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浅草岳

山行日
    2005年10月18日   曇り    3名

コース 詳細はこちら
    田子倉登山口→剣ケ峰→浅草岳→剣ケ峰→田子倉登山口

 昨年の10月18日、知人のMさん夫妻と平ケ岳に日帰り予定で出かけ、帰路あと2、3時間という地点でアクシデント、ビバークして翌朝ヘリで救出された。それから4日たった、10月23日、あの中越地震、災害地ではまだ避難所暮らしの方が大勢いる、と聞いている。中越地震とアクシデントの日が重なっていたら、と考えるだけで背筋が寒くなる。彼女は、ほぼ順調に回復し、8月頃から山歩きに復帰し、簡単なコースを歩けるようになりました。「一年を迎え、平ケ岳に近い山を歩いて踏ん切りをつけたい」、という希望があり、また三人で浅草岳を歩くことにした。浅草岳は、私にとっては’99年10月以来2度目、Mさん夫妻ははじめてである。

 コースは前岳、北岳、鬼ケ面山、南岳と縦走したいところだが、兎に角安全第一で、最短距離で往復することにした。予想天気は曇り、大きな国体の記念碑のある、田子倉登山口を7:30出発する。いきなりの泥濘んだ道、歪んだ木道、お互い口にはしなかったが、かなり緊張したにちがいない。パイプを利用した橋を2つ渡り、ブナの大樹の森に入りほっとした様子、8:20最後の水場と書かれた大久保沢で小休止。
  
 田子倉登山口                         登山口にある福島国体の記念碑

  
 シナノキ、説明によると、真っ直ぐ延びた芯から細い枝が沢山真横にのびるようです。

               
 苔生したトチノキの大樹、直径1m以上                 ブナの森

  
大きなブナの木の間を抜けていく               大久保沢、最後の水場と書いてあった

 水場を過ぎると左に曲がり間もなく、ルートは尾根に向かって若干勾配を増す、8:37稜線に出たようだがブナの樹林帯の中である。熊の爪跡と書かれたプレートのあるブナを左に見てしばらく進むと、見通しの利く潅木の尾根に出る。眼下に田子倉湖、右手奥に浅草岳の山頂部が見えた。浅草岳も大分雲が払われ、間もなく全体を現すだろう。ここまで来ると紅葉も大分進み、ヤマザクラは真っ赤に、タムシバ、ミヤマハンノキ、リョウブ、ミズナラノキは黄色く色づいていた。
  
 田子倉眺めより浅草岳山頂部               同じく、田子倉湖

  
 潅木の稜線を行くM氏                    ミズナラノキの実、木の丈1mほど

 9:13、田子倉眺め、という小さい角柱で表示された見通しの利く場所に出た。田子倉まで2.5km、山頂まで2.2kmの標記あり。浅草岳の山頂部から雲はすっかり払われ、曇天の空ではあるが、なだらかなに見える尾根の線と深く刻まれた谷が現れた。紅葉も全体としては茶系であるが、濃い赤と黄色を島状に点々と覗かせていた。真ん前の剣ケ峰の紅葉は、緑が残っているものの見頃のようだ。南に向う縦走路の山々も次第にその姿をクッキリさせてきた。
  
 紅葉の進んだ浅草岳の山頂部              真正面の剣ケ峰

  
 剣ケ峰の左手に縦走路が                  振向けば田子倉湖

 岩石混じりの細い尾根の潅木の間を登って行く、深い左手の谷、それを介して見る縦走路の険しい岩山、雪渓も見える。尾根の僅かに下を、大きな岩を巻くようにして進む、紅葉と縦走路を眺めながら進むコース、1000m超の山とは感じられない。カエデ、ナナカマド、サラサドウダン、ヤマザクラ、オオカメノキの赤、そして黄色、紅葉浅い緑、針葉樹の深い緑に立ち止まり眺めては、また歩きだす、剣ケ峰10:02着、小休止。
  
  雪渓遠望                           南岳、鬼ケ面山、北岳の峰

  
    鬼ケ面山                         浅草岳山頂部

  
 浅草岳山頂部と鬼ケ面眺めのピーク(手前)          鬼ケ面山、北岳の岩峰

剣ケ峰の先に見えたピークへ向う、深い渓谷を介して見る縦走路の峰、高度を増すにつれ、ますますその険しさを増す。時々薄日が指し、紅葉もその鮮やかさを増す。真っ黄色に紅葉した潅木(木名不明)にカナシバリ、背景を変えてシャッター連射、回り込むと鬼ケ面眺めの表示板あり、10:24。鞍部へ出て浅草岳の最後の登りとなる。
  
 鬼ケ面眺め、あと山頂まで1.8km            鬼ケ面山


  縦走路のパノラマ、南岳〜北岳

              
      鬼ケ面山、北岳、この黄色く紅葉(黄葉)した木?       反対側斜面にも


上のアップ、この鮮やかに黄葉する木の名がわかりません、教えて!

鬼ケ面眺めを過ぎ、ブナの樹林帯を進むと、間もなく最後の急登が始まる。斜面にジグザグと造られた登山道を、縦走路を眺めながら、山頂部を見ながら、北側の尾根を眺めながら、ゆっくりと進む。前岳方面の巻き道を過ぎると、山頂のわずか北側に飛び出し、回り込んで山頂に着く、12:00着。
  
鬼ケ面眺めの西側から浅草岳山頂部               鬼ケ面眺めを反対側から撮る

  
 気になる黄色い紅葉、ナナカマドの実も熟れて        カエデの向こうにも雪渓が

  
  落ち葉を踏みしめてブナの樹林帯を行くM氏       真っ赤なカエデ

  
 いよいよ最後の急登だ                    縦走路の峰に接近

  
 浅草岳の斜面と鬼ケ面山                 色とりどりの浅草岳南斜面

  
  登山道ではイヌツゲの実も赤く              同じく、ツルリンドウの実

  
  オヤマボクチ?の実                  眼下に田子倉湖

  
  歩いて来た尾根筋                     山頂直下の湿原のクサモミジ

 昼食をとって、山頂部を前岳付近のネズミモチ登山口分岐点まで散策、ヒメサユリの咲いたあとを奥方があちこちで発見、「咲く時期にまた・・・・・」、私も同感。分岐点付近では木道の工事が進められていた。風もなく静かな山に発電機のエンジン音が響いていた。13:17山頂をあとにする、下り始めて間もなくイチイの赤い実に気付く、食べられる話をすると早速M氏が口にする。「アマーイ」、私も食したが確かに甘い。
  
  浅草岳山頂                         山頂から前岳

  
 山頂から守門岳                        ガスがかかってしまった

  
                      また湿原が現われて、山頂部の散策

  
        湿原を散策するM氏夫妻            湿原にもまだ緑が・・・・

  
 ネズミモチ登山口分岐、木道工事中           分岐点から浅草岳山頂部

 剣ケ峰14:28〜14:40、田子倉湖眺め15:02〜15:20、大久保沢15:28〜15:40、歩き出すと直に、激しい雨の音? 濡れる感じはない、見渡しても音はするのだが、何だかわからない。M氏が、「ブナの実の落ちる音だ」、「へー・・・・・」、風もないのに大粒の雨のように降り注ぐブナの実、地面を見るとその数知れず、蕎麦の実を大きくしたような形、ホウキでまとめられそうだ。自然は不思議なものだ、この実の落下は何かの合図に従って行われているのかな、時間なのか、天候なのか、不思議でたまらない、何事もなく16:20田子倉登山口着。

 総所要時間は、8時間50分だった、曇天下まあまあの眺望を見ながら、無事山行を終えたことは本日の大きな収穫。これで夫妻も不安なくアッチコッチと歩けることでしょう、でも無理はしないでね。今度は、ヒメサユリの咲く時期、ゆっくり歩いてみたいものだ。



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