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編笠山・権現岳(八ヶ岳)
      
山行日
    2005年10月25日    晴れ   単独

コース
    観音平→押手川→編笠山→青年小屋→権現岳→三ツ頭→(八ヶ岳横断歩道)→観音平

 北岳を日帰りしようと芦安まで進んだ所で、交通規制中であると言われ、今回の次候補にあげていた権現岳に変更する。観音平で仮眠して5:52出発、毛糸のチョッキ、毛糸の帽子、薄い皮手、ウインドヤッケ、ロング靴下と防寒対策の出で立ち。15分も歩いたろうか、暑くて帽子と皮手、ウインドヤッケをザックにしまう。登山道はカラマツ、ナラノキなど落葉樹の多そうな林中で視界はなく、まだ薄暗い。6:17、東の尾根の斜面から日が昇り、林中を赤く染めた、間もなく樹間に霊峰富士が姿を現す。

 明るさを急速に増し、色づいた木々のまぶしさにカメラを向ける。樹木の薄い林中からパッと雲海に浮ぶ富士、薄い雲がたなびいているが、富士山はくっきり見えた。本日のコースは八ヶ岳、富士山、南アルプスの展望にある、プラス中央アルプス〜北アルプスが見えれば、この上なし、疲労も感じない山歩きとなるだろう。6:32、ベンチのある平坦な、カラマツ、ツツジの紅葉した空間、雲海に出て富士見平からの道を合わせる。ここの標高は1880mと道標に書いてあった、観音平が約1560mであるから320m登ったことになる。

この辺からコメツガ、シラビソといった針葉樹の森に変ったようである。木の根と岩石の露出する道で、足元に気をとられながら進む、7:02押手川着。押手川は、標高2100m、うっそうとした樹林帯の中で、ここで編笠山を巻いて青年小屋に通じる巻き道が分岐している。また5分ほどで押手川展望台にでられるとか。ここを過ぎると、苔と落ち葉で登山道が見難く、おっとっとの連続、踏み跡も平行して出来ているようである。
  
 30分弱歩いた所で日の出                林中が赤く染まり樹間に霊峰富士を遠望

  
 紅葉の美しい登山道、雲海付近               雲海に浮ぶ富士山、雲海付近

 押手川を過ぎて20分ほど歩くと樹林帯が切れて、富士山と南アルプスを展望する。左に鳳凰三山、北岳、甲斐駒ケ岳、仙丈岳と並ぶ。北岳は歩けなかったが、こうして日本のNo.1、2を遠望出来て大満足である。鉄梯子を登る付近から樹木は小さくなり、時々山々が姿を現す、立ち止まってはひと眺め、また歩く。さらに木々は小型化し、ついにハイマツと会う、編笠山の山頂はもう直だ。
  
 樹林帯の切れ目より甲斐駒ケ岳              同じく、富士山

  
  同じく、南アルプス遠望                   同、アップ、左から北岳、甲斐駒ケ岳、仙丈岳


  同、パノラマ加工

  
  林中にハシゴが1ヶ所、編笠山山頂が近い         山頂手前から南アルプス遠望


  編笠山山頂付近から富士山〜南アルプス遠望

 山頂の少し手前で樹林帯を抜け、展望が開け、岩石の露出した一帯を歩く。風がちょっと冷たいが、気持ちのよいところだ、遠望する山々が気になる。北アルプスの穂高〜槍ガ岳は白く、ちょっと離れて白い山並が見える、立山だろうか、白馬だろうか、雲で霞んで判断できない、8:00丁度、編笠山、2524m着。

 富士山から雪の被っている山を追っていく、中央アルプスの木曽駒ヶ岳、御嶽山、乗鞍岳・・・・と。すばらしい眺めだ、南に面している山並みは薄い雲と逆光で判別し難いが、そう贅沢も言えまい。北側は八ヶ岳をまとめて眺められる、こちらは東側に位置する三ツ頭方面はイマイチだが、あとは真っ青の空の下、大いなる感動の瞬間だ。こうなると、雲も山々の景色を引き立てる、丁度その時、富士山の上に飛行雲が斜めに走り、縞状の雲が放射状に並ぶ、これも瞬間のこと。

 向う権現岳と主峰赤岳にしばし見入る、切り立っているなあ、この編笠とは似ても似つかない形をしている。山の生立ちに関係しているのかな、色々想像してみるが、分かるはずがない。面白いのは、八ヶ岳でも“山”のつく蓼科山、中山、編笠山は丸っこい形をしていることだ。山名をつけた人が意識してつけたのか、不思議なことだ、8:15権現岳に向う。
  
  中央アルプス遠望、木曽駒ヶ岳は雪で白く        北アルプス、白いところが穂高〜槍

  
  御嶽山遠望                         奥秩父、中央に金峰山

  
  編笠山山頂から南アルプス、山頂はこんな感じ      同、富士山


 富士山、南アルプス、中央アルプス遠望

  
 左から、赤岳、ギボシ、権現岳                 左から阿弥陀岳、赤岳、ギボシ

  
  赤岳、左が中岳                       赤岳アップ


  編笠山山頂の北側のパノラマ、左から蓼科山〜権現岳

 シラビソの樹林帯の中の急斜面を下ると、間もなく正面にギボシが見え、青年小屋を下に見て、大きな岩石の間を進む。ペイントマークに従って渡りながら進むが、踏み外さないように気をつかう、8:30青年小屋着。ここで先ほど押手川からの巻き道が合流する。あの岩石の間をまた登り返すことを考えると、巻き道は有難いと思うだろう。青年小屋は約標高2390mであるから、約130下っている。

  北側に下ると一時的に赤岳が隠れる、左が阿弥陀岳、ギボシ、権現岳、三ツ頭(右)

  
 青年小屋付近からギボシ、権現岳         少し権現岳方向に進んだ所から青年小屋、編笠山を振り返る

  
  同所から富士山                      御嶽山、乗鞍岳遠望


  同じく、富士山〜南アルプス〜中央アルプス

 登り返して、また樹林帯に入り抜けると小高い、のろし場と書かれた場所に出る、8:55、小休止。ここの標高は2530mと書かれている、140m登り返したことになる。眺望もすばらしい、ギボシの切り立った岸壁とその向こうに見える蓼科山の緩やかな曲線、対照的である。南は丸っこい編笠、その後に富士山、南アルプス、中央アルプスの山並、これから向う権現岳の山頂部に見入る、9:10権現岳に向う。
  
 青年小屋から1つ目のピーク、のろし場からギボシ(左)と権現岳山頂部(右)  同所から蓼科山

  
  同じく、阿弥陀岳                     同じく、編笠山


   ギボシ、向う権現岳、右手三ツ頭

 短いヤセオネを通り、3,4ヶ所鎖場を通過してギボシの東側に回りこんだ所で今日三人目の男性に会う、「キレーイですね、すばらしい」の連発、「すばらしいですね、キレイですね」、と返す。ここのポイントも本当にすばらしい、主峰赤岳を取り巻く山塊、阿弥陀岳、硫黄岳、中岳、横岳をまとめて見られる所だ。ここまで来れば、もう山頂も目と鼻の先。
  
 鎖場が3,4ヶ所                      ギボシの権現小屋寄りからギボシ

  
 同、赤岳                            同、阿弥陀岳、硫黄岳、中岳、横岳、赤岳


  同、パノラマ

 北側の斜面に一昨日の雨だろうか雪だろうか、はがれた氷が白く散在している、多分霧氷の残骸だろう。山頂部の北面のハイマツの上はまだ白い。小屋の脇を通ると、測量していた方が手を休めて、今日のご来光のこと、観音平へのルート、を説明してくれた、ありがとう、権現岳山頂着10:00丁度。

 鉄剣の脇から岩場の天辺に腰を下ろし、大展望を眺める。大自然の造った芸術品だろうか、静と動、やさしさと厳しさ、赤岳は微笑み、権現さまは力を与えてくれた、この山頂の感動、自然に感謝、感謝、感謝である。
  
  権現岳北斜面に霧氷の残りが少々          霧氷の残骸が斜面に点々と

  
  権現岳山頂部                       同所からギボシ、のろし場(左)を振り返る


 権現岳山頂の岩の天辺から、手前赤岳方向に、旭岳、ツルネ、赤岳、横岳、硫黄岳、赤岳の左に阿弥陀岳


 同、南側、富士山、南アルプス、中央アルプス遠望、手前は左が三ツ頭方向、右が編笠山

  
 山頂から編笠山                       同、八ヶ岳主稜線

  
  権現岳東側のホコラ                   離れていく山頂部

 10:20、三ツ頭に向う。2,3ヶ所鎖場を下り、小さいピークを越えて権現岳と三ツ頭の鞍部に出る。ここから見る赤岳の姿、砲弾のようである。急峻な南東壁、東に長く延びる真教尾根、これも自然の厳しさと優しさを感じさせられる。腰をおろし、しばし見入る、すばらしい景観だ。
  
 三ツ頭との鞍部付近から赤岳               同、権現岳

  
 三ツ頭との鞍部から赤岳                 同、権現岳


 同、パノラマ

  
  霜柱、3,4cmに成長                   刀利大権現の碑のあるピークから編笠山


  同、権現岳と阿弥陀岳、中岳、赤岳のパノラマ

  
  同、権現岳                       同、阿弥陀岳、中岳、赤岳


  編笠山〜赤岳のパノラマ、権現岳の隣の旭岳、下って小さなツルネ、そしてキレット、赤岳の主稜線を見る

 緩やかに登り返し、小さな起伏を2つほど過ぎて三ツ頭に立つ、10:50。ここも360度すばらしい、南に富士山と南アルプス、振向けば権現岳と主峰赤岳、間に阿弥陀岳を一望できる。ここに海抜二千五百米の標柱がある、山地図では2580mとなっている。時代はわからないが、80mの差で人が歩くことを考えたら誤差の範囲だろう。もう編笠山とほぼ同じ高さだ、赤岳を見納めして、11:05下る。
  
  三ツ頭より南アルプス遠望                同所にある海抜二千五百米の標柱


  同所から遠望、富士山と南アルプス

  
  奥秩父の山々、中央が金峰山             同所より均整の取れた富士山


  同所より、見納めの赤岳

 1,2分歩いたところで分岐、小泉駅方向に下る。シラビソの樹林帯を抜け広葉樹の間に、三ツ頭、権現岳、谷を介して編笠山を見る。緩やかな編笠山と三ツ頭、尖った真中の権現岳、葉を落とした樹間に見る眺めは、私の好きな眺望だ、小休止。
  
  小泉駅コースより南アルプス              同アップ、左から北岳、甲斐駒ケ岳、仙丈岳

  
 同尾根から編笠山                    同、権現岳

  
 同、権現岳                          同、三ツ頭


  編笠〜権現〜三ツ頭のパノラマ

 ここを出ると間もなく木戸口2240mと書かれた所に出る、11:40。ヘリポートと称する砂礫の斜面、11:50〜12:05、昼食。カラマツの二次林に入り、笹の道を下る。笹すべり12:17、雲海12:26、延命水12:38、さらに緩やかに下り12:45八ヶ岳横断歩道へ出る。緩やかに尾根をトラバースし、沢をわたり一登りすると出発点の観音平に出た、13:10着。
  
 ヘリポートと名のつく地点から編笠山           同権現岳

  
 同、奥秩父の山々                      同、南アルプス

  
     同、奥秩父の山々                  同、南アルプス

  
 八ヶ岳横断歩道に出た所                  散策路

  
 イタヤカエデの黄葉                     観音平駐車場脇にある案内板

  
 観音平から南アルプス                   同、編笠山、権現岳、三ツ頭の尾根

 総所要時間は、7時間18分であった。天気に恵まれ、北岳の次候補だった権現岳の山行であったが、非常にすばらしい眺望にあえて大満足である、6年ぶりに歩いた展望コースでした。山歩きは、どこの山を歩いても、楽しめればよい。快い疲れと、脳裏に刻んだこの山の光景は、また気持ちを駆り立てるであろう、次はいずこの山へ?


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