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猿川・鳥居川上流域散策(赤城山)

山行日
    2006年5月12日  曇りのち晴れ   2名

コース
    二ノ鳥居→猿川源頭部→利平茶屋→笹倉沢を桜山付近→利平茶屋
    (猿川は2005年秋の豪雨によると見られる著しい崩壊箇所多数、浮石と落石の危険性あり)

 ヤシオツツジの連続HPアップロードに、「良い所がありますよ、案内しましょう」、と“お山歩ナナちゃん”に誘われ、単独行で歩いて調べあげた利平茶屋周辺の沢筋をガイド付きで歩くこととなった。二ノ鳥居付近から猿川の砂防堤工事用(?)に造られた林道を歩く。小さい尾根を東方向に巻き河川と出合い堰堤を2つ,3つ越え林道は行止まる。ここまでは、土石流検知用の装置があるだけで、どこにでもある登山道と変わりなかった。整備されたコースならば、○○山登山口と書かれた道標がある、しかし、この沢筋には登山道がない、従って目印は何一つ無い。地形図を持ってきたが、細かいところは情報不足とかで、書き足しをした地図を頂いた。

 ここからちょっと歩くと左岸に枝沢があり、最初の滝が現れる。一帯はほぼ芽吹き、所々に濃紫色のミツバツツジが目立つ。足元には、タチツボスミレが花茎を持ち上げ、淡青色の花を咲き競っていた。いよいよ沢に入り、堆積した大小岩石と流れの間をぬって進む。
  
 林道を猿川に沿って進む                  右岸は連続する断崖

  
 新緑に包まれミツバツツジが点々と            咲き競うタチツボスミレ

  
  左岸の枝沢に小滝                    本流の小滝

  
   ナナちゃんが“アカナギ”と言っていた場所、赤茶色い水が岩の間から流れ出ている

  
  上流に進むにつれ緑が薄くなり岩石が大きくなる    細い紐を下げたような滝

  
    不安定な大きな岩石が目立ち、豪雨で流されてきたのか破断面の新しい岩石あり

  
       徐々に勾配を増し、流れは細く、浮石が目立ち歩きにくくなる

  
           枝沢の源頭付近、綺麗な苔むした岩にシャッターを連写

  
   離合を繰り返す小滝、滝つぼの大きさから増水時の不気味さがうかがえる

  
   右岸尾根にアカヤシオが                沢にそってコバイケイソウが群落をつくる

  
             緑が少なくなり、岩場のヤシオツツジが映える

  
  ここでは大きな岩盤の露出が3つ4つ       三段の滝、合計100mはありそうだ、上段は木に隠れて見えにくい

 三段の滝、これは見事だ、上段は木に隠れて見えにくいが合計100mはありそうだ。枝間をじっと見入る、素晴らしい。ここからが、このルートの力量を試されるところだとか。本流に戻り、右枝沢の上部を見通す、目的の尾根が見えているようだ。だが、本沢を上りつめるようだ。真ん中の尾根に上がり、枝沢にザイルで下りて、岩の出水口の水でコーヒーをご馳走してくれるという、なんとも贅沢な話。準備が出来るまで、この沢の上の方に大きな岩が2つこぶしをかざしている、その岩上にヤシオツツジが咲いている、これを撮った。(あとで写真を見たらど真ん中に、ニホンカモシカが写っていた
  
 後ろ行く私をガイド&ガードする足取りは力強く   先端に尾根が見えたがここは枝沢で、左尾根を巻きザイルで滝上に降下

  
枝沢の流出地点、美味しい水でコーヒータイム   ここから大きな岩上のアカヤシオを撮る、偶然沢の真ん中にニホンカモシカ

 コーヒータイムのあとこの岩の下まで登り、岩上のヤシオツツジを撮り、横に這い上がって下ろうとしたら、ニホンカモシカがこちらを向いてポーズしてくれた。ちょっと離れていたが、撮りまくった。ヤセオネから奇岩と左右尾根のヤシオツツジの岸壁を遠望、先ほど張ったザイルで降下、再び本沢に戻って奇岩の反対側を眺めながら、尾根に接近する。
  
  涸れ沢を大きな岩まで                 右岸尾根付近のアカヤシオが素晴らしい

  
  沢直下を取る                        岩壁を望遠で

  
  岩場に大きなカモシカ                   奇岩と背後にアカヤシオ

  
  本沢に戻り、奇岩の間を登りつめる、岩上のヤシオツツジはどうして水分を?

  
  岩からたれる一筋の水、ここが大猿の源頭だろうか   奇岩のアカヤシオも鮮やかに

 尾根が眼前に見え、やれやれと思いきや、ここがこの沢の気の抜けない所とか、急斜面と足場が悪い、掴むものも乏しい、おまけに自然崩壊だろうか、小石と砂状の堆積物が積もり滑りやすい。ここもザイルで切り抜け、本日の最上部、アカヤシオツツジの待つ鳥居川と猿川の合流点に着く。
  
   岩場の間をザイルを使って登りつめ、本日の最上部の尾根に出る

  
          迎えるはアカヤシオツツジ、花数は少ないが手の届く位置でやっと

  
           このうすっぺらい尾根を分けて左が鳥居川、右が猿川である

  
 わずかな平坦地にオオカメノキが葉を出して白い花を    鳥居峠からの砂防工事がここまで及んでいた

ここからは、アカヤシオツツジと咲き出したシャクナゲの尾根を下り、利平茶屋に出る。
  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  
 三階ノ滝、ここを見れば利平茶屋は目と鼻の先      ヤマブキソウが一塊咲いていた

 利平茶屋から北の笹倉沢を、ナナちゃんお薦めのヤシオツツジのメッカ桜山の近くまで歩くことにした。この沢の方が、岩石が安定しているようで歩きやすかった。桜山の見える位置で昼食、元の道を折り返す。
  
        利平茶屋付近からアカヤシオツツジで山肌をピンクに染める桜山

  
                  小さな滝状に岩盤の間に流れをつくる

  

  
                 岩の間から流れ出す水は、冷たく美味しい

  
 桜山の斜面                           沢の両岸にも満開のヤシオツツジが

  

  

 利平茶屋に戻って、本日の沢筋の散策は終わった。総所要時間は、約7時間であった。ナナちゃんのガイドがあって、赤城山の神秘的な一面を垣間見たような気がする。同じ花でも、同じような流れでも、背景の変化で受ける感動は、大きく変わる。私が、赤城山に大分足を運んだと言っても、足跡と展望を面積に換算できたとしても、赤城山総面積の何%になるだろうか、それに季節、時間、天候等諸条件を重ねていったとして、縦横に引く幾本かの線に過ぎないだろう。山一つを知り尽くそうなどと野心はない、でも見るものはいつも新鮮で、思いっきり楽しみたいものである。なお、二度書きしますが、この沢筋は危険を伴うことを付記しておきます。


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