、阿弥陀岳、編笠山のピーク、南アルプス、中央アルプスと右が西天狗岳、乗鞍岳、北アルプス、蓼科山、頚城山塊、浅間山、御座山、秩父連峰を一望する。ミドリ池から中山経由で歩いた方は一足先に到着していた。

  東天狗岳から南八ヶ岳、根石岳、硫黄岳、赤岳、中岳、阿弥陀岳、編笠山、背景に南アルプス観音岳、北岳遠望


  同、南八ヶ岳、南アルプス、中央アルプスと右が西天狗岳


  同、乗鞍岳、北アルプス、蓼科山、妙高山(蓼科山の右手遠方)

  
 東天狗岳山頂、左妙高山右浅間山遠望              山頂から蓼科山


根石岳、硫黄岳、赤岳、中岳、阿弥陀岳、編笠山、背景に南アルプス観音岳、北岳、駒ケ岳、仙丈ケ岳遠望

 小休止して三角点のある西天狗岳へ、標高は2646mで東西ともほぼ同じのようだ。若干たなびく雲が薄くなったので、遠望する山並みを小ブロックとパノラマでと撮りまくる。次々にやって来るハイカーは10分もいると一順してしまう、もっとゆっくり眺めたらと思うが。東天狗岳に戻りまた一休み、9:45ニュウに向かう。。

        西天狗との鞍部から東天狗岳


    同、三角点のある西天狗岳


       同、根石岳、硫黄岳、赤岳、中岳、阿弥陀岳、編笠山

  
    新居氏天狗岳山頂                   山頂から鳳凰三山、北岳、駒ケ岳、仙丈ケ岳遠望

  
   同、中央アルプス                       同、御嶽山

  
   同、乗鞍岳〜奥穂高岳                 同、穂高岳〜槍ケ岳

  
   同、立山&剱岳方面                      同、鹿島槍ケ岳〜白馬岳、手前は蓼科山

  
     同、頚城山塊、一番右が妙高山           同、四阿山、本白根山、黒斑山、浅間山

  
   東天狗岳から穂高岳〜槍ケ岳             同、鹿島槍ケ岳〜白馬岳、手前は蓼科山

 北方向に下ると間もなく黒百合平への道を分ける。大小岩石の露出する道が続く、浮石も多い。正面に平坦に見える中山、振り向けば緑に被われた天狗岳、山頂から眺めた光景とは女性的で似つかぬもの。しかし、東側は絶壁の連続していることを忘れてはならない。潅木が現われてくると中山峠に着く、10:27。ここで登山道は十字に分岐する、左黒百合平、右ミドリ池、そのまま北方向に進めば中山、ニュウへ向かう。
  
  北側から東天狗岳と西天狗岳(右)            同、中山

  
  同、稲子岳&ニュウ                    同、稲子岳&ニュウ 


     中山&ニュウ、浅間山遠望


       東天狗岳と西天狗岳


     中山、ニュウ&稲子岳

  
   ナナカマドの実(?)                      コケモモの実


      中山峠付近から奥秩父の山々

  
     中山峠                        ここで黒百合平、ミドリ池、白駒池方面分岐

 中山峠付近からシラビソの樹林帯に入る、相変わらず大石、小石に要注意。軽く上った所で、ニュウは右方向に分かれる、10:40。そこで白駒池方向から来た男性に会う、「そっちへも行けるんだ」って。道標、踏み跡はしっかりしているが、利用者は極端に少ないのだろう。時々平坦な地形で、踏み跡を見失う、薄い時もあれば落ち葉で見えない時もある。ハッと気づき目標物を見つける、幸いにしてこのルートはいっぱいある。今日はハイカーにも時々会う、「ニュウまであと15分ぐらいかな」、と勇気付けてくれる一言。その通り、木々の間から稲子山、硫黄岳、天狗岳が見えると、ニュウの岩峰もすぐそこだった、11:23着。
  
                     岩石の露出した道をしばらく進む


    硫黄岳、天狗岳

  
    シラビソの樹林帯に入る                ニュウ分岐


    右側の切り立った崖に沿って進むと視界が開ける、稲子山、硫黄岳、天狗岳を南方向に

  
    稲子山、硫黄岳、天狗岳              進行方向にニュウの岩峰


         ニュウの岩峰

 いやー、素晴らしい光景、そしてまず目に入ったのは霊峰富士、ここまでのコースでは見えなかっただけに嬉しい。南から稲子岳、硫黄岳、天狗岳、北アルプス、美ヶ原を間に蓼科山が鎮座する。北から東方向に目をやれば、頚城山塊、草津志賀、浅間周辺の山、御座山、秩父連峰を介して富士山へとパノラマは回る。先客の夫婦、もう1時間も見ているそうだ、昼食をとって11:50岩峰を下る。

      ニュウの岩峰から富士山を遠望


   同、稲子山、硫黄岳、天狗岳

  
                     ニュウの岩峰から富士山を遠望

  
        同、稲子山、硫黄岳、天狗岳          同、蓼科山と白駒池、ニュウの三角点

  
    丸山&高見石、槍穂遠望              白駒との分岐、New中山とも読める

  
    コメツガの樹林帯を少し下ると          十字の分岐、にゅう、白駒池、稲子湯、白樺尾根・八峰の湯とある

 再び樹林帯に入り、若干下って白駒池への道を分け、緩やかに150mほど更に下ると、十字の分岐に出る。ここで、左白駒池、真っ直ぐ行く白樺尾根・八峰の湯へ、右に下ると稲子湯に向かう。ここでニュウ(国土地理院1/25000地形図で標記)について触れておくと、『にゅう』、『乳』、『ニュー』と道標もいろいろ。語源が何で、何故カタカナ標記になったのか分からないが、興味あるところ。
  
 ここから足場の悪い視界のきかない長ーいトラバース     やっと林道を横断

  
  唐沢橋で往路に出て                    じめっとした道を下ると間もなく稲子湯

  
   道端にシロヨメナ                     湿地にトリカブト

この分岐点から、四方向遮られた密林のような樹林帯の中を、目標もなく、足元を気にしつつ、アップダウンしながらの長時間トラバースすることになった、すっかりこの道に意欲を喪失してしまった。ニュウは、お薦めですが、白駒池からのルートを歩いた方が良いと思う。11:58白駒池分岐、12:15稲子湯分岐、13:15林道を食い違いに横断、13:27唐沢橋、13:38稲子湯着。総所要時間は、8時間43分の最後1時間半のトラバースに疲労感を増した山行であった。



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