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守門岳(すもんだけ)

山行日
    2006年7月4日   曇り一時雨    3名

コース  概略図及び参考図はこちら
    猿倉橋駐車場→ニ口コース入口→保久礼(ほっきゅうれ)コース登山口(林道別れ)→保久礼小屋→キビタキ→
    展望台→不動平→大岳→網張→大岳分岐→青雲岳→守門岳→青雲岳→大岳分岐→中間点(滝見台)→三角点
    →谷内平→護人清水→ニ口登山口→ニ口(ふたくち)コース入口→猿倉橋駐車場

 昨年秋、M氏夫妻と浅草岳を歩いた。山頂を散策して、クサモミジの中のヒメサユリの花茎を見て、「来年は守門岳のヒメサユリを見ましょう」、という話にして下山した。ヒメサユリの開花情報とM氏の都合で、天気は良くないが、本日決行となった。残雪を背にして咲く高嶺のユリ、霧の中でソフトな感じに咲くピンクの大輪、こんな想像に目覚まし時計は不用だった。夜明けの関越を走り、R252からR290、山間の集落を抜けて守門岳の登山口となる立派な猿倉橋駐車場へ5:30、準備をして5:43出発する。

 猿倉橋を渡り復路の出口である二口コースを右手に見て、舗装された林道を歩く。足慣らしと思いきや、かなりの勾配である。ガクアジサイとシモツケソウが山肌に点々と咲き夏の訪れを感じさせる。6:08、保久礼コース登山口で林道と別れ、堰堤工事用に使用したと思われる壊れた林道を歩き、2つ目の堰堤の所からいよいよ細い登山道となる。グシャグシャな道と木々の枝葉に先々を心配する、6:42保久礼小屋着。
  
 トイレ、休憩コーナー付きの立派な駐車場       橋を渡るとニ口コース入口である(本日は下山口となる)

  
  保久礼コース登山口、林道と分かれ、右方向に    保久礼小屋、森の中の静かな佇まい、中は奇麗だった

 ここからは、登山道の枝葉は、払われ義木の階段が限りなく続いていた。階段が途切れと、今度は粘土質の泥濘の急登である。この道は下りたくない、と誰も思うだろう、7:14キビタキ清水、7:28キビタキ、7:52展望台。展望のきかない樹林帯、ギンリョウソウ、マイズルソウ、ウラジロヨウラク、イワカガミが顔を見せるが、目は常に足元を見ている。不動平の少し手前で、先頭を行くMさんが、「ついに見つけた、ヒメサユリだ!」、と興奮気味。全開と半開、どれも奇麗だ、初物だから嬉しさで2倍、この先の期待が膨らみ10倍の感動、8:08不動平、8:13天狗岩清水分岐、8:28大岳山頂1432.4m着。
  
 ここから草は払われているが、長い義木の階段が始まる  キビタキ清水、中央の黒いパイプ

  
  粘土質のグシャグシャナ道を急登する          展望台に着くが、霞んだ下界が見えるだけ

  
  ウラジロヨウラクもここまで上がると見頃となる        不動平の少し手前で開花したヒメサユリ発見

  
      大岳までは、最初見た花は開花したばかり、次は半開き、あとは蕾だった

  
 不動平、あと400mで大岳山頂              大岳山頂1432.4m、右側にヒメサユリ

 霧が薄っすらと山頂部を包んでいた、入口に、出口に、そして三角点に、見ごろを向かえたヒメサユリが、我等を歓迎してくれた。小休止して、南に50、60m潅木の間を下ると、雪渓が霧の中にボヤッと見えてきた。ここ、大岳と守門岳の間の東斜面には、400mにわたり日本一大きな雪庇ができるんだ、とM氏が話していた。登山道に沿ったヒメサユリは、開花が進み見頃のようだ。日の当たる草むらや笹(ここではネマガリダケ)を好みそうだ。花にはそれぞれ顔があり、同じ顔をした花は二つとない。思い起こせば、私が初めて見たのは、飯豊山の切合小屋手前、種蒔山付の雪田の脇だった。勿論、ヒメサユリについて何も知らなかった、強雨の中だったが、あまりの美しさにカナシバリになった覚えがある、それだけ強烈な印象を受けたのである、もうあれから30年がたった、9:30鞍部の網張着、小休止20分。
  
   山頂でヒメサユリの歓迎                 三角点にも

  
   山頂の祠2つと鐘                    アップで一枚、良い色

  
 大きな雪庇がまだ残る斜面                 南東に守門岳の裾がチラホラ

  
                 南東方向に、守門岳の裾が雲間にチラホラ

  
    ヒメサユリは、登山道に沿って、大岳山頂南に、網張まで続いた

【大岳〜網張間のヒメサユリ】
  

  

  

  
                                      斜面の花を引っ張って撮る

  

  

  
                                    ニッコウキスゲと一緒に咲いてました

  

  

  

  

 雪渓に下りて、散策する、落葉潅木とネマガリダケの中にシラネアオイが花をつけていた。しかし、本日は日差しがないことと、昨日の雨に打たれたようで花に元気がない。エンレイソウ(アカバナ)、カラマツソウ、ショウジョウバカマ、米粒ぐらいの大きさの花のスミレ、キスミレなどなど、一斉に咲き出していた。次に訪れるハイカーは、この雪の下から出た新しい顔を見ることでしょう。ここから登り返すと、大岳分岐にさしかかる、10:17。また雪渓に下りて覗いていたら、雨となってしまった、しばらく潅木の間を歩き、木道の整備された青雲岳1487m着、10:46。
  
網張付近の雪渓                        雪渓から大岳がやっと見えた

  
  オドリコソウ                          カラマツソウ

  
     シラネアオイ                      ショウジョウバカマ

  
  大岳分岐                          ヤナギの花

  
  ウラジロヨウラク                        青雲岳1487m

 青雲岳の東北斜面はにはまだ大量の雪が残る、守門岳寄りには高層湿原が広がり、枯れた草の下から芽吹きがはじまっていた。池塘ではイワイチョウが咲き、カエルの卵だろうか、真っ白いブヨブヨしたものがあった。守門岳に続く木道付近には、アカモノ、ゴゼンタチバナ、めずらしいオノエラン、トキソウ、コクランの花も見た、守門岳山頂1537.2m着、11:05。
  
  イワイチョウ、青雲岳の池塘                  カエルの卵だろうか?

    
                         青雲岳南の高層湿原、

  
               青雲岳南の高層湿原、守門岳は最後まで顔を出さなかった

  
   オオカメノキ                         ゴゼンタチバナ

  
     アカモノ                          守門岳山頂、南方向から

 雨はやんだようだ、見える範囲は山頂部の狭い平坦な場所のみで、ガッチリした御影石製の山頂のパノラマを示す台を眺めて、気分にひたった。佐渡島、粟島、鳥海山、朝日連峰、飯豊連峰・・・・・・・、これは素晴らしい、今度は青空の下でパノラマを見たいな、3人同感であった。・・が、本日の目的は、ヒメサユリを見ることであったから、これ以上のことは言うまい。周辺を散策して、11:30帰路につく。
  
                オノエラン               同、アップ

  
     トキソウ(サワランではないと思う)、        同じく、踏まれた跡が残っています

  
   コケイラン、キンコウカが道すがら沢山あったので間違えて、帰路見直してランであることがわかった

 11:47青雲岳、12:05大岳分岐、少し西へ下った雪田から、守門岳の遅い春を見た、タムシバが咲き出している。13:08標高1000mの中間地点、オカバミの滝を眺めながら休憩、13:44四等三角点、13:48谷内平、この前後からブナ林となる。林立するブナの美林を抜けて、14:12護人清水、14:35ニ口登山口、今朝の道に合流して14:40猿倉橋駐車場着で守門岳の山行を終えた。
  
  ユキザサの大株                      雪田から守門岳の遅い春

  
  マイヅルソウ                         ツバキ

  
    凸凹の登山道、急斜面を下る             標高1000mの中間地点、オカバミの滝見台

  
  オカバミの滝、下部は茂みで見えない         台地の水田が見えた、下界も見えた、ぼんやりと

  
  ヤマツツジがまだ咲いている              これは、地震の跡かな、しばらく続いた

  
この辺からだったかな、ブナ林に入った           どれも根本が同じ様に曲がっている

  
  ここでも同じように                 護人清水、手が切れるような冷たさ、ブナ林からしみ出てくるのだろうか

  
ここで登山道は終わり、林道を5分ほど歩いて今朝の道に合流する   シモツケソウ

 総所要時間は、8時間57分であった。標高1500mそこそこの山でヒメサユリをはじめとした、平地の植物から高山帯の花々まで楽しめるのは、深い雪と密接な関係があるからだろう。眺望はなかったが、ヒメサユリをたっぷり見ることができたので、言うことなし。季節を変えて、澄み切った秋にまた歩きたいものだ。


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