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塔ノ岳・丹沢山・蛭ケ岳・檜洞丸(2日目)   1日目に戻る

コース
    2日目:蛭ケ岳→臼ケ岳→金山谷乗越→檜洞丸→熊笹ノ峰→大越路→用水沢出合→西丹沢自然教室

 夕べは強風が吹いていたが、すっかりやんで上空は青空であるが、春霞がかかっている。5:00に起床して、東京の灯を眼下に眺めた、残念ながらカーテン越しに見ているようであった。今朝の温度は−4℃、昨朝は−10℃と管理人が言っていた、それほど寒さを感じない。山頂の表土は凍結し霜柱が2cmほど、富士山はやっと輪郭が見えるだけ、蛭ケ岳山荘5:38出発。

 20分ほど急坂を下り、小さいピークを越え、登り返すとミカゲ沢の頭という一面ブナに囲まれた平坦な山頂1421mにでる、6:13。日の出時刻は過ぎているが、ここではまだ日が当たってない。ここから方向を南に変え、下って登り返すと臼ケ岳である。
  
 一つ目の鞍部から蛭ケ岳                 二つ目の鞍部から蛭ケ岳


  80cmほどの元気なブナ


    やっと稜線から弱い日が差し込む

  
                     樹間に朝日をうけ明るく映る檜洞丸

 臼ケ岳(山頂はちょっと南)にはテーブルが設置されていて、向かう西方向に檜洞丸を樹間に、東方向に下ってきた蛭ケ岳を望む。ここにも植生保護柵があり、柵の効果が、一見して内と外の違いからはっきりわかる、外はすっかり食い尽くされてしまっている。もしかしたら、ここに生息する鹿たちは、飢えているのではないだろうか。ここで西向きに方向が変わり、広葉樹の森を下る。野生の鹿に出会う、塔ノ岳で会った鹿より野生っぽい感じ、夏毛にはえかわる時期のようだ、斑になっている。一帯は表土が露出し、木々にとって厳しい環境になってしまったようだ。7:12、蛭ケ岳から4つ目の鞍部、神ノ川乗越着。
  
 臼ケ岳の休憩所                       休憩所から檜洞丸を樹間に

  
 柵の効果がはっきりと                    ヒメシャラが林立する森、表土はむき出し

  
  雌鹿を発見                 森もこうなると保水力を失って、木が枯れてしまうのでは

  
     神ノ川乗越                      カザグルマかな、それともハンショウヅルの実?

 神ノ川乗越から3つ小さいピークを越え下った鞍部にベンチの置かれた静かなポイントあり、7:38着。物音ひとつ聞こえない深山の雰囲気、冬枯れの落葉広葉樹に囲まれ、陽光を受け静かな所だ、お薦めポイントだ。ここからトラバースぎみに少し下って金山谷乗越に出る、7:47。この辺は、ルートが変えられたようで、ハシゴ、階段、ロープの柵が連続している。金山谷ノ頭方面にはトラロープが張られていて、通行禁止のようだった。
  
 樹林帯の中の休憩ポイント、ベンチあり          金山谷ノ頭方面にはトラロープが張られていた

  
  金山谷乗越                        ヤセオネを通って檜洞丸へ最後の登り

 ここから小さい起伏を繰り返し、間もなく檜洞丸の東斜面の急登がはじまる。様相を変えていく蛭ケ岳を振り向きながら前進する、深山愛好家なら、ヨダレの出そうなルートだ。勾配が緩やかになったと感じると、もう山頂は近い。斜面では、すっかり雪が消え、マルバダケブキと思うが、落ち葉の間から芽を2cmほどのばし、山の春を感じさせていた。ブナの大木に魅せられて、ペースはダウンぎみ、ふと気がつくと目前に青い屋根が。山陰にひっそりと佇んでいるような、青ケ岳山荘到着である、8:37。
  
  様相を変える蛭ケ岳を振り返りながら、檜洞丸の東斜面を急登する


 このブナは斜面に生え根本の直径で80cmほど、元気なようでした

 ベンチに腰をおろし、クッキーを食べていたら、キツツキの木を突っつく音が聞こえてくる。音の方向に見入るが姿は見えなかった、音も止んだ。平坦な檜洞丸山頂には、石造りの祠があり、北の角に“檜洞丸のブナ林”と題する案内板があった。それによると、「・・・・、近年、ブナが枯死する異変が起きており自然環境が大きく変化しています。これは私たちの生活に起因する大気汚染などが原因ではないかと言われています」、と。食害に大気汚染が森の破壊につながり、・・・・あとはどう影響していくか言わずもがなである、9:00山頂を下る。
  
  ブナの森の中に青ケ岳山荘                 朝一で大倉から入れば、この山荘に泊まれるかもね

  
  山荘前から蛭ケ岳                      檜洞丸山頂

 山頂から北西方向に急坂を下る、2日目の富士山がやっと見えてきた、うっすらと。一旦下り笹道をまた登り返す、出たピークが1523mの熊笹ノ峰である、9:30。ちょっと下って、神ノ川への道を分ける、9:35。そして、またちょっと登ったピークが大笄(おおこうげ)である、9:38。下って、鎖のあるヤセオネを登ると、小笄(ここうげ)1288mである、10:10着。いずれもピークには道標がなく山地図からの名称である。ここでやっと主稜線の分岐、犬越路の小屋が視界に入る。ここからもヤセオネがしばらく続く、鎖、鎖、鎖、富士山はいつしか頭に帽子をすっぽりかぶり見えなくなってしまった。
  
 富士山がやっと姿を見せました             同、アップ

  
                       熊笹ノ峰付近から檜洞丸

  
 下ると神ノ川への道を分ける                 富士山もまだ見えました

  
 道標のないピーク、小笄(ここうげ)1288mのようだ   ここから、犬越路の小屋が望めた

  
 こんな所が連続する                     富士山が大分薄くなっちゃった

  
  笹の丈も視界を遮るほどに                富士山の山頂部も隠れてしまった

 ほぼ下りきったところで犬越路トンネル方面への路を分け、緩やかに下って犬越路へ出る、10:52−11:05。驚いた、きれいに整備されちゃって、言葉なし、昼食をとって主稜線と分かれて、コシソバ沢に沿って下る。犬越路へ向かう夫婦に会う、今日はじめてである、祝日であるが少ない。杉林を抜け、小さな橋を沢山渡り、河原を歩き、また橋を渡る。山地図の渡渉地点、気にはしていたが飛び石を渡って、あっけなく、11:56用水沢出合着。
  
    犬越路トンネル方面分岐               整備して真新しい犬越路

  
    檜洞丸を見納めして                  コシソバ沢に沿って下る

  
  杉林を抜け                         小さな橋を沢山渡り

  
  河原を歩き                          また橋を渡り

  
  山地図の渡渉地点に出て、飛び石を渡りました        こんな立派な橋も渡りました、絵にもなりますね

  
  フサザクラが咲いてました                     同、アップ

   
 用水沢出合、ここから道は舗装されていました          川沿にはヤブツバキが咲き

  
    キブシの花も咲き始め                  今ではめずらしいウスタビガの緑繭を2つ見つけました

 ここで、ウオーキングシューズに履き替え、荷物を整理、14:00のバスに乗るには早すぎるが、フサザクラ、キブシ、ヤブツバキ、ミツマタの咲く
川沿いの舗装道路を歩き、12:29西丹沢自然教室着、今回の全行程を終えた。総所要時間は2日間合計13時間06分であった。42年前のコースを辿ったが、若さだったろうか、山頂を沢山踏むことが目的のようなもので、富士山を見ながらの大きくアップダウンする山道と大晦日に泊まった蛭ケ岳の穴だらけの小屋、眺めた東京の夜景、それと雪の積もった急坂の下り、道標一本しかなかった犬越路、等々は覚えているが、今回はまるきり新鮮な山歩きであった。またチャンスをみつけ、花の時期、紅葉の季節に歩きたいものだ。

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