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大菩薩連嶺縦走(一部)
        
山行日
    2006年11月13日   晴れ   単独

コース 概略図はこちら
    大菩薩峠登山口(ゲート手前の駐車場)→丸川峠→大菩薩嶺→大菩薩峠→石丸峠→狼平→小金沢山→
    牛奥ノ雁ケ腹摺山→川胡桃沢ノ頭→黒岳→湯の沢峠→大蔵高丸→ハマイバ丸→天下石→米背負峠→大谷ケ丸
    →道証地蔵→笹子駅

 恥ずかしいことだが、大菩薩というと大菩薩峠と最高峰の大菩薩嶺しか知らなかった。当掲示板の投稿写真から、面白い山名の“牛奥ノ雁ケ腹摺山”を知り、調べているうちにその気になって、縦走してみよう、となった。どうせ歩くなら富士山を正面に見ながら歩きたい、10月30日出発しようとして寸前で方向変更、北に向ってしまい、今日になってしまった。上の行程でコースタイムが13時間前後、日帰りで、帰りの列車とバスを考えると当然早発ちとなる。

 大菩薩峠登山口駐車場4:03出発、いきなりキツイ勾配ではじまる。林中は真っ暗、でも樹々の間から見渡せば眼下に街の灯り、見上げれば下弦の月と星は見える。カウベルと靴音に甲高い声をあげて逃げているような鹿、連続する沢の音、寒さは思ったより感じない、運動量が多いからだろう。1時間ほど歩いて小休止、1枚脱ぐ、再び歩き始めると間もなく平坦になり、両サイドロープの張られた道となる、丸川峠着5:25。丸川荘前に撮影用のお立場所がある、良く真正面を見ると富士山の輪郭が暗い中に見えた。
  
 ブナの大木、写真が曲がってしまいました     丸川荘前、富士山バックにハイ、ポーズの場所、真っ暗ではねぇ

 ここからは、右手のピークをいくつか巻くようにして進む、勾配はきつくない。星の輝きも弱くなり、徐々に山並みが現れ、5:45消灯する。大きなピークを回り込み直線になった所で、写真には光量不足だが、南アルプスが現れ、続いて向う丸っこい山頂部が現れ、急速に明るさを増してゆく。秩父の雲取山方面が赤く染まり、南アルプスも撮れるようになった。道は大きなジグザグを切って進む。東側に回りこんだ時、遠望する山に陽がさし、一拍遅れて6:20日の出を見た、そして大菩嶺2056.9m山頂着6:27。
  
 大菩薩嶺のシルエット                 雲取山方面が薄明るく

  
  南アルプスが見えた                    樹々の間から日の出

 ここは眺望がない、水溜りのカチカチに氷った道を少し南へ進み雷岩に出る、6:34。真正面に霊峰富士、素晴らしい展望だ。しかし、風の強いこと、5m/secは超えるだろう、カメラを持つ手があおられ、皮手をしているが指がかじかんで操作不安定。ブレてしまうかな、これを計算に入れて数を撮る。風の弱そうな岩陰で、良いポイントを探し移動しながら、シャッターを切る。富士山、南アルプスを撮り、早々に次のビューポイントへ移動する。
  
 大菩薩嶺山頂                          雷岩から霊峰富士

  
                  同じく、強風と寒さを堪えて富士山を撮る

   
  南アルプスを一望                        駒ヶ岳(右)&仙丈岳(中央)

  
   白根三山、中央右から北岳、間ノ岳、濃鳥岳     赤石岳&荒川三山(中央)


  雷岩から富士山と南アルプス、下の街は甲府市周辺、画像クリックすると拡大(戻りボタンで戻って下さい)


 少し歩くと、神部岩に出る、ここは2000年に設定されたという標高2000mの岩場である。富士山、南アルプス、東京湾の眺望が素晴らしかった。東京湾は丁度真上に太陽があり、逆光であった、寒さにここも早々下る。
  
  東京湾                        2000年設定されたという2000mの岩場、神部から富士山

  
                  同じく、神部岩から均整の取れた富士山


神部岩から南アルプス、下の街は甲府市周辺、画像クリックすると拡大(戻りボタンで戻って下さい)

 7:05、広々とした鞍部、賽ノ河原に出る、ここは旧峠と聞く、避難小屋がありこれを背にして小休止。北西の斜面には、八ヶ岳主峰と金峰山が遠望できた、奥秩父の山もうっすらと雪化粧していた。
  
 賽ノ河原から北方向                     同、八ヶ岳と金峰山遠望

  
 同、南方向の親不知ノ頭                      同、東京湾

 賽ノ河原から南へ少し登ると親不知ノ頭へ出る、ここの眺望も素晴らしい、富士山の手前に御坂山塊、三ツ峠と黒岳のピークは目立つ。下方には大菩薩峠の小屋が見える。冷たい風は相変わらず吹いている。
  
賽ノ河原から少し進んで賽ノ河原を撮る             秩父、金峰山の右に北奥千丈岳

  
                        親不知ノ頭から富士山

   
                    同富士山、手前の尾根は御坂山塊

  
  同、大菩薩峠をすぐ下に                 同、南アルプス一望

 下って大菩薩峠、7:28、店は開いていた、人は見えなかった。少し登り返してシラビソとコメツガの樹林帯に入る。秩父連峰の大洞山を枝間に見た、山頂部が何故か離れていくのに大きく見えた。緩やかに道は南東方向に進み、熊沢山の山頂南直下を巻く。ついでなので山頂に入り込む、3つのコブを渡ったが、登山道を歩くのが賢いようだ。
  
   大菩薩峠                         ここからすぐに樹林帯に入る

  
  秩父連峰の大洞山を枝間に                熊沢山付近から撮った富士山と小金沢山(?)

  
 熊沢山の山頂、3つコブがあって手前のピーク      東のピーク

 いつの間にか風もなくなり、温かさを取り戻した、もう気温もグングン上がるだろう、7:56石丸峠着、登山道は再び向きを南に変える。秩父連峰の東側が視界に入る、甲武信岳、大洞山、雲取山のピークがハッキリ見える。特に、大洞山と雲取山の間に、見慣れた日光白根〜男体山が遠望できたのは感激だ。そして少し進んだ小高いピークから多摩湖(?)と筑波山まで遠望できた。少し歩いては立止まりカメラを手にする、富士山も南アルプスも素晴らしい、8:19狼平着。
  
              熊沢山〜石丸峠から見た富士山

  
    小金沢山と富士山                   石丸峠

  
石丸峠〜狼平から秩父連峰、左が甲武信岳、右大洞山    同、大洞山と雲取山の間に日光白根〜男体山遠望

  
 同、 南アルプス一望                同、東下方に多摩湖(?)、中央筑波山遠望

  
 同、赤石岳&荒川三山            同、中央白根三山、右から北岳、間ノ岳、濃鳥岳

  
     同、駒ヶ岳(右)&仙丈岳(中央)            八ヶ岳


石丸峠〜狼平から南アルプス、下の街は甲府市周辺、画像クリックすると拡大(戻りボタンで戻って下さい)

 狼平は背の低い笹に被われた平坦な地で、地名と違和感を感じる。ここから樹林帯に入り、小さいピークを5,6越え樹林を抜けると八ヶ岳、金峰山〜北奥千丈岳、国師岳が顔を出し、間もなく小金沢山に着く、8:52。
  
 左が小金沢山(?)、狼平付近から              一旦樹林帯に入る

  
  抜けると八ヶ岳、金峰山〜北奥千丈岳、国師岳     秩父連峰東側と筑波山遠望

 小金沢山山頂の眺望の素晴らしいこと、上日川ダムとはすっかりお別れし、向う山並の背景に富士山が見える。西の眺望は木々の間から、八ヶ岳、乗鞍岳が見えた。日光白根〜男体山も遠望できた、小休止して9:13牛奥ノ雁ケ腹摺山に向う。
  
 小金沢山山頂                         山頂から八ヶ岳

  
  同、乗鞍岳遠望                   同、大洞山と雲取山の間に日光白根〜男体山遠望

  
                    小金沢山山頂から富士山


小金沢山山頂から富士山、画像クリックすると拡大(戻りボタンで戻って下さい)


小金沢山山頂から秩父連峰東側、画像クリックすると拡大(戻りボタンで戻って下さい)

 富士山が一段大きく見えるようになった、幾分南に移動したからだろう。見える富士山の山頂部には相変わらず雲がなく、そのほとんど同じ姿を見ているが、手前の山並みが歩くにつれ刻々と変化する、従って全てが変ったように新鮮にファインダーから見えてしまう。写真を見たら、同じ様な画像じゃないか、となるかも知れないが。牛奥ノ雁ケ腹摺山山頂着、9:42。
  
         小金沢山〜牛奥ノ雁ケ腹摺山の間から富士山

  
             小金沢山〜牛奥ノ雁ケ腹摺山の間から富士山

  
        小金沢山〜牛奥ノ雁ケ腹摺山の間から富士山と南アルプス一望

 ここから見る富士山も素晴らしい、柔らかい起伏が折り重なり、一点真っ白な富士山の山頂部、日本一高いということからくる風格と山容からくる美中の美、絶景に吸い込まれてしまう、小休止して9:50黒岳へ進む。
  
               牛奥ノ雁ケ腹摺山山頂から富士山

  
                牛奥ノ雁ケ腹摺山山頂から富士山

  
   牛奥ノ雁ケ腹摺山山頂から南アルプス一望      牛奥ノ雁ケ腹摺山山頂から向う黒岳と富士山

 陽の当たる斜面は霜がとけて、ツルツル良く滑る、日陰は先日降ったと思われる雪が少々残る。幾分南へ、そして低くなっているのだが、雪は気象のいたずらだろう。牛奥ノ雁ケ腹摺山山頂から緩やかに南へ進み、黒岳との中間点で川胡桃沢ノ頭へ出る、10:17。南斜面の枯れたススキから見る富士山、「富士山には枯れたススキが良く似合う」なんて言いたいのですが、シャレにもならないかな。樹林帯に入り真っ只中の山頂を踏む、10:40。
  
    霜柱が融け出してよく滑る               この辺は雪が踏まれていた

  
                 川胡桃沢ノ頭付近から撮った富士山

 シラビソとコメツガが混生しているようだ、ダケカンバも混じっている。ここの山頂は全く眺望がない、小休止して10:50湯の沢峠へ向う。南へ少し下ると、山梨森林100選の落葉樹の美林にでる、じっと耳を澄ますと、森の木々の奏でる声が聞こえてきそうな所だ。ここを抜けると白谷丸と立て札のある小ピークに出る、11:00。ここから見る枯野越しの富士山が、また趣が異なり好きだ。一帯には登山道の延長上にあるピークと東側にピークがある。
  
   黒岳山頂                         向う樹林帯の中の道

  
   落葉樹の美林、山梨森林100選             白谷丸

  
                        白谷丸付近から富士山

  
   同、富士山                        小鞍部付近から白谷丸と黒岳(後方)

 一旦南に下り、ついでに東のピークを往復する。山頂部は、大小岩石からなり、そこから白谷丸を見上げると一帯が草原のようだ。そして下ってきた黒岳が文字通り黒く見える、針葉樹の葉の色だろう。この枯野は、夏は花が咲き乱れているのだろうか、花穂が沢山そよ風に揺らいでいた。
  
                      白谷丸の東のピークから富士山

  
                    白ザレのピーク付近から富士山

  
 同、富士山                          白ザレ

 縦走路に戻って、小さく登り返し、ザレ場を西寄りに下り、笹に被われた道を下ると湯の沢峠に出る、11:31。本計画を作る時に、ここをエスケープできる最終ポイントとしてきた。体調は順調、時間も予定より若干早い程度、このまま先へ進む。前方の小高いピークを西側から巻くような格好で、湯の沢峠のお花畑と書かれた平坦な地に出る。この辺も今は枯野と化しているが、看板のように花の奇麗なところなのだろう。南へ少し下ってちょっと登り返すと大蔵高丸山頂に着く、12:06。
  
   湯の沢峠への下り道                  湯の沢峠

  
  白谷丸の南ピークとバラの実(?)            峠から登って、湯の沢峠のお花畑、後方は大蔵高丸

 ここの山頂にも山梨県の百名山の標柱があり、今日歩いている縦走路の主だったピークはほとんどそれだ。ここから草原状の緩い起伏の道を進む、富士山と共に。ハマイバ丸着、12:35、小休止。ここのピークは漢字で“破魔射場”と書いてある、ここもほとんど山頂は平坦だ。落葉樹に囲まれているが南には富士山がドンと構えている。
  
    大蔵高丸山頂                    大蔵高丸山頂から富士山

  
               大蔵高丸からハマイバ丸の間で撮った富士山

  
   同、富士山                  ハマイバ丸山頂

  
                        ハマイバ丸山頂から富士山

 米背負峠という所へ、落葉樹の樹林帯を下って13:14、登り返して天下石に出る、小さいピークを2,3越え急登となる。ここで、親子ずれ3名に本日初めて会う。今の時間だと、米背負峠から下るのだろうか、大谷ケ丸山頂手前で滝子山方面の道を左に分け山頂に着く、13:27。山頂で見渡すとここにも滝子山方面の道標があった。これに従って南に下ると、左に折れ、斜面に沿ってトラバースしてしばらく進み平坦な所に出る。そこに笹子駅方面のプレートを見た。滝子山は? 地図を見ればことはすんだのだが、いささか判断能力を欠いたのだろうか、笹子駅に出ても時間的には大差はないだろう、こちらへ行こう、となった。谷川に沿って下り、大滝、小滝、谷間の紅葉を見ながら下り、5,6名のグループに追いついた。
  


  
    大谷ケ丸                       南に下って左に曲がる

  
  しばらくトラバースして平坦な場所に出る        ここで笹子駅方面に向う

  
                      沢の流れ、小さい滝が連続する

  
              紅葉も残っていた、カエデとメグスリノキ(?)

  
  枝間から大きな滝、千住(?)               水量を増し山間に響く

 しばらく沢沿いを進み、道証地蔵のある林道に出た14:55。林道を歩き甲州街道沿いに小道を選んで進み15:50笹子駅に着き、本日の長い山行を終えた。総所要時間は、11時間47分であった。最後のところでコース変更をしてしまった他は、計画通りだった、残念。眺望は天気に恵まれ上々、忘れえぬ山となるだろう。しかし、距離と累積標高差は、いくらになるだろうか、本年度一番きつかったような山行だった。


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